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バイクのブレーキは何本指が正解? ステップの足の置き方も青木宣篤が解説【コア・ライテク】

  • 2026.10.26

バイクのブレーキレバーは何本指で握るべきか。ステップには足のどこを乗せればいいのか。元GPライダーの青木宣篤さんが、ライディング中の手足の操作について解説する。大切なのは決まった形を守ることではなく、自分の身体に合った方法でバイクを的確に操ること。ブレーキングやスロットル操作、ステップワークの本質に迫る。

※この記事は過去に公開した記事をもとに再編集したものです。掲載内容は取材・制作当時の情報に基づいています。

【青木宣篤】長年にわたり世界グランプリで活躍。1997年には世界GP500ccクラスで新人賞を獲得。ブリヂストンのMotoGPタイヤや、スズキのMotoGPマシン開発にも携わった。

情報に翻弄されることなく胸に留めてほしい真理

ライディングに関しては、諸説入り乱れながら、やけに細かい情報が飛び交っている。その最たるものが、各種操作に関するものだ。

実際、アオキファクトリーコーチングで一般ライダーの皆さんにレクチャーしていて、「ブレーキレバーは何本指で握ればいいですか?」「ステップにはどう足を置けばいいですか?」といった質問を受けることは非常に多い。

プロのレーシングライダーとして30年以上を過ごした私の経験上、ことサーキットにおけるスポーツライディングに限って言えば、結論はシンプルかつクリアだ。

「なんでもいいです」

答えはこれに尽きる。

各種操作とは、人の手足を使って行うものだ。そして人の体格や筋力、柔軟性や可動域は、人によってまったく違う。

だから、その人にとって操作しやすい方法であれば、「なんでもいい」が真理だ。

「人にこう教わったから」「雑誌でこう読んだから」などという理由で、やりにくい方法にこだわる必要はどこにもない。

大事なのは、バイクをコントロールするために必要な力を、しっかりとバイクに伝えられているかどうか。そこさえ押さえておけば、あとはあなた次第、なのである。

右手(ブレーキング):指は何本でも構わない

とかく争点になりやすい「ブレーキレバーは何本指で握るか」という問題。

しかし、「こうでなくてはならない」という決まりはない。ギュッと握ってフルブレーキングができれば、何本指でもOKだ。

ただし、大事なのはしっかりと握り込むことができているかどうか。レバーの距離を調整できるバイクなら、自分の手の大きさや指の長さに合わせ、確実に操作できる位置に設定したい。

バイクのブレーキは何本指が正解? ステップの足の置き方も青木宣篤が解説【コア・ライテク】
1本指(人差し指)
バイクのブレーキは何本指が正解? ステップの足の置き方も青木宣篤が解説【コア・ライテク】
2本指(人差し指・中指)
バイクのブレーキは何本指が正解? ステップの足の置き方も青木宣篤が解説【コア・ライテク】
3本指(中指・薬指・小指)
バイクのブレーキは何本指が正解? ステップの足の置き方も青木宣篤が解説【コア・ライテク】
4本指(人差し指・中指・薬指・小指)
バイクのブレーキは何本指が正解? ステップの足の置き方も青木宣篤が解説【コア・ライテク】
1本指(中指)

意識したいのは「握りつつ戻す」こと

ブレーキは減速のためのものであり、速度や車体姿勢をコントロールするものでもある。

しかし、ただ握るだけでは、減速方向にしか操作していないことになる。

微調整するためには、握りながらも戻すことを意識したい。ブレーキリリースの際も、ブレーキレバーのスプリング任せではなく、自分の指の操作加減でしっかりコントロールする。

右手(ブレーキング&スロットル):「人それぞれ」の極み

ブレーキングは、スロットルワークと重複する。

私の場合、ブレーキレバーを握り始めてからスロットルを手から離すが、そのときはスプリング任せでパッと全閉にしている。

一方で、スロットルを戻してからブレーキをかけるライダーも多い。ここも操作方法はまちまちだ。

足(ブレーキ&シフト操作):ステップの上で踊らせる

ステップへの足の置き方も、体格や柔軟性に左右されるので、人それぞれだ。

重要なポイントは、ステップの上で足を動かすこと。

ドカッと足を置いてそれっきりでは、積極的なマシンコントロールができない。

まずは「足は動かすもの」と意識してほしい。

内足を外に開くのはNG

唯一やってはいけないのは、イン側のつま先を外に開くこと。内側にずらした体重を効率よく車体に伝えることができないからだ。つま先を擦ってしまうという弊害もある。

足(ステップワーク):基本はつま先立ち

ステップの上で足を踊らせるための基本は、つま先立ちだ。マシンホールドのパワーが増すし、足の動きの自由度も高まる。

ただし、これも体格やシート高次第。土踏まずでステップを踏むのがちょうどいい場合もある。

ペースが上がるほど、ステップへの入力の重要度が増すサーキット走行。自分なりに力を入れやすい場所を探そう。

左手&左足(クラッチ&シフト操作):今や過去のテクニック

最近のスポーツバイクの標準装備となりつつあるクイックシフターは、非常に優秀だ。

クラッチを使うのは発進・停車のときくらいで、あとは機械任せの方がうまくいく。「クラッチワーク」という言葉自体が死語になりそうだ。

マネできる(かもしれない)操作の天才:ケーシー・ストーナー

ストーナーの走りは、ギュッと減速してグリッと向きを変え、ビュンと立ち上がるという「V字コーナリング」。

そのV字度合いを天才的に尖らせていたのだが、操作自体は比較的オーソドックス。

マネでき……ないな……。

マネできない操作の天才:ホルヘ・ロレンソ

ロレンソの走りは「旋回速度命」。MotoGPライダーの中でも特に深いバンク角でコーナリングしていた。

その状態で操作をするのだから、ほんのわずかなミスが命取りになるほど極めて繊細。常人にはマネできない。

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