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挙式なし、指輪なし、新婚旅行なし…“理想の夫婦”1位に選ばれた【トップ俳優夫妻】“夫婦2人”で独立した現在

  • 2026.11.5
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2006年11月、「鍋文化の日 家族にウケる鍋トークショー」に参加した唐沢寿明(C)SANKEI

20年前の2006年11月、「理想の芸能人・有名人夫婦」を尋ねたアンケートで、唐沢寿明・山口智子夫妻が見事1位に輝いた。

当時伝えられた二人への推薦の声には、「アツアツ」や「おしどり夫婦」といった類いの言葉が見当たらない。目立っていたのは、「それぞれを尊重している感じ」「2人の距離感が絶妙」といった、二人のあいだにある心地よい隙間を称賛する声だった。

べったりと寄り添うのではなく、それぞれが自立して自分の足で立っている夫婦像。当時、多くの人々が憧れたその風通しの良さは、あれから20年を経た今、どうなっているのだろうか。夫である唐沢寿明のスタンスを軸に、二人の歩みを振り返ってみたい。

美男美女より「距離感」で選ばれた1位

当時のランキングを振り返ると、2位には反町隆史・松嶋菜々子夫妻がランクインし、こちらは美男美女ぶりに支持が集まった。5位から7位には江口洋介・森高千里、三浦友和・山口百恵、木梨憲武・安田成美といった名だたる夫婦が並び、家庭を第一に考えていそうだという声が寄せられていた。

唐沢夫妻に向けられた声は、そのどちらとも少し違っていた。ある20代の女性は「大人の付き合いができてそう」と書き、二人がそれぞれ自分というものを持っている点を1位に推す理由に挙げた。二人への憧れは、仲の良さの甘さより、自立した個と個の清々しさに向いていたように見える。

二人の出会いは、山口がヒロインを務めたNHK連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』(1988年)。1995年の結婚から数えて、調査が行われた2006年秋は、ちょうど結婚11年目にあたっていた。

ドラマで振り回される夫と現実で見守る夫

その2006年の冬、唐沢の顔はテレビにも映画館にもあった。1月に始まった主演の連続ドラマ『小早川伸木の恋』(フジテレビ系)では、嫉妬深い妻に振り回され、離婚調停へと進んでいく外科医を演じた。職場の人間関係に悩み、やがて別の女性へと心を寄せていく役どころだ。同じ月には三谷幸喜監督の映画『THE 有頂天ホテル』も公開されている。

画面の中では夫婦関係が崩れていく夫を演じていた唐沢が、同じ年の秋、現実の世界では「理想の夫婦」の1位に選ばれた。

山口は大ブームとなったドラマ『ロングバケーション』(1996年)の後、実に8年もの長きにわたりドラマや映画の現場から遠ざかっていた。もっと世界を見たいという思いのままに旅を重ね、のちに訪れた国は30カ国を超える。2026年1月に出演したテレビ番組で山口が振り返ったところでは、その8年間、唐沢は口出しをせず、ただ見守っていた。

二人の間には、挙式もなければ、結婚指輪すらない。後年、唐沢はバラエティ番組で新婚旅行にも行っていないと明かし、気持ちさえあれば形はいらないと、さらりと語っている。極めつけはお墓の話だ。二人で同じお墓に入るつもりでいた唐沢に対し、山口の望みは、その辺の海にでも散骨してほしいというものだった。

夫は同じお墓を思い描き、妻は海を望む。「理想の夫婦」の横顔としては、ずいぶんあっさりしている。

還暦で掲げた同じ看板

その後も二人は、夫婦のランキングでたびたび上位に名前を連ねた。

2025年10月、唐沢と山口は長年所属した事務所を年末で離れ、2026年1月から二人の「TEAM KARASAWA」として活動していくと連名で発表した。

ともに還暦を迎えた節目での決断。連名のコメントには、人生をひと巡りして「生まれ直す」挑戦に、「原点回帰のまっさらな気持ち」で臨むとつづられていた。

それぞれの道を歩く夫婦として推された二人が、人生の円熟期を迎えて掲げた同じ看板。だが、だからといってベタベタした似た者同士になったわけではない。山口は先の番組で夫婦円満の秘けつに触れ、二人が正反対であることを、むしろありがたいものとして語っている。

2026年10月には、クラシックカーで被災地を走る復興支援イベント「GO!GO!ラリー」を2019年から続けてきた縁で、夫婦そろって宮城県石巻市の観光大使になった。

心地よい隙間を守ってきたのは誰か

妻が8年間ドラマや映画から離れても黙って見守り、同じお墓に入ることを断られても笑い話にしてしまう。20年がたっても、互いを尊重する姿が変わらず推されるのはなぜだろうか。

互いの間にある心地よい隙間を無理に埋めようとせず、風通しのいいまま守ってきたのは、ひょっとすると、妻の自由を苦笑いで受け止めてきた夫・唐沢寿明のほうなのかもしれない。


※記事は執筆時点の情報です

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