1. トップ
  2. ビューティー
  3. 【シニアの美容学】化粧品はどうやって肌に届く? 浸透技術のひみつを研究員が解説!

【シニアの美容学】化粧品はどうやって肌に届く? 浸透技術のひみつを研究員が解説!

  • 2026.10.14

いい成分も届かなければ意味がない、60代の肌と浸透技術のひみつとは!? 「高機能な成分を配合するだけでなく、肌にしっかり浸透させることが肝心」というのがいまのスキンケアの考え方。入れ込むための「浸透技術」について、カプセル技術が得意なコスメデコルテに聞きました。

大人の美容学とは?
肌の老化やシミ、シワの原因から、化粧品の成分やその役割まで、意外と知っているようで知らない美容のこと。「大人の美容学」では、美容の知識を増やし、納得して化粧品を選んだりケアを行ったりできるような学びの企画を不定期連載でお届けしています。

年齢を重ね、浸透しにくくなった肌を救うには?

「年齢を重ねると、ターンオーバーが遅くなったり、水分を保持する力が低くなったりと、肌の機能が低下してきます。また真皮ではコラーゲンなど、弾力に関係する構成成分を作る細胞の力が落ち、それらの成分が分解されやすくもなるので、シワやたるみをはじめとするエイジング悩みが目立ってきます」(小林豊明さん)

そんな肌にとって重要なのが、肌の機能を高めるスキンケア。そしてそのケアを働かせるためには、肌に成分をしっかり届けることがマスト!というのもせっかくのいい成分も、肌に入らなければ意味がないからです。ところが、「加齢で水分保持能が落ちた角層はかたく乾燥し、成分がなじみにくくなります。さらに若い肌と比べて、成分の浸透性が下がるという報告もあります」(田口冴恵さん)。

そこで浮上してくるのが浸透技術。「肌の角層の細胞の間には細胞間脂質という脂質が存在していて、バリア機能の一部を担っています。そのバリアのすき間に、成分を含んだ小さなカプセルを通す、細胞間脂質を一時的に揺らがせる、バリアを通りやすい粒子径にするといった方法で成分を浸透させていきます」(田口さん)。刺激から肌を守り、肌内部の潤いが蒸発しないように保つバリア機能は、私たちが思っている以上に強固。このバリアを突破し、成分を角層内まで浸透させるのは、実は難しいことなのだとか。浸透技術のなかでも耳にすることが多いのが、「リポソーム」。極小のカプセルの中に美容成分を入れ、肌に効率よく届けるテクノロジーで、角層への浸透を高めるために化粧品に活用されています。

ところで、こうした浸透技術を駆使したスキンケアをより効率的に肌に入れ込む方法はあるのでしょうか?
「リポソームのような浸透技術が用いられた製品や次のアイテムのなじみをよくする『導入美容液』などを使えば、特別なテクニックなしでも角層に浸透していくので、そういった製品を取り入れることをまず考えて」(田口さん)

コスメを選ぶとき、浸透技術、ちょっと気にかけてみませんか。

せっかくの美容成分届いてる? 60代の肌と浸透

角層までしっかり届くこと◎

ターンオーバーが正常で、きちんと潤った肌はスキンケアの浸透性も良好。でも、たとえコンディションのいい肌でなくても、浸透技術を活用したスキンケアなら、角層深くまで素早く入って、きちんと保湿。配合されている美容成分が、角層が必要としている場所で、必要なタイミングで働きます。

肌表面に残ってしまう×

加齢によりターンオーバーが遅くなり、水分保持能も落ちた60代の肌は、角層が乾燥し、古い角質が厚くたまる角質肥厚が起こりやすいもの。スキンケアをつけても角層に入っていきにくく、美容成分が角層深くまで到達しづらい状態です。この状態が続けば、乾燥や小ジワ目立ちが加速してしまいます。

美容成分をより効率よく肌に届けるため生まれたカプセル技術

成分を浸透させるためのテクノロジーとして注目を集めるカプセル技術。そのタイプの違いを、お話を聞いたコスメデコルテのカプセルを例に挙げて解説します。

固形の油分を入れるためにつくられた「マイクロバームカプセル」

バームのような固形の油分を内包できるカプセル。このカプセルを活用すれば、ローションなどの液状のテクスチャーにこっくりとした油分を大量に入れ込めるのがメリット。ローションみたいにみずみずしく潤す機能とバームやクリームのようにふたをしてシールドする機能の両立が可能に。

層間の成分をじっくり放出「多重層バイオリポソーム」

玉ねぎ状の層が幾重にも重なる構造をした極小カプセルで、大きさは毛穴より小さい0.1〜0.3ミクロン。層の間に水溶性の美容成分を多く抱え込み、肌内でその層が外側から徐々にほぐれることで、成分と潤いがじっくりと届きます。層状の構造が肌のバリア機能を担うラメラ構造と似ているため、肌なじみ抜群。さらにカプセルそのものがラメラ構造を修復してバリア機能を立て直し、潤いを高めるという役割を果たすことも。後から使う化粧品のなじみもサポートしてくれるのも嬉しい機能。

リポソームとは?

生体の構成成分であるリン脂質で作られた超微細なカプセルで、化粧品はもちろん、薬を患部に効率よく届けるドラッグデリバリーシステムの一環として、医薬品分野でも使われています。化粧品では、カプセルの中に入れた成分を角層の狙った場所に、狙ったタイミングで届けるために用いられています。

油溶性の成分もたっぷり抱える「ナノバイセル」

大きさは0.02〜0.07ミクロン。ディスクのような平坦な面を持つナノバイセル。肌のバリア機能にとって重要な成分、セラミドを配合しやすい形状をしているのが特徴です。セラミドは平面上に並ぶ性質があるため、球状のカプセルには配合しにくいという課題があります。この課題を解消するために開発されたのが、コスメデコルテのナノバイセルなのです。

COLUMN \こんなカプセル技術も!/単層リポソーム

リン脂質による一層の膜で構成された極小のカプセルが単層リポソーム。脂質でできた膜がひとつだけというシンプルな構造で、カプセルの内側にはたっぷりの水溶性成分を入れることが可能。肌にサッとなじんで、美容成分をスピーディに届けます。最近では、成分を表皮にとどめる表皮用リポソームと真皮まで浸透する真皮用の単層リポソームといった異なるタイプを使い分けているブランドもあります。

教えてくれたのは

コーセー研究所  皮膚・薬剤研究室  小林豊明さん

2008年入社。ポイントメイク製品の処方開発などの後、15年以上、皮膚科学研究に取り組む。現在はアンチエイジング、美白、保湿化粧品などの開発と効果検証の研究に従事。

コーセー研究所  スキンケア製品研究室  田口冴恵さん

2018年入社。スキンケア研究室にて、化粧水、乳液、クリームといった基礎化粧品開発に従事。カプセル技術などの製剤からスキンケアが与える対人印象の変化まで幅広く研究。

イラスト/七月マイ 文/入江信子

※素敵なあの人2026年10月号「大人の美容学第5弾 化粧品の成分&浸透技術の傾向と対策」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売を終了している場合があります。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

「年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い」をテーマに、ファッション情報のほか、美容、健康、旅行、グルメなど60代女性に役立つ情報をお届けします!

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