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茶会の毒殺から銃殺、美男子のハニートラップまで……。戦国時代の暗殺事情と家康による「秀長暗殺未遂説」の真相

  • 2026.10.28

*TOP画像/家康(松下洸平) 秀長(仲野太賀)ほか 大河ドラマ『豊臣兄弟!』41話(10月25日放送)より(C)NHK

 

『豊臣兄弟!』(NHK総合ほか)ファンのみなさんが本作をより深く理解し、楽しめるように、40代50代働く女性の目線で毎話、作品の背景を深掘り解説していきます。今回は戦国時代における「暗殺」について見ていきましょう。

 

 

▶暗殺事件が多発した戦国時代

ハニートラップに引っ掛かった武将も……。油断は禁物の戦国時代

戦国時代は暗殺事件が多発しました。暗殺によく利用されたのが、毒。特に、茶会は毒殺の絶好の機会でした。また、銃も暗殺にしばしば使われていました。たとえば、鉄砲の名人として知られる杉谷善住坊は、織田信長の暗殺を二度試みたといわれています。

 

この時代、「戦国の三梟雄(せんごくのさんきょうゆう)」と呼ばれる三人の男がいました。斎藤道三、松永久秀、そして本記事で紹介する宇喜多直家です。彼らは雄々しい活躍の一方で、残忍なやり方によって人々から恐れられていました。

 

直家は幼少期に祖父が島村盛実の策略によって自害に追い込まれるなど、苦渋を味わいました。成人した直家は浦上宗景に仕え、頭角を現していきます。まず、直家は祖父を自害に追い込んだ島村盛実に“謀反の疑いあり”と言いがかりをつけ暗殺し、祖父の仇討を成し遂げます。さらに、舅(妻の父)の中山信正も謀反の疑いをかけて暗殺し、その領土を奪い取りました。

 

加えて、主君・宗景と対立関係にあった穝所元常も暗殺。元常の城を攻めたものの、正攻法では勝ち目がないと判断した直家は、元常が美少年を好むという弱点を突きます。自分の小姓である岡清三郎を刺客として送り込みました。清三郎は川辺で笛を吹いて元常の関心を引き、懐に入り込みました。そして酒に酔った元常を、脇差で刺殺しました。

 

元常が美少年を好み、同性の清三郎に心を許したことを不思議に思う人も多いと思います。戦国大名のほとんどが男色を嗜んでいたといっても過言ではなく、同性愛は決して珍しいものではありませんでした。たとえば、信長と森蘭丸の間に男色の関係があったという説は広く知られています。また、徳川家康にも男色趣味があり、容顔美麗にして心優しい井伊直政を格別にかわいがっていたと伝わっています。

 

▶国内で鉄砲を使った初の暗殺者とは

直家は遠藤兄弟を雇い、敵の暗殺を命じる

直家に雇われた遠藤兄弟(又二郎と喜三郎)は、国内で鉄砲を使った初の暗殺者といわれています。直家は備中の中心勢力であった三村家親の領地侵攻に危機を抱きました。そこで、又二郎を呼び出し、家親を殺すよう命じます。又二郎からこの企てを打ち明けられた喜三郎は、兄に協力するため、自らも家親の本陣へ向かうことにしました。

 

夜、二人は家親のいる興禅寺に竹藪から忍び込み、本堂の縁の下に身を潜めました。家親を撃ち、暗殺は成功。二人は直家から褒美をもらい、宇喜多家の有力な家臣となりました。

 

ちなみに、兄の又二郎は危なっかしい性格で、弟の喜三郎はしっかり者だったといわれています。豊臣兄弟(秀吉と秀長)に似た兄弟ですね。

 

▶『豊臣兄弟!』の41話で描かれた暗殺計画は、史実ではどうだったのか

徳川家康は豊臣秀長の暗殺を企てたのか?

『豊臣兄弟!』の41話「家康の野望」では、家康(松下洸平)が秀長(仲野太賀)の暗殺を企てる場面がありました。しかし史実において、家康が秀長や秀吉の暗殺を企てたという話は噂レベルでもなく、なおかつ家康が直家のように敵対する者や身近な者を次々と暗殺したという話もありません。

 

そんな家康ですが、事情があったとはいえ、妻・築山殿と息子・信康を自らの命令で殺しています。家康は今川義元の姪である築山殿と結婚し、信康を授かりました。9歳の信康は織田信長の娘・徳姫と結婚します。徳姫は信長に信康と築山殿が織田家と敵対する武田家と手を組もうとしていると文を送りました。信長は激怒し、家康に二人を厳しく罰するよう命じました。

 

築山殿と信康が武田家と手を組むため企てていたことを証明するものは今も見つかっておらず、家康は二人が無実であると分かっていました。それでも、家の存続のために信康に切腹を命じ、築山殿を殺すしかなかったのです。

 

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◀◀豊臣兄弟の母・なか(坂井真紀)を焼き殺す準備と秀長(仲野太賀)の暗殺計画。なぜ家康(松下洸平)は自己防衛心から解放されたのか【NHK大河『豊臣兄弟!』41話】

 

<参考資料>

長谷川ヨシテル『あの方を斬ったの…それがしです』ベストセラーズ、2018年

原一六四『明智光秀と謀反、裏切りのざんねんな戦国武将たち』マガジンランド、2019年

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