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「土下座しろ、誠意を見せろ」息子同士の接触で怒鳴る父親→学校で確認すると話が変わった

  • 2026.10.17
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息子が「今日、同じクラスの子とぶつかっちゃった」と言ったのは、帰ってきてランドセルを置いた直後だった。

休み時間に廊下の角でお互い走っていてぶつかり、相手の子が膝を少し擦りむいたという。

「ちゃんと謝った?」

「うん。向こうもごめんって言ってた」

そのあと一緒に遊んだと聞き、私は「明日、先生にも確認しておこう」と思いながら夕飯の支度に戻った。

その夜、知らない番号から電話が鳴るまでは。

「土下座しろ、誠意を見せろ」と電話

電話口の男性は、名乗るなり強い口調で言った。

「うちの子がけがしたんだけど。君んとこの息子のせいだよね」

同じクラスの子の父親だった。参観日で見かけた覚えがある。

「謝るだけじゃ足りないだろ。ちゃんと誠意を見せてよ。土下座くらいするのが普通じゃないの?」

突然の言葉に、頭が真っ白になった。

私はまず、

「お子さんにけがをさせてしまったことは申し訳ありません」

と伝えた。

ただ、息子から聞いている話とは少し印象が違う。

「息子からも改めて話を聞きます。明日、担任の先生にも状況を確認して、学校でお話ししませんか」

そう提案した。

相手はそのあとも何度か「誠意」「土下座」という言葉を繰り返したが、

「子どもたちの話も確認してからにしたいです」

と伝え、いったん電話を切った。

切ったあと、スマホを持つ手が少し震えていた。

「学校で話しましょう」と担任に相談

翌朝、担任に連絡した。

昨夜の電話の内容と、息子から聞いている経緯を伝える。

先生は少し驚いた様子だった。

「まず、昨日のことをこちらでも改めて確認します。お子さん二人から話を聞いて、保健室での対応も確認しますね」

そのうえで、放課後に保護者同士で話せる時間を作ってくれることになった。

私も息子にもう一度聞いた。

どこでぶつかったのか。

どちらから走ってきたのか。

ぶつかったあと、何を言ったのか。

聞いた内容は、自分用のメモに簡単に残して学校へ向かった。

面談室には、相手のお父さんが先に来ていた。

腕を組み、椅子の背にもたれている。

私が「こんにちは」と挨拶すると、軽く頭を下げただけだった。

「二人とも走っていました」

先生が口を開いた。

「今日、お子さん二人から別々に昨日のことを聞きました」

相手のお父さんが顔を上げる。

「二人とも、休み時間に廊下を走っていて、角でぶつかったと話しています」

さらに先生は、保健室での対応についても説明した。

相手の子は膝を軽く擦りむいていて、傷を洗ってガーゼを当てた。その後は教室へ戻り、通常通り授業を受けたという。

「ぶつかったあと、お互いに謝ったとも話しています。その後の休み時間には、また一緒に遊んでいたそうです」

相手のお父さんが先生を見た。

「……それ、本当にうちの子が言ったんですか」

「はい。別々に聞きましたが、二人の話はほぼ同じでした」

私は口を挟まず、先生の説明を聞いていた。

昨夜の電話のような大声はない。

相手のお父さんはゆっくり腕をほどいた。

「俺、熱くなりすぎた」

しばらく沈黙したあと、相手のお父さんがこちらを見た。

「昨日、帰ってきたうちの子が『膝が痛い』って言ってたんです」

言いにくそうに続ける。

「それで、てっきり一方的にぶつかられたんだと思って……。ちゃんと話を聞かないまま電話してしまいました」

少し間を置いて、

「俺、熱くなりすぎました」

と言った。

「うちの息子も走っていて、ぶつかってしまったことは申し訳ありません。お子さんも痛かったと思います」

私がそう伝えると、お父さんは小さくうなずいた。

「いや……昨日は電話で言い過ぎました。土下座とか、あんなこと言う必要なかったです。すみません」

私は「わかりました」と答えた。

先生は、

「今回はどちらか一方が悪いというより、二人とも廊下を走っていたことが原因だと思います。今後は走らないよう、二人にも話しました」

と説明した。

さらに、同じことが起きないよう学級全体にも改めて声をかけるという。

私たちはそれぞれうなずき、面談は終わった。

帰り道、息子にたずねた

校門を出てから、私は息子に聞いた。

「相手の子とは大丈夫?」

「うん」

「今日も話した?」

「普通に遊んだよ」

息子は何でもないことのように答えた。

子どもたちは、とっくに次へ進んでいたらしい。

大人のほうが、子どもの一言だけを聞いて話を大きくしてしまうこともあるのだと思った。

帰宅してから、先生へのお礼を連絡帳に書いた。

その後

翌日、担任から改めて連絡があった。

子どもたちにももう一度「廊下では走らないこと」を確認し、学級全体でも安全な歩き方について話したという。

「昨日はお時間をいただき、ありがとうございました」

と言われた。

私からも、

「相手のお子さんの傷、お大事にしてくださいとお伝えください」

とお願いした。

それ以降、相手の家庭と直接やり取りすることはなかった。

学校で起きたことについて何か確認が必要なときは、まず担任を通す。

それが、お互いにとって一番落ち着いて話せる方法だと思った。

さいごに

子どもがけがをして帰ってくれば、親として心配になるのは当然です。

ただ、子どもから聞いた話だけでは、出来事の全体が見えないこともあります。

そんなとき、すぐに相手を責めるのではなく、まず学校や先生を交えて事実を確認することで、見え方が変わることもありますよね。

強い言葉を向けられたときほど、一対一で解決しようとせず、第三者に入ってもらうことも一つの方法です。

あなたなら、学校でのトラブルについて突然強い電話がかかってきたら、まず誰に相談しますか?

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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