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コナラとヤマモミジでつくる小さな林のような庭:東京都目黒区の「雑木の庭」実例

  • 2026.10.17

コナラとヤマモミジでつくる小さな林のような庭:東京都目黒区の「雑木の庭」実例

温暖化で住環境に変化が起きているなか、「夏は木陰が涼しく、冬は日差しが暖かい」雑木の庭の人気が高まっています。秋の紅葉や、春から初夏の花も楽しめる、「雑木の庭がある暮らし」をご紹介します。

平井孝幸さん

ひらい・たかゆき●作庭家。石正園代表で、日本庭園協会理事。東京農業大学造園科卒業後、「雑木の庭」の祖、飯田十基氏に師事。徹底した自然観察に由来する雑木の利用法と知識に定評がある。豊富な実例を収録した『はじめてでもできる 雑木の庭づくり』(主婦の友社)が好評発売中。

雑木の庭実例① 都心でも避暑地のように快適な雑木の庭

家族で四季を楽しむ自然に包まれた庭[東京都目黒区 Y・O邸]

敷地に入った瞬間に、頭上に伸びたコナラの緑陰から、さわやかな風がすうっと抜けていくような心地よさを感じます。ぽろぽろと木漏れ日が落ちる階段を上れば、数歩前に踏み締めた舗装された道路のコンクリートの照り返しを忘れてしまうほど、山歩きをしている気持ちになる庭に入っていきます。

「この庭ができてからは、とにかく夏が涼しい。建物の周りを取り囲むように雑木が植えてあるから、毎日避暑地にいるみたい。窓から見える緑が清々しいし、外へ音も漏れにくいから、安心して暮らせます」というYさん。季節ごとに咲く、雑木の花たちの香りも、家族で楽しんでいるとのこと。秋はモミジなどの紅葉が見られるのも魅力だそうです。

階段を上ると広がる、小さな林のような雑木の庭。木々を渡る風と緑陰で、夏でも涼しくて、ひんやりと心地よい。

外側

初夏にフェンスいっぱいの白い花を咲かせるトウテイカカズラ。

内側

中の小道も白い花で包まれ、日陰に強いヒサカキなどを植えている。

初夏

新緑がさわやかなヤマモミジやコナラ。洋風の建物にも似合う。

秋

庭の秋の主役は、深紅に紅葉するヤマモミジ。家の中からもよく見える。

庭に親しみながら豊かな気持ちになる

「初夏に玄関前のフェンスに咲くトウテイカカズラは、とてもいい香りで、家族みんなが気に入っています。花後の夏に急につるが伸びるので、子どもたちが夏休みにつるの剪定と間引きを手伝ってくれています。子どもたちもこの庭が気に入っていて、自分たちができることをやってくれます。小さなころから庭に親しんできたことで、進んでお手伝いをするやさしい気持ちが育まれた気がします」

秋は落ち葉が散るので、近隣に飛んでいく前に掃くように気をつけているとのこと。落ち葉掃きをきっかけに仲よくなれた人もいるそうです。雑木の庭を作ると、暮らす人の気持ちが豊かになるのかもしれません。

初夏

新緑が出そろったころ。枝先の葉は、まだ黄緑色でやわらかい。

秋

中央に高く伸びた、オレンジ色に紅葉している木はコナラ。

正面から見た、庭の全景。右側の主庭のほか、建物全体を囲むように、場所や用途に合った雑木たちが植えられている。

ご主人が専門店で古木を入手し、アンティークの壺に植えて盆栽仕立てにしたツバキ。株元には好きなコケを張った。

山道をイメージして、砂利を使った洗い出しで作ったスペース。茂って大株に育ったジャノヒゲがデザインのポイントに。

秋

紅葉して、葉がオレンジ色になったヒメウツギ。大きな葉はハラン。細長くて茂っている葉はジャノヒゲ。

季節感のある下草たち

コケ

ホソウリゴケやギンゴケなどの、都心でも自然に生えてくるコケ。

ヒサカキ

常緑で半日陰でも育ち、丈夫で刈り込みにも強い。剪定で低く抑えるとよい。

ヒメウツギ

ウツギの仲間で、白くて小さな花をびっしりと初夏に咲かせる。育てやすい。

ジャノヒゲ

耐陰性があり、丈夫で乾燥にも強い。サラサラした細長い葉がきれい。

ベニシダ

春の芽出しは、葉と茎が赤いのが特徴。初夏には緑色になる、シダの仲間。

ミヤコザサ

小型のササで耐陰性があり、丈夫でグラウンドカバーにも適する。

指導・監修/石正園・平井孝幸
取材・文/澤泉美智子
撮影/弘兼奈津子、松木 潤、柴田和宣、佐山裕子(主婦の友社)

※この記事は『園芸ガイド』2026年 秋・特大号の記事を、WEB用に再編集したものです。

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