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強盗事件の真っ最中にミルクの時間!? 育休中の刑事が赤ちゃんを抱えて難事件に挑む! 育児とミステリを融合させた話題の小説をコミカライズ!【書評】

  • 2026.11.2

【漫画】本編を読む

『育休刑事』(似鳥鶏:原作、ナカノ:漫画/KADOKAWA)は、赤ちゃんの世話をしながら事件に迫る、育児休業中の男性刑事が主人公という異色のミステリ作品で、似鳥鶏氏による同名小説をコミカライズしたもの。NHKでドラマ化された話題作で、子育てに奮闘する日々のど真ん中に事件が舞い込んでくる、テンポのいい展開が大きな魅力の作品だ。

県警本部捜査一課の巡査部長・秋月春風は、男性刑事として初となる1年間の育休を取得する。バリキャリとして働く妻・沙樹を支えるため、生後3カ月の息子・蓮の世話に明け暮れる日々を送っていた。大きなベビーバッグを抱えながらの買い物の大変さや、赤ちゃんを抱えていると知らない人に声をかけてもらえるなど、育児のリアルな描写も見どころである。そんな育児の日々を送る春風だが、ある日、トラブルを引き寄せる体質の姉と出かけた先で事件に巻き込まれてしまう。

3人で訪れた質屋で強盗事件が発生し、春風たちは人質に取られてしまうのだ。凶器を持った犯人が睨みをきかせるなか、隙を突いて警察への通報を試みようとするなど、その場を切り抜けようとする春風。そんな一刻を争う張り詰めた状況で、容赦なく響き渡ったのが蓮の泣き声だった。そう、強盗に囚われていることなんてお構いなしに、ミルクとおむつ交換の時間がやってきたのである。

緊迫した犯罪現場と、問答無用で押し寄せる育児の現実とのギャップがなんとも面白く、笑いを誘う。そして全然関係のないように見える育児についてのアレコレが事件解決への糸口となるところも見どころだ。本格的な謎解きと、丁寧に描かれる育児との融合の見事さを楽しんでほしい。

捜査一課の優秀な刑事である春風だが、父親としてはまだまだひよっ子であり、予想外の息子の行動に振り回される姿も本作の魅力のひとつ。事件も育児も待ったなし。蓮を抱えた育休刑事は、次々と巻き起こる難題にどう立ち向かうのか、目が離せなくなる作品だ。

文=ゆくり

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