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【最終話ネタバレあり】病気、子育て、看取り「あいの里」シーズン3、最後に描かれた愛のかたち。「地獄までついていくってそういうことでしょ?」【21~23話レビュー】

  • 2026.11.6

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35歳から60代の男女が人生“最後のパートナー”を見つける恋愛リアリティ番組『あいの里』のシーズン3がついに最終回を迎えた。住民が家屋をリフォームしながら、共同生活をしていくというコンセプトの中で、大人たちの“キラキラしない”リアルすぎる恋愛が繰り広げられる。

シーズン3の舞台は静岡。富士山が拝める綺麗なコテージに早速8人の住民が集まった。番組内で好きな人ができたら、丘の上にある「あいの鐘」を鳴らし、自分のタイミングで思いを伝えることができる独自の告白システムも見どころだ。今回の記事では、配信されたエピソード21〜23をダイジェスト形式で振り返る。

※以下はがっつりネタバレなので、未視聴の方は要注意です!

パクチーとLは無事に仲直り

Lと喧嘩をしたことで、彼女がリタイアしてしまうのではないかと不安なパクチー。彼は初期に想いを寄せていたえのかのが突然リタイアして告白の機会すら得られずにフラれた経験があるからこそ、人一倍「リタイア」というワードに敏感になってしまうのであろう。Lがリタイア宣言することに対して、パクチーは「俺にとってはこの世の終わりなんだよね」と言う。

一方で、Lは、自分が怒っているときにパクチーが「みんな見てるよ」と言ってきたことに対して怒っていた。Lは「私のことなんか何にも思ってない」と言う。これまでも共同生活の調和を大事にするパクチーに対して、恋愛第一のLが怒る場面が多々あった。おそらくあの瞬間もLは、周りのみんなのことなんかには触れず、Lのことだけを見ていてほしかったのだろう。彼女はその後パクチーに「何があっても味方でいてほしかった」と話す。

しかし、怒りがおさまらないLに対して、上着を着せてあげて隣に座り続けるパクチーは、間違いなく彼女のことを大事に想っているし、どこまでも味方であろうとしているように見える。「機嫌を取りたいわけじゃないんだって。一緒にいたいだけだよ」そう語りながらそばを離れないパクチーは、間違いなく愛情深い人だ。「地獄まで行くっていうのはそういうことだから」と語るパクチーに、Lはまんざらでもない顔で笑ってしまう。

そしてあっけなく2人は仲直りするのだった。一連の騒動を見て、改めてLについていけるのはパクチーしかいないように思えた。

Lが明かす過去、そしてパクチーの決断

仲直りをしたLとパクチーは、そこからさらに一つ関係を深めていく。Lは誰にも言っていなかった過去について、パクチーにだけ話すことを決めたのだ。

Lが語ったのは、過去に子どもを交通事故で亡くしたこと、そして、その後に経験した流産と中絶についてだった。

正直に言えば、こうした極めてプライベートで繊細な経験を、全世界に配信される番組で語ることには、大きなリスクも伴うと感じた。交通事故については、Lは紛れもなく被害者だが、子どもを失った経験を番組で語ることに対して、さまざまな受け止め方をする人はいるだろう。また、中絶についても、Lがそうせざるを得なかった背景があるとはいえ、その選択を批判する人が出てくる可能性は否定できない。何が正解という話ではない。それほどまでに、他人が簡単に踏み込んだり、評価したりできるものではないのだ。

筆者である私も一児の母だ。今回の話はあまりにもショッキングで、聞いているだけでも胸が苦しくなるものだった。それでも、こうした経験をした人、そして大切な存在を失った悲しみを抱えて生きている人に寄り添うことは、絶対に必要だと思う。だからこそ、Lの告白に対して、私は何かを評価したり、正しさを判断したりするのではなく、ただ、これまでどれほど辛い思いをしてきたのだろうと、その悲しみに思いを寄せたい。

そして、パクチーはLの過去を聞いた上で鐘を鳴らす。彼なら必ずそうするだろう、と誰もが分かっていただろう。それくらい彼の愛情深さに対する信頼のようなものがある。

パクチーは人を愛する才能があると思う。普通、ここまで真っ直ぐ目の前の人だけを見ていられるだろうか。彼の恋愛の辞書には減点方式という言葉がないのだろうか。えのかののときもそうだったが、持病や年齢などの課題が見つかったときに彼がまず考えるのは、「それをどう乗り越えるか」だった。

一度恋をし始めたパクチーには、どんなみっともない姿を見せても、理不尽な怒りをぶつけても、全てその人らしさと受け入れて丸ごと愛そうとする。Lは「愛が重たい」と言っていたが、正直それくらい重たいからこそパクチーはLから振り落とされずに向き合い続けられたのだと思う。そしてLも、だからこそ安心して自分をさらけ出していたようにも思える(例えば嵐といるときのLはどこか猫をかぶっているような雰囲気があった)。

