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吉田羊さん「時間をかけて話し合えば分かり合える」ハラスメントに敏感な時代でも諦めたくないこと【ドラマ10『会社員』】

  • 2026.10.27
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あるハラスメント事案をきっかけに、主人公・宮木英理子が危機的状況に追い込まれていく姿を描く、NHKのドラマ10『会社員』が放送中です。野心家の会社員・英理子を演じるのは、凛とした美しさが魅力の吉田羊さん。男性組織のなかを駆け上がってきた英理子の姿を通して感じたこと、そして吉田さん自身の仕事観についてまで語っていただきました。

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Profile

2月3日生まれ、福岡県出身。2001年に俳優としてキャリアをスタートさせ、『映画ビリギャル』で日本アカデミー賞とブルーリボン賞で助演女優賞を受賞し、注目を集める。以降の主な出演作に、NHK大河ドラマ『光る君へ』、『不適切にもほどがある!』、『俺のこと、なんか言ってた?』、映画では『白鳥とコウモリ』、『さとこはいつも』、『わたしの知らない子どもたち』など。映画『日曜のあと』が11月20日公開。

「遠い世界の話じゃない」働く人すべてに地続きの物語

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—男性組織を駆け上がり、取締役への昇進まであと一歩のところまでたどり着いた英理子。50歳でこの地位を手にするまでの苦労は、想像以上に大変だったのではないかと思います。

男性優位の社会の中で、不当な扱いや、理不尽な思いをたくさんしてきたのだろうと想像しています。その中で自分の存在意義を確かめるべく、会社利益に人生のプライオリティを置き、色々なことを前向きに諦めるようになってしまったのは必然の流れかなとも理解できます。また、パワハラという言葉もない時代を生きてきた彼女には、それへの認識の甘さも正直感じます。それでも、彼女にも良心はある。だからこそ迷う。会社のため、倫理的正義のためというシンプルな判断をさせない会社という特殊な環境に今回初めて触れ、そこはかとない怖さを感じています。また、物語が進むにつれて、英理子の過去が少しずつ明らかになってきますので、引き続きご覧いただきたいです。

—会社勤めの経験がない吉田さんが、そうした英理子の気持ちを汲み取るのは難しかったのでは…?

タイトルにもあるように、この作品は企業の中で巻き起こっているけれど、描かれているものは人と関わって働くすべての人に当てはまることだと思うんです。私自身に置き換えてみても、俳優という世界でものづくりをするうえでは、俳優同士で価値観が異なることもあれば、監督と解釈が食い違うこともあります。でも、そこで諦めるのではなく、ゴールに向かって一緒に意見を交わし、答えを導き出していかなければならない。このドラマは遠い世界の話ではなく、みなさんの日常にも地続きの物語だと思います。

後輩をご飯に誘えない…“年々臆病に”なった吉田さんが出した答え

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—本作では、パワハラもテーマの1つです。吉田さんが社会のコミュニケーションにおいて変化を感じていることはありますか?

最近は、作品に入る前に「リスペクトトレーニング」と呼ばれるハラスメント講習会が行われることが多いんです。そうした機会を通じて、これまで当たり前のように相手にかけていた言葉や行動についても、1度立ち止まって「この言葉は、相手にどう届くのだろうか」と考えるようになってきました。

—言葉1つで印象が変わってしまうのが怖いところです。

例えば、共演者と仲良くなりたくてご飯に誘いたくても、先輩から誘われたら、断りたくても断れないと感じる方もいると思うと…なかなか誘えなくなってしまって(笑)。私自身、現場でも年長者になりつつありますし、年々臆病になっているように思います。でも、後から人づてに「吉田さんに誘ってほしかったみたいですよ」と聞くこともあって、そういうときは本当に難しいなって…!

—仲良くなるきっかけを作るのが、どんどん難しくなっている気がします。

そういう悔しい思いをしないために、どうすればいいのかと考えたんです。でも、答えはすごくシンプルで、“できるだけ現場で会話をすること”でした。相手に興味を持って、話をすることが大切なのだと感じています。とはいえ、「ここで話しかけたら迷惑かな」なんて考え始めたらキリがないんですけど(笑)。1つ信じたいと思っているのは、こちらの原動力が愛なのであれば、それは相手にも伝わるはずだということ。時間をかけて話し合えば分かり合える。難しい時代でも、その可能性は諦めたくないんです。

—すべてをハラスメントのせいにして、諦めたくはないですよね。

そうなんです。これまでよしとされてきた価値観を変えるのは、すごく難しいこと。でも、そこで諦めるのではなく、新しい考え方をみんなで当たり前のものにしていくことが大事だと感じています。このドラマを通して、そんな思いを感じていただけたらうれしいです。

ご褒美は、“推し”ケイト・ブランシェットに会うためのロンドン旅

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—最近した、自分に贈ったご褒美を教えてください。

愛してやまないケイト・ブランシェットさんの舞台をロンドンへ観に行ったこと! 彼女が、ロンドンで舞台『Electra/Persona(エレクトラ/ペルソナ)』に出演するという情報を仕入れたとき、すぐにマネージャーさんに「休みが取れたら行きたいです」と宣言をしました(笑)。

—お休みが取れたのですね!

『会社員』の撮影中だったので難しいと思っていたのですが、奇跡的にお休みが取れて、ロンドンまで行ってきました。ケイト・ブランシェットは実在する、ということを自分の目で確認してきましたよ(笑)。最高のご褒美でした!

Information

ドラマ10『会社員』
NHK総合にて、毎週火曜10:00〜放送中。突然届いた脅迫文が、主人公・英理子(吉田羊)のキャリアと組織を揺るがすオフィス・サスペンス。野心を持ち、男性組織を駆け上がった英理子が直面する、組織で働くことの意味と自身の存在価値とは——。

<衣装>
ジャケット¥283,800ブラウス¥146,300 パンツ¥151,800(すべてヌメロ ヴェントゥーノ/IZA tel.0120-135-015)右手人差し指リング¥250,800ピアス¥100,100(ともにヒロタカジュエリー/ヒロタカ 表参道ヒルズ tel.03-3478-1830)

撮影/山村祐太郎 ヘアメイク/中野明海 スタイリング/石井あすか 取材/小林揚 編集/宮島彰子

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