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女子ツアープロの合宿に潜入!「チーム辻村」がシーズン前にやっておく練習法

  • 2026.10.28

女子ツアープロを指導する辻村明志コーチの合宿を取材! プロが「開幕までにやっておきたいこと」は、アマチュアも確実にレベルアップができて、1年のスコアをよくする内容にあふれていた!

スイングテンポ、インから振り下ろす切り返し、バランスのいいフィニッシュ。3つの練習をまとめて紹介する。ポイントは基本を集中して磨くことです!

※本記事は、ワッグル2020年4月号に掲載された記事を再構成したものです。

オフにやっておくこと 基本を積み重ねる練習を少ない球数で集中して行う

僕がシーズンオフに選手にやってもらうことは、トレーニング以外だと主に次の3つになります。
・ゆったりとしたスイングを覚える
・ボールをつかまえて打つ
・バランスを崩さず振り切る

変わった練習ではなく基本的なことですが、これが1シーズン戦えるかのカギになります。シーズンは長いので、無意識にスイングが乱れて調子が落ちることがある。そういうときに救ってくれるのが基本で、これはアマチュアも同じ。急に当たらなくなったり曲がるようになったら、基本に立ち返ることが調子を取り戻す一番の方法なのです。

そのため、オフの時季は基本を徹底的に磨きます。球数は少なめでかまいません。肝心なのは「1スイング、1球にどれだけ集中できるか」で、選手には何度も「集中しよう!」と声をかけます。なぜならば、選手が1日に練習できる時間は限られて、ほかの選手たちもみんな時間が許すかぎり練習をしています。では、何が差をつけるのか? それは1時間、1分、1球の“質の差”しかないのです。基本が身についていないのにたくさん球を打つのは、下手を固めることになってしまいます。この時季は少ない球数でいいので、集中して基本を磨く練習をしてください。

全球、集中!

1スイング、1球にどれだけ集中できるかが肝心。少ない球数でも、集中して基本を磨くことが大切だ。

シーズン前にやっておきたい練習1 トップまで普段の倍の時間をかけて振り上げる

打ち急がないゆっくりのテンポを覚えておこう!

スロースイングのドリルは、クラブや体の動きを確認するために行うことがありますが、僕が意図するのは「スイングテンポ」です。試合、アマチュアでいえば本番のラウンドになると、テンポが速まる「クイック」が起こることが多く、バックスイングもダウンスイングも打ち急いでしまうから急に調子が悪くなるのです。

そこで、シーズン前にゆったりとしたテンポを覚えさせるのですが、これはトップまででかまいません。ゆっくりとしたテンポで、腹筋や背筋、股関節など大きな筋肉と関節を動かしてクラブを上げてください。打ち急がずにいつもと同じ捻転量をきちんと作る。捻転ができていない人は体を深くねじれるようになります。

本番でのテンポは無意識に早くなってミスが出る!

普段のテンポ。

倍の時間をかけてトップへ。“ゆっくり”のテンポはかなり遅めでOK。クラブの重みを感じながら、普段の倍の時間をかけてトップまでクラブを振り上げていく。

バックスイングはパワーを貯めるところ

テンポが速まると手打ちになりがち。トップまでの捻転がいつもより不足すると、ダウンスイングやインパクトのタイミングがズレる。「急に当たらなくなったときは、だいたいテンポが狂っています」(辻村)(左)。

「バックスイングはパワーを貯めるところ。ヒョイでなくグワーンとクラブを上げてください」(辻村)。ゆっくりとしたテンポで大きな筋肉や関節を動かすと、捻転が深くなるし打ち急ぎも防げる。スイングもブレにくくなる(右)。

モデル=吉田優利(よしだ・ゆうり)/2000年生まれ、千葉県出身。157cm。

シーズン前にやっておきたい練習2 手元に“遊び”をもたせてインから振り下ろす

体の最短距離を通して球をつかまえて打とう!

