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「少し残してもらえませんか」→「早く並ばないのが悪い!」朝食バイキングで皿を独占した男性。だが、切りたての肉を前にした結果

  • 2026.10.25
「少し残してもらえませんか」→「早く並ばないのが悪い!」朝食バイキングで皿を独占した男性。だが、切りたての肉を前にした結果

トレーに積み上げられた限定の皿

2年ほど前、父と母と温泉旅館に泊まったときのことです。

朝食はバイキング形式で、会場の奥には限定のローストビーフが並んでいました。私はごはんをよそったら取りに行こうと、楽しみにしていました。

すると、隣のテーブルにいた中年の男性が勢いよく立ち上がりました。

「よし、まだ残ってるぞ」

連れの人にそう言って料理台へ向かった男性は、ローストビーフの皿を次々とトレーにのせ始めました。

私たちの席からも、その様子がよく見えます。

男性のすぐ後ろには、年配の女性が並んでいました。

皿がどんどん減っていくのを見て、女性はためらいがちに声をかけました。

「あの、すみません…」

ところが男性は手を止めず、とうとう台の上の皿を取り尽くしてしまいました。

「ほかの方の分も、少し残してもらえませんか」

女性がもう一度声をかけると、男性は舌打ちして振り返りました。

「早く並ばないのが悪い!」

会場に響く大声に、女性は黙ってしまいました。男性は10皿近くのローストビーフを席へ運び、テーブルにずらりと並べます。

「せっかくの朝ごはんなのにな…」

父が小さくつぶやきました。私も、楽しみにしていた気持ちがしぼんでしまいました。

切りたてのローストビーフを前にした男性

しばらくすると、白い調理服の男性スタッフが厨房から大きなかたまり肉を運んできました。空になった料理台の前で、肉を切り分け始めます。

「切りたてでございます。おひとり様ひと皿ずつ、どうぞ」

その場で切り分けられるローストビーフに、並んでいたお客さんたちからも嬉しそうな声が上がりました。

先ほどの年配の女性も一皿を受け取ると、ほっとしたように笑いました。

母も並んで、温かい一皿を持ってきてくれました。

ふと隣を見ると、男性が自分のテーブルに並ぶ皿を見つめていました。先ほどまとめて取った肉は、もうすっかり冷めています。

男性はそのうちの一皿を手に取り、切り分けているスタッフのところへ向かいました。

しかし、その皿にはまだローストビーフが残っています。

スタッフは男性の皿に目をやり、穏やかに声をかけました。

「すみません。まずは、そちらを召し上がっていただけますか。順番にお渡ししていますので」

近くのお客さんたちの視線が集まり、列の後ろから小さな笑い声が聞こえました。

男性は耳を赤くして何か言いかけましたが、結局口を閉じ、そのまま席に戻ります。

そして、テーブルに並べた冷めたローストビーフを黙って食べ始めました。

「温かいうちに食べよう」

母の言葉にうなずき、私たちは持ってきてくれた一皿を家族で分け合いました。

ようやく落ち着いて朝食を楽しめるようになり、私たちは顔を見合わせて笑いました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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