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【VIVANT】「最大のミステリーは櫻井司令の経歴」「スパイとしてはあまり優秀じゃない気がする樊林杏」Season2を盛り上げる名キャスト10人を勝手に表彰!

  • 2026.10.18

古今東西、スパイドラマはこうでなければ!

日曜劇場『VIVANT』公式Xアカウントより。

黒い画面にドーンと出る「VIVANT」の赤文字。ヒャーアアア~ッヒェエ~イという女性の怖いヨーデルみたいなBGM。そして鳴り出す♪ デデーンデデーンデデーン、という重厚な音楽――。

出だしから「さあ、スゴい壮大な話が始まりますぞ!」と煽りまくってくる日曜劇場「VIVANT」(TBS系)! 毎回怖いけど楽しみ!

これこれ! このインパクト大の赤字でドキドキするわ! 日曜劇場『VIVANT』公式Xアカウントより。

まず、説明しておかねばなるまい。私がこの記事のこのくだりを書いているのは10月4日夜、つまり、19話鑑賞直後。そもそも私の勝手な予定では9月13日の18話の段階で、シャキ城で拷問を受ける別班5人を救い出すことに成功するのを見届け、すっきりした気持ちでアジア競技大会を応援するはずだったのだ。

ところがなぜか13日は「突撃計画会議と事前訓練の裏側密着」みたいなストーリーで終わり、不完全燃焼のまま2週間おあずけ。だから4日は待ちに待った放送再開で、ヨッシャ、やっと敵陣に突撃するのね、とビールを片手にイソイソとテレビの前に陣取ったのに! まさかの、オルコ村で足止め(崩れ落ち)……。今、ちゃぶ台ひっくり返している状態である。

いかん、ここで文句を言っても誰にも届かない。それにこの記事が公開され、皆さんが読んでいらっしゃる今は、もう20話が放映された後のはず。

未来のみなさん、「VIVANT」はどうなっていますかーッ。まさか失敗とかないですよね(震)。頼む、黒須(松坂桃李)たちを助けて、お願い神様オーマイガッド!

個人的にはチンギスとドラムの並びが、ゆるキャラっぽくて好き。エリシャ・ママドフの首の角度が曲がりすぎてちょっと怖い。日曜劇場『VIVANT』公式サイトより。

これだけイライラしても離脱できない「VIVANT」の魅力は、躊躇なく、大風呂敷をざっぱーッと広げてくる世界観。公式サイトをごらんなさい、すんごい数の登場人物(泣)。観ていてテンションがヘンになるのも仕方がない。

一人一人の設定がまた濃い。主人公の乃木憂助なんて、二重人格&国を守るための裏の精鋭部隊、別班のトップ&国際テロ組織のボスと実は親子&善悪を見抜く奇跡の少女と暮らしている&敵対するXinxi(シンシー)にソックリさんがいる――と、つめ込み放題である。しかし古今東西、スパイドラマはこのくらい盛り込んでOK。いや、このくらい盛らなきゃダメなのだ。1968年に放送された「キイハンター」(TBS系)という、やはり警察では手に負えない事件を担当する国際警察特別室をモデルにした名作ドラマがあった。こちらのWikipediaを読むと「アクション・刑事ドラマ・コメディ・サスペンス・西部劇・諜報・任侠・ハードボイルド・冒険・ホラー・ミステリー・無国籍」が詰め込まれた壮大なドラマだったそうだ。ホ、ホラー!? くッ、令和も負けてはいられない。

ではさっそく「VIVANT」を盛り上げる名・迷キャストを10人に絞り、勝手に褒めていこう。ヒャーアアア~ッヒェエ~イ!(←女の人の声のBGM)

Season2を盛り上げるホープたち

衝撃のチョッキー初登場シーン。画像から「シンチャーン!」という声が聞こえてきそうではないか。イエローのシャツがお似合い! キャスティングの人は、こういう逸材をどうやって見つけてくるのか……。ありがとう、ありがとう! 日曜劇場『VIVANT』#12より。 ©TBS

流行語大賞にもノミネートされそうな「シンチャーン!」。これを叫ぶ、お調子者の実業家、チョッキーは今期のヒロインとの呼び声が高い。新庄への愛のみで動く姿勢は乙女だが、図々しさや喜怒哀楽の激しさは大阪のおばちゃんっぽくもある。誰にでも飴ちゃんを配りそう。演じるオーム・タナパックさん、ぜひ大阪に来て!

そしてシンチャーン……もとい、新庄役の竜星涼は「VIVANT」第2シーズンの最注目株。あのスタイル、あの知性。私がチョッキーでも彼を追っただろう。「死んだことにして戸籍を抹消する」というザ・ハングマン方式で別の人生を得た彼は、心なしか、第1シーズンよりキャラが明るくなった気がする。ニューライフを楽しんでほしい!

