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沖縄で「建築」と出会った少年が、夢を抱き東京へ! 実在する名建築を巡りながら自らの「ブループリント」を描いていく青春物語【書評】

  • 2026.10.31

【漫画】本編を読む

学校や駅、図書館、公民館など、私たちが普段何気なく出入りしている建物のひとつひとつは、その利用目的をしっかり果たせるかはもちろん、使う人がどれだけ快適にその建物で過ごせるかが、設計者によって深く考えて造られている。2026年8月7日に発売された『ブループリント』(中井あさがお:著、クマタイチ:監修/新潮社)は、沖縄で育った少年がそんな建築の面白さと出会い、建築家を目指し歩み始める青春漫画である。

主人公・阿原屋創太は人付き合いが少し苦手な小学生。ある日、唯一心を開ける兄とよくキャッチボールをしていた空き地に公民館が建つことを知る。大切な遊び場所を奪われたくない創太が建設に反対しようとしていると、そこで建築家・鉄村麗子と出会い運命が動き出す。建物はただそこに建っているだけのものではない。人が集まり、そこで新しい時間を過ごすための場所になる。そんな話を麗子としていくうちに、創太の中で建築への興味が芽生えるのだった。

やがて創太は建築家になるという夢を抱き、成長して東京の名門大学の建築学科へ進学する。「地震によって壊れない建物をつくるにはどうすればいいのか」「建築と建設の違いは何か」といったさまざまな課題などに向き合いながら建築の奥深さと面白さを学んでいく。作中には、国立西洋美術館をはじめとした実在する名建築が多数登場し、読み手は創太とともに建築の世界へと足を踏み入れていく感覚を楽しめる。

タイトルになっている「ブループリント」とは、建築などで用いられる「青写真」、つまり設計図を意味する言葉であり、未来の構想や計画を指す言葉でもある。建築家を目指す創太が図面を描くことと、まだ何者でもない若者が自らの未来を描いていくこととを重ねた意味を持っているのである。

建築の専門知識だけを追うのではなく、その建物を「なぜ造るのか」に目を向けているのも面白い。詳細な建物の描写にも目を奪われ、読み終えた後は普段通り過ぎている街の風景が少し違って見えてくるだろう。建築の面白さに触れながら、夢を追いかける若者たちの青春をぜひ楽しんでほしい。

文=ゆくり

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