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木材メーカーから学ぶ、部屋づくりの新しい選択肢。「理想の暮らしから考える、床材の選び方と作り方」

  • 2026.10.26

建築家や住宅メーカーと造る以外にも、家づくりの選択肢は広がっています。部屋づくりの新しいパートナーとなってくれる木材メーカーの〈TIMBER CREW〉に、彼らだからこそ叶えられる、新しい家づくりを学びます。

illustration: Shinji Abe / text: Ku Ishikawa

阿部慎司 イラスト
BRUTUS

講師:TIMBER CREW(木材メーカー)

ティンバークルー/2010年創業。特注色塗装やエイジング加工を得意とし、フローリング・突板・不燃木材などあらゆる木を販売する建材メーカー。東京都調布市のアトリエでは、木の表情を見ながら購入も可能(要予約)。


理想の暮らしから考える、床材の選び方と作り方

住宅や店舗・オフィスなどに、フローリングや壁・天井の木質資材を提供する〈ティンバークルー〉。主なクライアントは、デザイナーや建築家だ。彼らが描く空間に対して、どんな木材ならその表情が出せるのかを考え、床や壁、扉へと落とし込んでいく。もともとは造園会社として始まり、ウッドデッキの仕事からフローリングへと広がった。

外のデッキと同じような色味の床を作りたい。輸入した古材が足りず、そこに馴染む新材を作りたい。そんな相談に応えるうちに、素材を売るだけでなく、イメージに合わせて木材を加工する会社になっていった。

こんな雰囲気にしたい、という画像が一枚あれば、そこからサンプルを作る。そんな経験や技術を生かし、素材の表情、パターンなど、天然木の魅力を引き出したフローリングや突板を既製品としても販売する。

個人が〈ティンバークルー〉とやりとりする場合には、デザイナーや建築家を通してというパターンが一般的。彼らのもの作りを体験できるのは、製造過程で生まれる端材でプロダクトを製造する〈TIMBER CREW PRODUCTS〉や、造園およびランドスケープデザインを手がける〈TIMBER CREW GREEN〉。ほかにもキャンプ場〈CAMP CREW〉や貸別荘〈HOLIDAY CREW〉など。いずれも“木のサンプル帳”として国内、いや世界随一と言える。

阿部慎司 イラスト
TIPS 01/どんな表情の木材でも作れてしまう 「あの床にしたい」という相談は、図面よりも写真の方が遥かに早いそうだ。ヨーロッパの城、旅先のホテル、ハワイのカフェ、Pinterestで集めたイメージ。〈ティンバークルー〉では、そうした一枚を手がかりに、木材の色味や幅、表情、エイジングの具合を探っていく。 少し乾いた感じなのか、踏み込まれた古材のような味なのか、光を受けたときにどう見えるのか。素材選びは、言葉で説明しきれない感覚を、木の表情へと翻訳する作業と言える。そうしたオーダーの完成品やサンプルを基にした既製品も販売されており、写真の中の木材とほとんど同じ雰囲気のものが見つかることも往々にしてある。
阿部慎司 イラスト
TIPS 02/木の機能性から暮らし方を想像する 〈ティンバークルー〉に揃う木材の幅は、かなり広い。細いものなら35mmほど、広いものなら40cm、長さも5mに及ぶものまである。針葉樹のように軟らかく、足触りの優しい木もあれば、硬くて耐久性の高い木もある。木は色や木目だけで選ぶものではない。幅が変わればリズムが変わり、硬さが変われば歩いたときの感覚も変わる。 床材の見本は、暮らし方の見本でもある。デザイナーや建築家が施主の用途や生活感を伝えることで、〈ティンバークルー〉が木の機能性を踏まえて最適な木材を教えてくれる。同じく、アトリエに訪れ、実物を並べて、見て、触れて、どの木が自分の生活に合うかを考える時間は、家づくりの入口でもある。
阿部慎司 イラスト
TIPS 03/予算に応じての提案も柔軟に 理想はあるものの、もちろんそれぞれの予算もある。施主の理想の木材の雰囲気に近づけたいが、どうしたらいいのかわからないと悩むデザイナーや建築家にとって、〈ティンバークルー〉は木材における駆け込み寺的な存在になることもある。実際、幅広いラインナップの既製品や、既製品をもとに少し加工を加える選択肢があるため、要望を聞いているとフルオーダーにならないことも多々あるそうだ。 例えば、既製の幅広のフローリングの表情を気に入り、それをカウンターに転用という事例も過去にあったという。特に建材の値段の高騰が著しい昨今において、理想と現実のバランスを考えてくれる貴重な材料屋さんなのだ。
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