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「こんなにも違うのか…」“1,000万円”を米ドル建て保険に預けた50代女性→10年後、明細を確認して発覚した“615万円”の増額

  • 2026.11.8
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

今回ご紹介するのは、10年前に外貨建ての保険に加入した60代女性Aさんの体験談です。満期を迎えたAさんが、受取額を前に考え込んだ理由とは。

円建ての保険が満期になり、勧められたのが外貨建てだった

先日、相談にいらした62歳のAさん。パートを続けながら、再雇用で働く夫と暮らしています。

10年前の50代の頃、若いころに入っていた円建ての一時払い保険が満期を迎えました。受け取ったのは1,000万円ほど。当面使う予定もなく、どうしようかと考えていたときに勧められたのが、外貨建ての一時払い保険でした。

当時の円建ての商品は、利率が年0.1%に届くかどうか。それに対して、米ドル建ては年2.5%でした。

「同じ保険なのに、こんなに違うのかと驚きました」

契約したのは2016年の秋。当時のレートは1ドル110円ほどで、1,000万円は約9万900ドルになりました。

円で見れば、615万円増えていた

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

今年、10年の満期を迎えます。

その間に為替は大きく動きました。2026年秋には1ドル159円台をつける場面もあり、契約時とは50円近い開きがあります。

Aさんが受け取った金額は、円に戻して1,615万円ほど。元の1,000万円から615万円増えた計算です。

「こんなにも増えるんですね」

Aさんは喜んでいました。ただ、担当者と一緒に明細を見ていくうちに、気になることが出てきます。

ドルで見ると、増え方は年1%ほどだった

満期時の金額は、ドルで約10万2,200ドル。契約時の9万900ドルと比べると、増えたのは1万1,300ドルほどです。

10年かけて約12%。年に直すと1%ほどになります。年2.5%という利率から想像していた増え方とは、少し違いました。

「2.5%で10年なら、3割近く増える計算だと思っていました」

理由は、保険にかかる費用でした。

外貨建ての保険では、契約時に初期費用が引かれます。商品によって幅がありますが、2%から5%ほどが一般的です。そのうえで、保障にかかる費用や運用関係の費用が、毎年差し引かれていきます。利率は、こうした費用を引く前の数字なのです。

実際、保険会社は積立利率とは別に、費用を差し引いた後の実質的な利回りを示しています。積立利率が5%台の商品で、実質的な利回りは4%台、という具合です。

円建ての預金と比べれば悪くない水準ですが、提示された利率がそのまま増え方になるわけではありません。

「増えた分の大半は、為替だったということですね」

もし円高に振れていたらどうなるか。仮に満期時が1ドル90円だったとすると、10万2,200ドルは約920万円。元の1,000万円を下回ります。外貨建ての保険には、こうした元本割れの可能性があるのです。

増えた分には、税金もかかる

もう一つ、担当者が伝えたことがありました。

契約者と受取人が同じAさんの場合、受け取った金額は一時所得として扱われます。受取額から払い込んだ保険料を差し引き、さらに特別控除の50万円を引いた残りの2分の1が、ほかの所得と合算されて課税される仕組みです。

Aさんの場合、増えた615万円から50万円を引いた565万円。その半分にあたる282万5,000円が、課税の対象になります。翌年の確定申告が必要で、税額によっては住民税や社会保険料にも影響します。

「増えた分が、そのまま使えるわけではないんですね」

実際にいくらかかるかは、その年のほかの所得によって変わります。具体的な金額は、所轄の税務署や税理士に確認してください。

Aさんは、税金の分を見込んだうえで自宅のリフォームの計画を立て直し、残りは円で受け取ることにしました。円安がいつまで続くか分からないと考えてのことです。

外貨建ての保険を検討する前に確認しておきたいこと

利率の数字だけでは、増え方は分かりません。次の点を押さえておきましょう。

  • 提示される利率は費用を引く前の数字
  • 契約時の初期費用は2%から5%ほどが一般的
  • 毎年かかる費用も差し引かれる
  • 増減には為替の動きが大きく影響する
  • 円高に振れれば元本割れの可能性がある
  • 契約者と受取人が同じなら、受け取った金額は一時所得になる
  • 円に戻すときにも為替手数料がかかる

費用の内訳や適用される利率は、商品ごとに大きく異なります。契約前に契約締結前交付書面やパンフレットで確認してください。税金の取り扱いは、契約の形によっても変わります。

「利率が高いから有利」と考える前に、何が引かれるのかを確かめることが、思い違いを防ぐ第一歩です。

※試算の金額は一例です。利率や費用、為替レートは商品や時期によって異なります。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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