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「自分はこのままじゃ勝てません」松島輝空、恩師が語る進化の軌跡 “世界1位の壁”に挑むサウスポーへの期待「五輪の金メダルが見える」

  • 2026.10.20
松島輝空(C)WTT
SPREAD : 松島輝空(C)WTT

卓球男子の松島輝空(個人)は、5日に発表された2026年第41週の世界ランキングで、男子シングルスでは1980年7月の小野誠治以来、46年ぶりとなる日本選手の世界1位に立った。「USスマッシュ」「チャイナスマッシュ」でもタイトルを獲得するなど、日本選手として未踏の領域に足を踏み入れている。
そんなサウスポーの成長を若い頃から見守ってきたのが、Tリーグの木下マイスター東京で指揮を執る王凱監督。世界の頂点に立った教え子への思いを語った。

■気づきを与えた最高峰への挑戦

松島は13歳だった2020-2021シーズンからKM東京に所属し、6シーズンにわたりプレー。木下グループの支援を受けながら研鑽を積んだ。その間に日本男子の次世代を担うサウスポーとして頭角を現し、全日本選手権では2025、26年に一般の部の男子シングルスを連覇した。
国際大会でも、25年には「WTTチャンピオンズフランクフルト」で優勝するなど、世界ランキングでトップ10入り。26年には張本智和(トヨタ自動車)と並ぶダブルエースへと飛躍を遂げた。「第20回アジア競技大会」では60年ぶりの男子団体金メダル獲得に貢献。グランドスマッシュの男子シングルスでも2度の優勝を果たし、世界ランキング1位に上り詰めるなど、ここ数年で一気に飛躍を遂げた。
王監督が進化のきっかけとして挙げたのが、中国超級リーグへの挑戦だ。松島は2024、25年に最高峰の舞台へ参戦して経験を積み、パリ五輪シングルス金メダリストの樊振東とも対戦した。
王監督は「(中国から)帰ってきて、練習への取り組みや考え方が変わりました。『自分はこのままじゃ勝てません』とストレートに言ってきました」と、その様子を振り返る。「一番手っ取り早く強くなる方法は何かといったら、その選手の良さを取り入れればいいという話なんです。ずっとそれを芯にしてやってきたんですよ」と、世界の強豪との対戦を通じて得た気づきが、成長につながったことを明かした。

■世界1位としての新たな困難

今季の快進撃について、王監督は「若い頃の輝空は、どうしても試合中に集中力が切れたり粗い部分が結構あった」と指摘しつつ、「どんどん弱点がなくなっている」と成長を評価する。精神的な成熟を物語る要素として逆転勝ちの多さを挙げ、「若い頃は途中で試合を捨てたりとか、平気でやっていた。最近は全くそういうことがないんですよね」と、確かな変化を感じ取っている。

木下マイスター東京の王凱監督(右から3番目) 撮影:SPREAD編集部

日本男子では46年ぶりに世界1位に立った松島だが、今後は自分に向かってくる選手たちにどう対応していくかが求められる。2年後のロサンゼルス五輪での金メダル獲得を掲げる中、頂点に立ったからこその新たな壁が待ち受ける。
王監督は「今度は逆に相手が向かってくる。当然、以前のように簡単には勝てなくなると思います」と見通しを語りつつ、「そこを乗り越えると、また新たなレベルになると思います。樊振東選手や馬龍選手のような強さになれる可能性は十分ある。そこまで行ってくれたら、五輪の金メダルが見えると思います」と、さらなる進化に期待を寄せた。
「輝空に関しては、僕が木下に来た1年目からずっと見てきました」と振り返りながら、世界1位到達を「とてもうれしかったです」と喜んだ王監督。新たな環境で研鑽を積むサウスポーの成長を、今も見守り続けている。

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