1. トップ
  2. おでかけ
  3. 大人のためのスペイン食堂 「CHUSTO(チュスト)」は、新たな肉の聖地だ

大人のためのスペイン食堂 「CHUSTO(チュスト)」は、新たな肉の聖地だ

  • 2026.10.16

編集部&PJフレンズのブログ

名物のLボーンステーキ。

日本にはあるようでなかったスペイン食堂

赤身の肉をガッツリ食べたい時に行きたくなる、今までにあるようでなかったスペインバル、それが恵比寿の「CHUSTO(チュスト)」だ。

 

銀座「ラ パンサ」、丸の内「バル ポルティージョ」や代官山「サル イ アモール」などを手掛けてきた㈱V&Kが届ける新店である。店名のCHUSTO(チュスト)は、「Chuleton=肉」と「Justo=丁度いい」を掛け合わせた造語だそうだ。

店内は若い従業員たちがきびきびと動き笑いが絶えず、雰囲気はとても明るい。厨房と客席がボーダーレスでつながる自由さがいい。いかにもスペインのバルという感じである。

生ハム
「生ハム ボイルハム 薄切り 2種盛り合わせ」。

貴重なハモンセラーノが嬉しい

最初の前菜「生ハム ボイルハム 薄切り 2種盛り合わせ」は、スパニッシュバルには欠かせない代物だ。

 

スペインの生ハム「ハモンセラーノ」がアフリカ豚熱の発覚によって2025年末から輸入禁止となった現在、埼玉の尾崎博さんが作る生ハムはとても貴重だ。

スペインで食べることのできた最高級のハモンセラーノは、泣く子も黙る、世界で最も美味しい生ハムである。尾崎さんの生ハムは脂の甘みといい、しっとり具合といい、スペイン産に迫る勢いを感じさせる。

 

ボイルハムは北海道のどろぶたを自家製でボイルしたもの。生ハムとボイルハムのミックス盛りはお代わり必至で、テンションが一気に上がること間違いない一皿である。

 

マダイ
「マダイ エスカベチェソース」。

素材に寄り添うスペイン料理

「マダイ エスカベチェソース」も秀逸だ。生のマダイの切り身と野菜を一緒に食べるフレッシュな料理である。

玉ねぎ、ニンジン、セロリなどの野菜の酸味を活かし白ワインビネガーとニンニク風味のエスカベチェソースは、さっぱりとしながらマダイの旨みをぐぐっと引き上げる。その軽快さから、スペイン風カルパッチョと言うべきか。

 

筆者はヨーロッパの料理の中で、スペイン料理ほど日本人の口に馴染むものはあるまいという感想を、長い間抱いてきた。あくまでも素材の一つ一つに寄り添い、あまり余分な手は加えない料理だからだ。

その思いをそのまま体現する料理がここにはある。

オムレツ
「ジャガイモのオムレツ〝トルティージャ″」。

その文脈で言えば、「ジャガイモのオムレツ〝トルティージャ″」もジャガイモと卵の旨みだけに依拠した料理だろう。店の食材へのこだわりはここでも顕著で、使われている卵は宮崎の「よかもよか卵」だ。

オムレツの断面を見て欲しい。半熟のトロみが見事だ。卵はコクが深く、舌に濃厚に絡みつく様は、あたかも舌上のフラメンコか(笑)。旨い。思わず、「Olé(オレッ!)」と呟きたくなる。

スペインバルであるから、もちろん、パエリアも3種類を用意している。水ダコ、キビまる豚のすね肉、イカ墨のパエリアがある。一番人気は水ダコだそうだ。

㈱V&K社長の岡本ビクトル栄氏。

入手困難な赤身の肉を常備

この日のメインは、「ホルスタイン Lボーン サーロイン 炭火焼き」である。栃木の前田牧場の肉で、35日間寝かせたものだ。

㈱V&K社長の岡本ビクトル栄氏によれば、

 

「肉の熟成を謳っているお店が多い中、私どもの店は〝熟成″と自ら言うことはありません。炭火で焼くステーキとして美味しくなるように、肉ごとに見極めて少し水分を抜いて〝枯らした肉″ですね。

目指しているのはあくまで本場スペインのように、赤身の旨さを味わう骨付き肉のステーキを気軽に食べられる店なので」

 

実は、A4やA5の肉と違って、赤身の肉を仕入れるには非常な困難を伴う。

そこは岡本氏が肉屋との信頼関係を築き、時には極めて希少な山口の無角和牛、北海道の短角和牛、熊本のあか牛をはじめ、岩手、栃木からも肉を入手している。

売り切れればなくなるので、メニューのラインナップは日々変わる。この店では、ひと月に100㎏ほどの肉を焼いているそうだ。

「ホルスタイン Lボーン サーロイン 炭火焼き」。

さて、この日のサーロインのLボーンステーキは、塩のみをして炭火で焼いたシンプル・ストレートなものだ。炭の香ばしさを纏った肉は、程良い塩加減が素晴らしい。するりするりと心地いいほど胃に収まっていく。

この日に選んだ部位はサーロインなので、赤身に加えて脂もほどよく入っているが、その脂まで旨かった。

と同時に、太古から身体に眠る己の獣性に目覚めるのか、食べながら思わず鼻息が荒くなってくる(笑)。

ワイン
ワインの品揃えは白、赤、オレンジと実に豊富だ。

最後にアルコールだが、3種のスペインビールやスパークリングを始め、スペインワインは一例を挙げれば、「ギマロ セバス・ビエハス」(白)、「プリマ」(赤)など、各4~5種をグラスで揃えている気軽さがいい。さらに100種類ほどの豊富なボトルのリストもあるから、ワイン好きには堪らないだろう。

マネージャー兼ソムリエの澤井秀介氏は、スペインワインに精通していて、気軽に相談に乗ってくれる。

立ち飲みスペースもあるので、ディナー後に立ち寄って、ワインバーのような使い方もできる嬉しい店だ。

 

CHUSTOマネージャー兼ソムリエの澤井秀介氏。

◆チュスト スパニッシュ バルービノテカ

 

住所:東京都渋谷区東3-26-1 丹後町ビルヂング3F
TEL:050-1794-2550
営業時間:火~金曜:17:00~23:30、土日祝:11:30~14:30、17:00~22:00
定休日:月曜

 

 

 

Text by Toshizumi Ishibashi

Profile

石橋俊澄 Toshizumi Ishibashi「クレア・トラベラー」「クレア」の元編集長。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