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学校跡地活用の宿泊体験施設「米沢みさわ小学校|とここと」がグッドデザイン賞受賞

  • 2026.10.23

山形県米沢市の旧三沢東部小学校を活用した宿泊・地域体験施設「米沢みさわ小学校|とここと」が2026年度グッドデザイン賞を受賞。これまでの歩みと、この冬・来春の取り組みを紹介する。

2026年度グッドデザイン賞を受賞

「米沢みさわ小学校|とここと」の「自走型廃校再生×地域滞在×共創モデル」(カテゴリー:地域の取り組み・活動)が2026年度グッドデザイン賞を受賞した。

審査委員は受賞について次のようにコメントしている。

「施設名でもあるように、施設と体験をパッケージ化し、選択可能にし、地域との関係の入り口にするその手法が評価された。また、その手法が、手法にとどまらず、内容のあるものになっていることが、本取り組みの評価につながっている。廃校を残すことを目的ととらえず、使って活かすことを軸においた本活動の中心が若者であることは、地域にとっても希望であり、また多くの地域の大人が関わっていることも、地域の魅力の表出といえる」

ゼロからの起業

「米沢みさわ小学校|とここと」は、ゼロからの起業で作られた。行政の追加支出に頼らず、改修を支えたのは、フィリップ モリス ジャパンとクラウドファンディングによる寄付。

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図書室の改装[/caption]

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こたつ部屋づくり[/caption]

自ら学校跡地を活用する事業を立ち上げ、地域住民とともに宿へ生まれ変わらせた。

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校長(CEO)の谷山紀佳氏が率いる米沢みさわ小学校が運営[/caption]

運営は、補助金や母体となる事業の収益を前提にせず、自分たちの手で回している。

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花壇の手入れ[/caption]

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落ち葉・枝の掃除[/caption]

2025年11月に初めて単月で黒字になり、初年度を黒字で終えた。また初年度の来訪者は、延べ約1,000人にのぼる。

発起人の一人・伊藤夢人氏は、当時、米沢市参与として、旧三沢東部小学校の元校長・元教育長の土屋氏にも協力を呼びかけ、地域や行政との合意形成をリードした。伊藤氏は、開業までの経緯、学校跡地の活用への思いを語ったインタビュー動画の中で次のように語っている。

「学校跡地の活用は実はとても難しく、大きな費用がかかります。学校は宿として使うには建物が大きく、その分お金もかかる。その負担を民間が引き受け、市が校舎を貸す。そこで、どう自走する仕組みをつくるかを考えてきました。この1年半で、その仕組みがかなり形になりました。全国や世界に発信できる、米沢市の地域資源になりつつあると感じています」

地域内の事業者と連携

宿泊だけで収益を上げ続けるのは、簡単ではない。そこで目を向けたのが、米沢・置賜の地域資源だ。泊まりに来た人が地域の作り手に出会い、そこにお金が落ちる。宿がその入口になることこそ、学校から生まれた宿の役目だと考えているという。地域内の事業者との連携や実績を着実に積み上げているとのことだ。

米沢織は、新田織物や山口織物鷹山堂の工房見学等を実施。

小野川温泉では、宝寿の湯が芋煮会合コンを主催した。

食と農では、農家・岡義将氏が館山りんご収穫・パフェ作りプランを実施。佐藤畜産、酒蔵「東光」の小嶋総本店、農園 成、鈴木精一氏、カクリキ味噌、新杵屋と連携。

学びでは、よねざわ昆虫館が親子の自由研究合宿を実施。その他、座禅、狂言、木工、茶道、生花など様々な体験を実施。

観光・まちづくりでは、米沢まちづくりラボ×面白法人カヤックが「カヤック流 ブレストワークショップ」を実施。プラットヨネザワ、つなぐ、山形まちづくり大学らと連携。

県外では、産業能率大学経営学部がビジコン合宿を実施。フィリップ モリス ジャパンは設備導入の支援等を行った。

「米沢みさわ小学校|とここと」を支えるメンバー

同施設を支えるのは、旧三沢東部小学校の卒業生や三沢地区・小野川温泉街の発起人(役員)だ。宿泊事業の運営助言から地域連携の地盤までを支えている。

また、副業として関わる各分野の専門人材20人超が、本業では得られない挑戦と共感を原動力に、全国から参画している。

校長の谷山紀佳氏が開発を主導した独自AIエージェント「ミニ校長」も、業務の自動化や予約管理、バーチャルオフィスの管理人などを担う。

地域の現場で学び、教室で考えを深める

「米沢みさわ小学校|とここと」は、校舎をまるごと貸し切れるため団体合宿利用の要望が多く、週末はほぼ予約で埋まるようになった。現在の課題は、平日の利用拡大だ。そこで力を入れているのが、地域の現場で学び、教室で考えを深める研修やワークショップだ。

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学生2名による企画で実現[/caption]

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3泊4日の合宿プログラム[/caption]

9月には、産業能率大学経営学部の学生36人が、3泊4日のビジネスコンテスト合宿に参加した。

「FactorISM」の松尾泰貴氏を招いた特別講義や、

米沢織の織元・山口織物鷹山堂の企業課題をテーマに工房見学を実施。

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とここと校長による上杉神社ツアー[/caption]

「360°よねざわオープンファクトリー」、まち歩きで地域を知り、教室やラウンジで議論した。

また研修、合宿、イベント、商品づくり等、思いつきがあれば相談をとのこと。地域の作り手とともに、実現の道を探る考えだ。これまでの多様な滞在事例は「とここと事例紹介」ページにまとめられている。

地域の作り手と組んだイベントや企画を準備

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冬の校庭には一面に雪が積もる。2025年12月撮影[/caption]

三沢地区は、米沢のなかでも特に雪の多い地域だ。この冬もスキー合宿を実施。昨冬に続いて天元台高原スキー場と連携し、宿泊者にはリフト・ロープウェイとレンタル用品を割引する。

また、雪解けのあとに向けては、織元や温泉街、農家、酒蔵など、地域の作り手と組んだイベントや企画を準備中だ。内容が固まったものから順にSNSやHP等で発表される。

「米沢みさわ小学校|とここと」の取り組みをチェックしてみては。

■米沢みさわ小学校|とここと 所在地:山形県米沢市大字簗沢3401(旧三沢東部小学校) 客室:3室(合計で最大36人)。校舎の貸切にも対応

公式HP:https://misawa-tokokoto.com YouTube インタビュー動画:https://youtu.be/xs0xRHpOpOE?si=m5u5XrtICAPwJ9kN とここと事例紹介:https://info.misawa-tokokoto.com/case

(熊田明日良)

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