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ウルトラマンシリーズ60周年記念! ウルトラセブン=モロボシ・ダンを演じた森次晃嗣氏特別インタビュー

  • 2026.10.31
cocreco自らのカフェレストラン「JOLI CHAPEAU(ジョリー・シャポー)」で思い出を語る森次晃嗣氏。 PHOTO/講談社

今年2026年、ウルトラマンシリーズがスタートしてから60年を迎えます。この長い年月にわたって高い人気を保ち続けているシリーズのなかでも、『ウルトラセブン』(1967年)は特にファンからの熱い応援が止まらない超人気作品です。

この『ウルトラセブン』の主役であるモロボシ・ダン(=ウルトラセブン)を演じた森次晃嗣氏に、2026年8月7日に発売予定の「テレビマガジン特別編集 ウルトラマンシリーズ60周年記念 全ウルトラマン記録大鑑」(講談社刊。税込み定価:1万6500円)を見ていただきながら、当時の思い出を語ってもらいました。

北海道から上京して憧れの新宿へ

学生時代の僕は、特に「俳優になりたい」という希望は持っていませんでした。「東京へ行けば何かが得られるかもしれない!」という感情だけで北海道から上京してきたんです。

初めて東京の街を見たときに思ったことは「人が多いだけで、そんなに凄いところじゃないな!」でしたね。でも、新宿にだけは拘りがあって、「池袋でも渋谷でも銀座でもない。僕がいる場所はここだ!」と強く思っていましたよ(笑)。

そんな感じでアルバイトをしながら生活していたのだけれど、勤め先に集ってくる“新劇”の研究生たちと話す機会が増えてきて“演技の勉強をして俳優を目指す人たちもいる”ということを知り、興味を持ち始めたんです。また、知り合いから「ファッションモデルをやってみないか?」と言われて始めてみましたが、「綺麗な洋服を着てポーズを付けるだけの仕事は向いていないな!」と思い、辞めちゃいました。

そんな折、関西テレビのディレクターと知り合って大阪へ移ることになり、その方に連れられて京都にあった各社の映画撮影所や現場で1年半の間、勉強の日々を送りました。この時に、日本電波映画制作で松竹配給の映画『柔旋風 怒濤の対決』(津崎公平役)や、宝塚映画製作所のテレビ映画『青春をぶっつけろ!』などに出演させていただきましたが、俳優業への憧れはまだありませんでしたね。

本格的に俳優の道に

新宿へ戻ってきて街を歩いていると、「歌手になりませんか?」とか「芸能界の仕事に興味はない?」と声を掛けられることが多くなったんです。それで「僕は目立つのかなぁ。だったら、俳優をやるのもいいかな!」と考えるようになって、電通が主催する俳優養成所「テレビタレントセンター」で半年間ほど演技レッスンをしながら東宝系や国際放映制作の作品に小さな役で出演していたんです。

その後、NAC(芸能事務所)に所属し、原田芳雄さん主演のテレビドラマ『天下の青年』で俳優として本格的な活動を開始しました。

『ウルトラセブン』の主役に!

cocrecoウルトラガンを持つモロボシ・ダン。スタイリッシュなウルトラ警備隊の制服が映える! ©円谷プロ PHOTO/講談社

『天下の青年』というのは学園ドラマで、僕は柔道部に所属する生徒としてレギュラー出演していたのですが、道場のセットへ何度も見学に来る男性がいましてね。その方は新野 悟さんという、円谷プロ・演技課のスタッフだったんです。ある時、新野さんが僕に「今、円谷プロでは『ウルトラマン』という特撮番組を制作しているんだけれど、次回作に予定している『レッドマン(仮)』(後の『ウルトラセブン』)の主人公を演じる俳優を探しています。君(森次)、やってみませんか?」と声を掛けられました。