不調時は往々にして球がつかまらなくなります。クラブをインから振り下ろしてつかまえて打つことも基本ですから、この時季の練習ではフックするくらいつかまえて打つ練習もします。

インへ振り下ろす切り返しで、僕がもっとも大事だと思うのはトップでの遊びです。手首を柔らかく使って手元を揺らせるくらいの遊びがないと、切り返しで手元を体の近くに落とせない。それに加え、僕の教え子は女子選手で男性のようなパワーがない。トンカチで釘を打つのと同様にリストを柔軟に使い、クラブの重みやしなりを利用しないと飛距離を伸ばせません。

トップでの手元の遊びを使ってインへと振り下ろすスイングは、ステップ素振りとワイドスタンス打ちが効果的。どちらもトップから手元を真っすぐ低く下ろす動きが身につきます。

切り返しで手元を真っすぐ低い位置へと落とす

手元をグルグルと回せるくらいの遊びをもたせたトップを作ると、切り返しで手元をスッと低い位置へ落とせる。

ステップ素振り 左への踏み込みで手元を真下に落とす

下半身リードを覚えるのではなく、辻村流ステップは手元が浮いて体から離れないようにするのが目的。切り返しで左へ踏み込む勢いを利用して手元を真下へ落としたら、体の近くを通して振る。ボールを打とうとすると難しいので素振りでOK。素振りを連続で行うと手元を柔らかく使って切り返しやすくなる。

ステップを踏む左足は靴1足ぶんで充分。ツマ先の前と左へ踏み出す位置にボールを置く(左上)。始動と同時に左足を靴1足ぶん右に上げる。手首は固めず、柔らかく使える遊びをもたせてトップへ(右上)。左側のボールに向かって踏み込むのと同時に切り返す。踏み込む勢いを利用して手元を低く下げていく(下)。

モデル=山村彩恵(やまむら・さえ)/1992年生まれ、福岡県出身。155cm。

ワイドスタンス打ち ダウンで頭を5cm沈めて手元を低く動かす

ワイドスタンスは重心を下げるのが目的。ヒザを軽く曲げて構えが低くなるぶん、クラブを短く持つ。前傾をキープしながら手元を高く上げてハイトップを作る。切り返しは、高いトップから低い位置へと下がる勢いを利用して手元を低く動かす。トップから5cmくらい沈み込むイメージをもちながら振り下ろそう。

肩幅より広いスタンスで重心を落とす。小祝はグリップをギリギリまで短く握る(左上)。伸び上がらないように気をつけて、できるだけ高いトップを作る(右上)。手元を低く落とすと、手元が体に近い最短距離を通ってインから振り下ろせる(左下)。沈み込むイメージでインパクト。頭は少し下がるが手元はまったく浮いていない(右下)。

モデル=小祝さくら(こいわい・さくら)/1998年生まれ、北海道出身。158cm。

「右ヒジ90度」がもっともパワーが出る!

ダウンスイングで右ヒジ90度をキープすると、手元が体の近くを通り、クラブもインから下りる(〇)。右ヒジが伸びると手元が遠ざかるだけでなくパワーも出ない(×)。

腕相撲と同じ! 手元は体から離れて遠回りをした時点でアウト! 正しい軌道からズレてしまいます。また、手元を近くへ通すときの右ヒジ90度は、もっとも力を出せる角度。腕相撲と同じで、右ヒジが伸びて体から離れたら力は出せません。

シーズン前にやっておきたい練習3 ヘソとヘッドを同時に止めるイメージでバランスよく振り切る

フィニッシュにはスイングの良し悪しが表れます。いいショットが打てたとしても、スイング中に悪い動きが出たり、うまく当てようとして誤魔化すとフィニッシュは崩れてしまいます。世界の一流は美しい形でピタッと止まれる「フィニッシュバランス」がすごいのです。

いいスイングをすればきれいなフィニッシュがとれるということは、いいフィニッシュをとればスイングもよくなるということ。そのため「練習くらいバランスのいいフィニッシュをとろうよ」といって、きれいなフィニッシュで3秒間止まる練習をします。

フィニッシュはスイングの出来ばえを表す

バランスよく振り切るには、ヘソとヘッドの動きを同調させるのがポイント。どちらかが先に回ったり遅れたりせずに連動させて、フィニッシュ時には同時に止まるようにする。

バランスのいいフィニッシュで3秒止まる

1、2、3。そのまま3秒キープ!

スイング中の悪い動きは、フィニッシュに表れる。「とくにバランスが大事で、バランスをキープするとミスヒットしても不思議と大ミスにならずにすみます」(辻村)

モデル=松森彩夏(まつもり・あやか)/1994年生まれ、東京都出身。170cm。

いかがでしたか? ゆったりしたテンポ、インから振り下ろす切り返し、バランスのいいフィニッシュ。女子プロも実践する基本練習で、シーズン中ずっと好調をキープしてくださいね。

レッスン=辻村明志
●つじむら・はるゆき/1975年生まれ、福岡県出身。多くの女子ツアープロを指導する敏腕コーチ。

写真=高橋淳司
協力=丸山ゴルフセンター

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