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「妻を愛しているのに抱けない…」秘密の性癖が夫婦を引き裂く!?夫婦が自分らしく生きるために選んだ結末

  • 2026.11.5
自分が抱える特殊な悩みを妻に打ち明けられず悩んでいる男性に、加恋はなんと答える?
自分が抱える特殊な悩みを妻に打ち明けられず悩んでいる男性に、加恋はなんと答える?

妻のことを心から愛している。それなのに、どうしても抱くことができない――。メンズエステを舞台に、訳アリな客たちの心を解きほぐしていく創作漫画「メンエス嬢加恋・職業は恋愛です」。蒼乃シュウさん(@pinokodoaonoshu)が描く今回のエピソード「セックスレスの男」では、誰にも打ち明けられない性癖を抱えた夫が登場する。妻を愛しているからこそ隠し続けた秘密。そして、2人が最後に選んだのは…?

妻を愛しているのに抱けない…夫を苦しめた誰にも言えない秘密

今回、メンズエステにやって来たのは我妻一生。妻を心から愛しているものの、「靴を履いた女性の脚にのみ興奮する」という性癖を誰にも打ち明けられず、夫婦はセックスレスに陥っていた。そんなある日、偶然目にしたメンズエステの看板に引かれ、主人公の加恋の施術を受けることになる。

蒼乃シュウさんが、今回セックスレスをテーマに選んだ背景には、もともと描いてみたかったという思いがあった。「最初に『脚フェチの男』を描こうと思ったのですが、それだけだとあまり共感を得られないだろうなと。そこで、『妻のことを本当に愛しているからこそ、セックスレスに陥ってしまう男』という設定にしました。セックスレスは、漫画やドラマでも夫婦の悩みとしてよく扱われています。なので共感しやすいと思いましたし、私自身このテーマで描いてみたいと前々から思っていたんです」

単なる珍しい性癖の話にとどめず、愛する相手がいるからこそ苦しむ男性の姿を描いた本作。読者も、夫婦の間にある言葉にできない悩みに思いを巡らせることになる。

心理学の知識から生まれる、登場人物たちのリアルな悩み

一見幸せそうに見える夫婦やカップルも、実は誰にも言えない問題を抱えているかもしれない。そんな人間の内面を描くため、蒼乃シュウさんは日頃から情報収集を欠かさないという。

「心理学系の書籍を読むのが好きで、週に1回は必ず書店や図書館で情報収集しています。日々流れてくるネット記事の中でも興味のあるものを見つけると、それについてさらに調べたり掘り下げたり。最終的には『自分がこの立場だったらどうするだろう?』と自分なりに答えを出して、作品に落とし込んでいます」

恋愛の悩みは、友人や知人にもなかなか本音を打ち明けにくいもの。そのため、取材で話を聞くよりも、自分で想像を膨らませるほうが描きやすいのだそう。さまざまな情報を自分の中でかみ砕き、登場人物の心情へと変えていくことで、複雑な悩みを抱えた人々の物語が生まれている。

愛しているからこその決断

我妻は、加恋との出会いをきっかけに、自分の性癖や気持ちを妻に打ち明ける勇気を得る。何時間にも及ぶ話し合いの末、2人が出した答えは離婚だった。夫婦関係を修復するハッピーエンドを期待した読者も多いかもしれないが、作者はこの結末を最初から決めていたという。

「特殊な性癖を持っていても、決して異常ではないと思います。それが犯罪に繋がる場合はもちろん異常だし病気ですが、うまく趣味や仕事につなげることができれば、個性のひとつになるのでは?ということを描きたかったんです。あとは、『嫌いになったから別れる』ではなく、『愛しているからこそ別れを選ぶ』カップルの話も描きたいと思いました」

結末に迷いがなかったわけではない。「めでたくセックスレスを解消して離婚回避」という展開を読者が期待するのではないか、がっかりさせてしまうのではないかという不安もあった。それでも、相手を愛しているからこそ簡単には割り切れない夫婦の姿を描くため、あえて離婚という選択をさせたのだ。

自分を偽らずに生きること

離婚後の我妻は、ストッキングを開発する会社に転職。脚フェチ仲間たちと仕事に打ち込み、以前とは見違えるほど生き生きとした表情を見せる。自分の性癖を隠し続けていた頃とは違い、自分らしさを受け入れて生きる姿が印象的だ。

本作のテーマは「セルフラブ」。蒼乃シュウさんは、自分らしく生きることと、相手を大切にすることについて、次のように語る。「一般的に愛とは自分よりも相手を大切にすることですが、だけどそれだと必ずどちらかが我慢をしなければいけません。夫婦として共に生きていくためには相手の気持ちを優先したり、歩み寄ったりすることも大事だとは思いますが、この漫画のテーマは『セルフラブ』なので…。相手に無理をさせたり、自分を偽ったりするのではなく、自分は自分らしく、相手も相手らしく、それぞれが自分の幸せを優先することは可能だと信じています」

そして、客の心を見抜く不思議な女性・加恋のセリフにも、作者ならではのこだわりがある。相手の問題を指摘するだけでは、人の心は癒やされない。だからこそ、言葉選びでは「絶対に説教はしない」と決めているそうだ。「結構辛辣なことは言うのですが(笑)」としつつも、どうすれば相手が自分を好きになれるのかを考えながら、加恋の言葉を紡いでいる。

自分を偽って相手に合わせるのでも、相手に無理を強いるのでもない。それぞれが自分らしく幸せになるために、別れを選ぶこともある。我妻の決断は、愛することの意味や、自分自身を大切にすることについて、読者に静かに問いかけてくる。

■取材・文=石川知京

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