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夫「俺のおごり!好きなだけ食べて」妻の誕生日なのに妻の分も完食→妻「じゃあ♡」夫が青ざめたワケ

  • 2026.10.19

私と夫は、食べることが大好きな似た者同士でした。結婚する前は、いろんな料理を2人でシェアしあって「おいしいね」と笑い合うのが定番のデート。結婚してからも、そんな穏やかでほのかな幸せがずっと続くのだと信じてやみませんでした。仕事と家事を両立する毎日は忙しいものの、二人で囲む食卓こそが私の癒やしだったのです。しかし、新婚生活が半年を過ぎたころから、わが家の食卓の空気は少しずつ不穏なものへと変わっていきました。

食卓から消えたおかずと、思いやりの欠如

異変の始まりは、私が一生懸命作った大皿のおかずが、私が箸をつける前に次々と姿を消していくことでした。ある夜、夕食に豚の生姜焼きを作ったときのことです。照りも香りも良く仕上がり、大皿には8枚のお肉を盛り付けました。私がみそ汁をよそい、席についてさあ食べようとした瞬間、目を疑いました。大皿が見事に空っぽになっていたのです。驚きのあまり言葉を失っている私をよそに、テレビに夢中な夫は「あったかいうちに食べちゃったよ〜」と悪びれもなく笑うだけでした。

別の日には、あらかじめ各自のお皿に分けたパスタでさえ標的になりました。私が水を飲もうと目を離した一瞬の隙に、夫のフォークが私のお皿へ伸びてきたのです。呆れ果てて無言の抗議の視線を送ると、夫はニヤニヤしながら「名前でも書いてるの? できたらすぐ食べるのが正解だろ」と言い放ちました。彼にとっては単なる軽口のつもりなのでしょう。しかし、私の心には冷たい棘が深く突き刺さりました。かつて「最後のひと切れ、食べる?」と譲り合っていたあの思いやりはどこへ消えてしまったのでしょうか。同じテーブルに座っているのに、私だけがポツンと置いていかれるような孤独感に苛まれる日々が続いたのでした。

孤独な食卓からの脱却。弟と企てた「反撃作戦」

一緒に過ごす時間が長くなると、相手への配慮も薄れてしまうのだろうか……。悲しみに暮れていた私ですが、このままでは夫婦の絆まで冷め切ってしまうと危機感を抱きました。現状をどうにか変えるため、私は客観的な意見を求めて弟に相談を持ちかけました。

仕事帰りのカフェで、一緒に食事をしていても私だけが置いていかれるような虚無感を打ち明けると、弟は真剣な表情で頷いてくれました。「言葉で責めても『腹が減ってた』と言い訳されるだけだよ。だから、その場で同じ苦痛を味わってもらうしかない」
弟が提案してくれた作戦は、私の誕生日の外食を利用するというものでした。私が心から満足するまで帰らないと宣言し、夫の「出来立てをすぐ食べるのが正解」という理屈を逆手にとるのです。これで変わってくれないのなら、今後の夫婦のあり方を考え直すしかない。私は胸の奥に静かな闘志を燃やし、決行の日を迎える準備を整えました。

憧れの高級焼肉店で、いざ作戦決行!

迎えた私の誕生日当日。私たちは、以前から憧れていた高級焼肉店へ足を運びました。夫は上機嫌で「今日は俺のおごりだから、遠慮せず好きなだけ食べていいよ!」と胸を張ります。私は心の中で深呼吸をし、今日こそ夫婦のあり方を見直す日にしようと決意を固めていました。

いざ食事が始まると、網に乗せたお肉は焼けた端からすべて夫の口へと吸い込まれていきます。私のお皿には一切れも回ってきません。

せっかくの高級焼肉で、私の誕生日なのに……。たまらず私が「何で全部食べるの?」と聞くと、夫は悪びれる様子もなく「冷めたら美味しくないだろ?」と自分勝手な理屈を口にしました。

その瞬間、私は店員さんを呼び止め、追加の大量のお肉と山盛りご飯を注文。そして、運ばれてきたそびえ立つご飯と肉の皿を夫の目の前にドンッと並べ、満面の笑みで言い放ちました。

「ほらどんどん食べて!」

目の前に積まれた尋常ではない量の食事を見て、さすがの夫も顔面蒼白になり、「た、頼み過ぎじゃない…?」と引きつった声を上げました。

すかさず私は、「だって、今日は私の誕生日なのに、私がまだまったく食べていないうちに、あなたが私の分まで食べちゃったでしょ? だから、まずはあなたにおなかいっぱいになってもらおうと思って、たっぷり頼んであげたの。熱いうちに食べるのが好きなんでしょ?」と告げました。

奪い合いから分かち合いへ。食卓に笑顔が戻った日

逃げ場を失い、冷や汗をかきながら山盛りごはんと大量のお肉を見つめる夫。私が「冷めたら美味しくないんでしょ? ほら、焼けた端からどんどん食べて!」とトングで次々にお肉を焼いてお皿に乗せていくと、夫は引きつった顔で必死にかき込み始めました。

しかし、目の前にあるのは尋常ではない量です。しばらくすると、夫は限界を迎えたようにピタッと箸を止め、お腹を抱えてうなだれました。

「う、うっぷ……もう無理……。ごめんなさい、俺が間違ってました……」
「あら、まだたくさん残ってるわよ? 出来立てをすぐ食べるのが正解なんでしょ?」

私がわざとらしく冷ややかな視線を送ると、夫はついに涙目で両手を合わせました。

「本当にごめん! 自分が食べたいだけで、君のペースや気持ちを全然考えてなかった……! 調子に乗ってました、許してください……!」

苦しそうにお腹を抱え、大汗をかきながら必死に謝る夫の情けない姿。自分の身勝手な理屈で完全に自滅したその様子を見て、私の胸の奥につかえていたモヤモヤは、ついにスカッと晴れ渡ったのでした。


弟の作戦はこれ以上ないほど大成功でした。自分がどれほど無神経に「一緒に食べる喜び」を奪っていたのか、身をもって実感したようです。夫が心から理解してくれたことが嬉しくなり、そしてこれからは以前のように半分こをして、「おいしいね」と共有し合おうと約束を交わしたのです。

夫は背筋を伸ばし「約束するよ。これからは一緒に同じ時間を過ごそう」と真剣な眼差しで頷いてくれました。その後、私は焼きたてのお肉を夫のお皿へ分け与えました。夫は申し訳なさそうに、でも目尻を下げて「ありがとう」と微笑みました。それ以来、わが家の食卓から心ない「食い尽くし」は姿を消し、以前のような温かい分かち合いの時間が戻ってきたのです。

◇ ◇ ◇

食事の場における「食い尽くし」は、単なる食欲の問題ではなく、相手への思いやりの欠如から生まれるすれ違いです。「家族だから分かってくれる」「自分さえ良ければ」という無意識の甘えが、相手の心にどれほどの孤独感を与えているか、気づかないうちに夫婦の溝を深めてしまうことも少なくありません。


食卓は、ただお腹を満たすだけでなく、その日の出来事や感情を共有し、絆を深める大切な場所。どんなに親しい間柄であっても、相手のペースを思いやり、「一緒に楽しむ」という気持ちを忘れないようにしていきたいですね。

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

ベビーカレンダー編集部

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