後頭部からも愛が漂っているチョッキー。シンチャーンの慈しみの目も最高。横で「よかったのぅ」と二人を見つめているタトゥーの男はゲルンといい、演じているのはタイの俳優パッタラポン・カンタポッジさん。パ行が多くてかわいい。日曜劇場『VIVANT』#18より。 ©TBS

ノコル役の二宮和也も特筆すべきだろう。正直、彼に似合っているとは言い難かった長髪も見慣れ、「なぜニノがこの役?」から「ニノじゃないとアカンな!」状態まで持ってきた。さすが天才。毒舌でむかつくが、頭は切れるし結局頼りになる役をやらせたら右に出る者はいない、それが二宮和也――。彼には「ガラスの仮面」の姫川亜弓的要素を感じている。

謎多き女性陣。最大のミステリーは櫻井指令の過去

櫻井最高司令官。かっけー……。きっとこの時期美容院では「櫻井司令官風に」というオーダーが急増しているはず。日曜劇場『VIVANT』#11より。 ©TBS

この人はどうやってここまでのし上がったのだろうか。「VIVANT」の一番のミステリーが櫻井最高司令官の過去である。あの、どんな拷問でも口を割らない別班のトップに、あの若さ、しかも女性で君臨している彼女。相当ヤバい橋を渡ってきたはず。演じるキムラ緑子さんのポーカーフェイスがまた絶妙。アナザーストーリーを待ちたい。

樊林杏(ハン・リンシン)を演じる宮下今日子さんは、八嶋智人さんのパートナーなのだそうだ。ウキウキリアタイしている八嶋さんが思い浮かぶ。日曜劇場『VIVANT』#17より。 ©TBS

敵対するXinxi(シンシー)の責任者、樊林杏(ハン・リンシン)。演じる宮下今日子さんの劇画フェイスをさらに彩る三つ編みと赤リップは、情緒不安定さを感じる。ハンさんはこれまでの様子を見ても、いろいろ感情に流され過ぎだし、顔に出過ぎだし、スパイとしてはあんまり優秀じゃない気がするのは私だけだろうか。

飯沼愛さんが演じた第1シーズンに比べて、グッとおとなしく従順になったブルーウォーカーこと太田梨歩(花岡すみれ)。別班は彼女を頼りすぎ説がSNSで出ていたが、私も同じ気持ちだ。彼女が本気を出せば、世界を救えるのでは。ボーナスをはずんであげてほしい。黒須(松坂桃李)とも両想いになるといいね……。なぜか親の気分である。

VIVANTを一番楽しんでいる二人とは

劉銘軒(リュウ・ミンシュエン)を演じる堺雅人さんの表情よ。「俺こんな役やってみたかったー♪」とウキウキしているのが伝わってくるではないか。役者冥利フェイス! 日曜劇場『VIVANT』#17より。 ©TBS

そして、この「VIVANT」のトンデモ世界観を一番楽しんでいるのは、間違いなく主演の堺雅人さんだろう。乃木とFの演じ分けに加え、劉銘軒(リュウ・ミンシュエン)として登場した時は、さすがに出すぎかと思ったが、「私に嘘はつかないで―ッ!」という強烈張り手のシーンで「堺さんが楽しそうだからそれでいい」――そう微笑んで頷いてしまった。しかし撮影が終わったあと、ちゃんと役が抜けて堺さんに戻れているのだろうか。勝手に菅野美穂さんを心配してしまう。

そしてもう一人、このドラマを楽しみ尽くしているのが、テントの史上最低のモニター、山本役の迫田孝也さんだろう。どう考えても卑劣極まりないクズキャラなのに、「VIVANT悪役会議室」で転生し、イキイキとMCをつとめ、本編よりも出番を増やすという離れ技をしている。迫田さんの愛嬌についついほだされるが、忘れてはならないのでもう一度書く。山本はクズなのだ。

野崎役の阿部寛さん。2015年には、同じ日曜劇場枠「下町ロケット」で、月曜日への生きる活力を下さっていたが、今回はもっぱらスリルとサスペンスを下さっている。野崎、どう転ぶのか全く予想がつかない! 日曜劇場『VIVANT』#17より。 ©TBS

逆に気の毒なのが、野崎を演じる阿部寛さんである。役作りでゲソゲソに痩せていらっしゃる。ただでさえ彫りが深いお顔なのに、もう目玉が落ちそうじゃないか。そばに愛されキャラクターとして黄金比の丸顔を持つドラム(富栄ドラム)がいてよかった……。

ラスト、10人目。このドラマから大きく羽ばたきそうな、アリ役の山中崇さんをフィーチャーしようと思ったのだが、やはりエピソード19を観た直後の今のメンタルとしては、コテンパンに拷問された別班の和田貢さんを出さずにはおれない(泣)! しかも演じる平山祐介さんは55才。和田さんもこの年齢だとするならば、私と1つしか変わらない。更年期もあるし、こんなハードな任務は若者に任せていいのよ(泣)。

和田さん、ご無事であれ……! この記事が公開されているときは、もうそれがはっきりわかっているのであろう。どきどきどき。日曜劇場『VIVANT』#7より。 ©TBS

いやもう、「テレビの時代は終わった」と言われながら、なんだかんだ地上波のドラマは面白いと思わせる「VIVANT」。細かい展開がたくさんありすぎて、話の大筋がよくわからなくなっているが、みんな生きて幸せになってほしい!「VIVANT」の意味は「別班」ではなく「ビバ!」の最上級だという浮かれたオチを待っている。

拷問シーンはもういいよ……。

※そして今、10月11日夜。20話放送を観たので加筆。和田さん、イヤーッ!! 願い届かず(泣)。奪回作戦もまたもやケリがつかず、人が死にすぎで少々引いています。最終回までこのまま引っ張ったらどうしよう……。

田中 稲(たなか いね)

ライター。WEBを中心に、昭和歌謡、J-POP、世代研究、映画・ドラマの記事を執筆中。感動したら即行動をモットーに、50代半ばから、コンサートレポート、インタビューにも走り回るようになる。
著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『なぜ、沢田研二は許されるのか』(実業之日本社)がある。
執筆協力も、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(じっぴコンパクト新書)『時代小説・時代劇がよくわかる剣術・剣豪と刀』[本/雑誌](じっぴコンパクト新書)ほか多数。
X:@ine_tanaka

文=田中 稲

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