20代だったこともあり、当時の僕は円谷プロの存在や『ウルトラマン』という作品を知らなかったのですが、円谷プロ本社へ行って、社長の円谷英二さんや文芸部の金城哲夫さんから面談を受けた直後、モロボシ・ダン役に決まりました。

その時、新野さんから「近くで『ウルトラマン』の撮影をやっているから、見てみない?」と誘われ、ロケ現場に行ったんですが、科学特捜隊のオレンジ色の隊員服を見た瞬間、「こんな派手な色の衣裳を着て演技をするのかなぁ」と思い、驚きましたね(笑)。でも、(主人公に)選ばれたんだから“どういう感じでいけばいいのか”と模索しながら、地球で活躍する宇宙人の青年/モロボシ・ダンのイメージを固めていきました。

『ウルトラセブン』の撮影秘話

cocreco夜の下田港で軍艦ロボット アイアンロックスと対峙する、ウルトラセブンの勇姿! ©円谷プロ PHOTO/講談社

僕がダン役に選ばれた時点で友里アンヌ役は東宝の豊浦美子さんに決定していたんですが、彼女が“クレージーキャッツ映画”への出演で降板することになり、ヒロインが不在のまま『レッドマン(仮)』改め『ウルトラセブン』の撮影がスタートしたので、僕と豊浦さんの共演は1カットもありません。

1週間ほどアンヌが登場しない場面の撮影をしている間、円谷プロは女優を探し続けて、ようやく東宝の菱見百合子(現・ひし美ゆり子)くんがアンヌ役に決まったんです。僕の撮影は、「宇宙人(ピット星人)の円盤が着陸した木曽谷」と設定された西湖での芝居(第3話)や、ひたすら箱根付近の線路(小田急線)を走る場面(第2話)あたりから始まりました。

そうそう、ウルトラ警備隊の隊員服はとても気に入りました。斬新なデザインだし、色もシックでいいでしょう?(キリヤマ)隊長役の中山昭二さんも「オレンジ色じゃなくて良かった。これなら街を堂々と歩けるな!」と喜んでいたのを覚えています。僕も隊員服姿でヘルメットを抱え、夜の新宿を歩く場面を撮影しましたね(第37話のラストシーン)。

周囲にいる一般の人には何も伝えていない状態で行った“隠し撮り”で、(鈴木俊継)監督から「森次さん、ここから出て、向こうへ歩いていってくれますか」とだけ告げられて演じましたが、意外と誰にも気づかれず、振り向かれたりもしませんでした。

cocrecoウルトラアイで、モロボシ・ダンからウルトラセブンへ! ©円谷プロ PHOTO/講談社

難しくても子どもたちに受けた理由

『ウルトラセブン』のヒットは金城さんを代表とする脚本家たちの功績だと思いますね。30分の時間内にあれだけの情報を詰め込んで、しかも破綻の無い物語を書き上げられる人なんて、そうそういるもんじゃない。次々と出来上がってくる各2話分の脚本を見て、当時の僕は「こんなに難しい話、子どもに分かるのか?」と考えることもありました。

例えば『盗まれたウルトラ・アイ』は、ダンの心にマゼラン星人 マヤへの複雑な感情が残ったまま終わるし、『ノンマルトの使者』も、どちらが本当の地球人だったのか、決着がついていない。最終回(『史上最大の侵略[後編]』)も、ダンは生死不明のままM78星雲へ帰っていく。とても難解だけれど、物語がしっかりしていれば、なんとなく子どもにも理解できるんですね。

しかし、『ウルトラセブン』が放送されたのは1967年だから、約60年前(2026年段階では59年前)でしょう? それが人気作品として評価され続けているんだから、びっくりですよ。当時の撮影スタッフは東宝で映画を撮っていた人が多く、同僚から「テレビの子ども番組を撮っているのか」と言われ、悔しい思いをしたようですが、いまだに多くのファンを魅了しているなんて、考えられないことです。