ちなみに告白に対するLの返事は「付き合えないが、パートナーとしてなら里を出る」「パクチーを信用できるようになったら鐘を鳴らす」という内容で、どうやらパクチーは里を出たあともアプローチは続けないといけないことが決まったようだ。

嵐とおまり、親分とばんぶー、続々とカップル成立

そして、この後2組のカップルが立て続けに誕生する。まずは、嵐とおまりだ。

彼らといえば、嵐がおまりと目が合わないことや彼女に子どもがいることから気持ちが固まらなかったり、おまりはおまりで嵐がLとの間で揺れていることに涙を流したりなど、不穏な空気が続いていた。しかし、その後嵐の気持ちが急速に固まる出来事が起こる。あるとき嵐がおまりと一緒に料理をしていたとき、燻製にしようとしていたサーモンを落としてしまい、おまりはそれを笑いながら一緒に片付けてくれた。彼は彼女の一連の対応を見て、里を出た後も一緒に過ごせそうだと確信する。そしてそのまま鐘を鳴らしに行ったのだった。

それだけを聞けば、あまりにもあっけないようにも感じるかもしれないが、おそらく嵐の中では、ほとんど答えは出ていて、最後のピースがはまる瞬間を待っているような状態だったのだろう。誰かと一緒に生きていこうという感情って、里に限らず、こういうちょっとした、他の人からしたら何でもないような瞬間がきっかけになるものだ。あと、タイミング的にパクチーとLの騒動の裏で、映っていなかったコミュニケーションもたくさんあったと思う。そして、おまりは33分という長尺の返答の末にOKを出すのだった。

そして、続いて2組目、今回の里で最後のカップルとなったのが親分とばんぶーだ。

2人は小さな衝突を繰り返しながらも、その都度話し合いを繰り返しながら信頼を深めていた。一見、感情的な親分と冷静なばんぶーは対照的な2人のように見えるが、お金に対する考え方や理想の生き方など根本的な価値観が一致していた。そして、親分から鐘を鳴らす。もちろんばんぶーの答えはOKだ。

その後、里を出た2人が親分の元夫のお墓に一緒にお参りをしている映像が流れる。ばんぶーの、思い出の品を旅行に持って行って、旦那さんに色んな景色を見せてあげればいいという提案は、すごく素敵だった。これから2人は色んな知らない土地を見て回るのだろうか。今回のあいの里の最高齢カップルとなったが、最後まで柔軟な考え方を持ち朗らかに生きる2人の姿を見ていると、自分もこういう歳の重ね方がしたいものだとしみじみ思ってしまった。

病気、子育て、老後の計画、看取り……「あいの里」らしさ満点だったシーズン3

というわけで、激動のシーズン3も気が付けば完結である。今シーズンは、博士とむぅこ、KEIとワカメ、嵐とおまり、パクチーとL、親分とばんぶーの計5組がカップル成立となり里を出た。

改めて、すごく良いシーズンだったなと思う。これまでのシーズンももちろん面白かったのだが、その上で今回は35歳以降という年齢だからこそぶつかる壁がいくつも参加者たちの間に生まれ、その都度彼らなりの正解を見つけようとする瞬間があった。持病や既病歴、人生後半に叶えたい夢、自分の(もしくは相手の)子どもとの生活、老後の理想的な過ごし方、そういう「なんとなく好き」だけでは乗り越えられないような課題がどのカップルの間にもあった。

その上で、決して打算的ではない、「この人となら乗り越えられる」「この人との未来だったらワクワクする」というような恋愛的感情もあり、告白シーンは毎回感動したし、ドキドキした。

そして同時に“人生最後のパートナーを見つける”というテーマの難しさも感じた。「顔が好き」「性格がタイプ」みたいな直感だけでは壁にぶち当たり、それでいて「資産があるから安心だ」「独身同士だから気楽だ」みたいな条件だけで考えると気持ちが動かない。どちらも兼ね備えた完璧な人がいれば簡単だが、そんな人はなかなかいない。どこかで折り合いをつけながら、その人との未来を考えていく。今回はその決断の仕方にその人らしさが表れていて良かった。例えば、ワカメは漠然とした「男らしさ」よりも「KEIらしさ」を愛することに決めたし、ばんぶーは話し合いを諦めずに相手を深く知ろうとした。そしてパクチーは全てを受け入れて愛し続ける覚悟を決めた。

博士とむぅこという最高のカップル誕生がピークかと思ったら、その後もずっと面白かったのだから、今回は神シーズンと言ってもいいのではないか。恋愛はもちろん、病や老い、老後の資産、大人になってから抱く目標や夢……そういう人生において誰しもが通る道について改めて深く考え直すきっかけにもなるのだから、やっぱり「あいの里」はユニークな恋愛リアリティショーだなあと改めて感じたシーズン3だった。

文=園田もなか

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