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「うるさくてごめんなさいね、兄が来てたの」笑顔で謝ってくれた上階の住人。数日後、耳元でささやかれた不気味な言葉

  • 2026.11.6
「うるさくてごめんなさいね、兄が来てたの」笑顔で謝ってくれた上階の住人。数日後、耳元でささやかれた不気味な言葉

上の階から聞こえる音

私は持ち家のマンションに、もう10年近く住んでいます。

住み始めてから7年ほどは、上の階の物音が気になったこともなく、静かに暮らしていました。

ところが、いつからか上の階からドタドタという大きな足音が聞こえるようになったのです。

平日も週末も関係なく、時間帯もバラバラ。

昼間に聞こえる日もあれば、夜になってから始まる日もありました。

「また上でドタドタしてる。今日はお昼からずっとだよ」

夕食のとき、私は夫にそう話しました。

足音に混じって、「キャー」という高い声が聞こえることもあります。

「子どもでも遊びに来てるのかな」

「どうだろう。上の人、子どもと一緒にいるところは見たことないけど」

上の階に住んでいるのは、私と同じくらいの年齢の女性です。

子どもがいるのかどうかまでは知りませんでした。

それから、もう一つ気になることがありました。

大きな物音がやんだあと、上の階のほうから玄関のドアが開閉するような音が聞こえるのです。

ある日の午後、また同じような音がしました。

誰かが帰るところなのかもしれない。

そう思った私は、どんな人が出てくるのか気になり、階段を下りてエントランスへ向かいました。

すると、見覚えのない若い男性が建物から出ていくところでした。

私も外に出ると、男性は路上に止めてあった車に乗り込みました。

もしかして、あの人が来ているときに音がするのだろうか。

そんなことを考えながら、車が角を曲がって見えなくなるまで眺めていました。

その夜、夫にも男性を見かけたことを話しました。

「上の階の人の知り合いかな?」

「分からない。でも、あの音がやんだ直後だったんだよね」

結局、男性と物音に関係があるのかは分かりませんでした。

エレベーターでの笑顔

数日後の昼、エレベーターで上の階の住人と乗り合わせました。

「こんにちは」

「あ、こんにちは」

普段は挨拶を交わす程度の間柄です。

すると、その女性が少し申し訳なさそうに話しかけてきました。

「最近、上の音が響いてません?うるさくてごめんなさいね、兄が来てたの」

「あ、そうだったんですね」

突然の話に驚きましたが、先日見かけた男性の顔が浮かびました。

あの人が、この女性のお兄さんだったのでしょうか。

「音、結構聞こえてました?」

「そうですね。足音みたいなのが、時々…」

「そうですよね。すみません」

女性はそう言って、軽く頭を下げました。

私もそれ以上は何も言いませんでした。少なくとも、女性は音が響いていることを気にしていたようです。

ところが、別の日の朝のことです。

ゴミを出してエントランスに戻ると、郵便受けの前にその女性が立っていました。

「おはようございます」

私が挨拶すると、女性も「おはようございます」と笑顔で返してくれました。

そのまま通り過ぎようとしたとき、女性がふと思い出したように声をかけてきました。

「そういえば、この前、うちの兄が帰ったとき…」

「はい?」

女性は私のほうへ少し顔を寄せました。

「あとをつけてたでしょ?」

思いがけない言葉に、私は足を止めました。

「えっ…?」

「外まで出ていったでしょう。窓から見えてたのよ」

女性は穏やかな口調でしたが、私は何と答えればいいのか分かりませんでした。

確かに、あの日は男性が気になって外まで出ました。けれど、まさかその様子を見られていたとは思っていなかったのです。

「あ……すみません」

ようやくそれだけ言うと、女性は小さくうなずきました。

そして、ちょうど開いたエレベーターに乗っていきました。

私はしばらく、その場から動けませんでした。

それからも、上の階の物音は時々聞こえてきます。

女性とは今も挨拶を交わしますが、あの日のことを話したことはありません。

あの音が何だったのかも、結局分からないままです。

ただ、物音がしても、もう様子を確かめに行こうとは思いません。

窓の外を見るときも、つい上の階を気にしてしまいます。

あの女性の「窓から見えてたのよ」という言葉が、今も忘れられないのです。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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