様々な苦労を乗り越えて

cocrecoウルトラガンを構えるモロボシ・ダン。宇宙人の侵略から地球を守れ! ©円谷プロ PHOTO/講談社

当時の僕は、事務所からの月給2万7000円だけで1年間生活していましたし、40度近い高熱が出ても「撮影に穴が開けられないから」という理由で、始発の小田急電車で藤沢から、成城にある東京美術センターへ通い続けていました。毎日、あまりに夜遅くまで撮影するから、「僕が寝泊まりするための小屋を(撮影所内に)建ててよ!」とスタッフにお願いしたこともあったんです。

それに、(ウルトラ警備隊の)作戦室が設置されたスタジオなんか“波板トタンの掘っ立て小屋”でね(笑)。台詞の同録(同時録音)は不可能だし、冬場なんか室内に大量の雪が吹き込んで撮影が延期になったこともありましたよ。

先ほどお話に出た隊員服だってかっこはいいけれど、中が厚着だと体のラインが崩れちゃうから、どんなに寒い日でも薄いTシャツとタイツしか身につけられない。だから、1月~3月は常に凍えていたんです。

森次晃嗣にとっての、モロボシ・ダン/ウルトラセブンとは?

cocreco「いつまでも元気で、モロボシ・ダンは生き続けます!」と力強く語ってくれた森次晃嗣氏。 Ⓒ円谷プロ PHOTO/講談社

『ウルトラセブン』の後も『ウルトラマンレオ』でMACの隊長、平成に入ってからはビデオシリーズや映画などでモロボシ・ダン/ウルトラセブンを演じ続けていて、もはや僕にとってのライフワークでしょう。こうなると他の人が演じることはできないでしょうし、これからも僕が地球上にいる限り、そしてM78星雲に帰るまで、“森次晃嗣”という俳優にとって、ダンは分身であり続けると思っています。

森次晃嗣氏プロフィール

1961年(昭和36年)ファッションデザイナーを目指して上京。雑誌モデルとしての活動を経て、1967年(昭和42年)、テレビ映画『天下の青年』で俳優として本格デビューを果たし、同年に『ウルトラセブン』の主人公・モロボシ・ダン役に抜擢されて大人気を博した。以後、映画『海はふりむかない』『姿三四郎』『人間革命』、テレビ『大河ドラマ 天と地と』『美しきチャレンジャー』『鉄道100年 大いなる旅路』『ウルトラマンレオ』、舞台『シェルブールの雨傘』『坂本龍馬』、『ウルトラセブン 太陽エネルギー作戦』をはじめとした平成の『ウルトラセブン』TVスペシャル、オリジナルビデオなどの作品に出演。また、著書『ダン~モロボシダンの名をかりて〜』も出版されている。役者活動の傍ら、神奈川県藤沢市でカフェレストラン「JOLI CHAPEAU(ジョリー・シャポー)」を経営し、現在も精力的に活動している。

円谷プロ作品を大掲載! 『全ウルトラマン記録大鑑』2026年8月7日発売!

「テレビマガジン特別編集 ウルトラマンシリーズ60周年記念 全ウルトラマン記録大鑑」(講談社刊。税込み定価:1万6500円)は、『ウルトラQ』『ウルトラマン』から最新作『ウルトラマンテオ』までのウルトラマンシリーズはもちろん、『快獣ブースカ』『怪奇大作戦』『マイティジャック』『ファイヤーマン』『恐竜戦隊コセイドン』など、円谷プロの名作を300ページのボリュームで大掲載した一冊です。

ウルトラマンシリーズでは、登場したヒーロー、防衛チーム、スーパーメカ、怪獣・宇宙人も掲載。作品誕生に至るまでの経緯も見逃せません。

cocreco「テレビマガジン特別編集 ウルトラマンシリーズ60周年記念 全ウルトラマン記録大鑑」(講談社刊。税込み定価:1万6500円) ©円谷プロ

©円谷プロ

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