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金色のパリコレが最後の舞台に、アンソニー・ヴァカレロがサンローランを去る

  • 2026.10.12

フランスの老舗メゾン、サンローランがフランス時間10月9日、クリエイティブ・ディレクターのアンソニー・ヴァカレロの退任を正式に発表した。2016年の就任から約10年。ブランドの成長とイメージづくりを支えてきたデザイナーが、メゾンを去ることになった。(フロントロウ編集部)

パリコレの“金色のショー”が最後の舞台に

サンローランは声明で、アンソニーがこの10年間、ブランドの発展に重要な役割を果たし、ファッションや文化の世界でその存在感を高めたと説明。新たなクリエイティブ体制については「近く発表する」としている。

退任のうわさは夏ごろからささやかれており、直前に開催された2027年春夏のパリ・ファッションウィークでも、その去就に注目が集まっていた。

最後のショーとなったのは、フランス時間9月29日に披露された2027年春夏コレクション。エッフェル塔を背景に、3つの巨大なシャンデリアの下で、ゴールドを主役にした華やかなルックが登場した。終盤には黒のルックが続き、きらびやかなショーを締めくくった。

親会社ケリングのCEOルカ・デ・メオは、アンソニーの10年間の貢献に感謝を表明。サンローランの社長兼CEOセドリック・シャルビも、クリエイションと文化の両面での功績をたたえ、ブランドを人々の憧れやイメージづくりの最前線へと押し上げたと評価した。

エディ・スリマンの後任として就任

ベルギー出身のアンソニーがサンローランのクリエイティブ・ディレクターに就任したのは、2016年4月。それまでは自身の名を冠したブランドに加え、ヴェルサーチのセカンドライン、ヴェルサスのクリエイティブ・ディレクターを務めていた。

前任のエディ・スリマンの時代に売上を大きく伸ばしていたサンローランは、アンソニーの在任中にも成長。2022年の売上は33億ユーロとなり、就任前年の2015年と比べて3倍超の規模に拡大した。

肩の張ったテーラリングやレザー、センシュアルなドレスなどを通じて、創業者イヴ・サンローランのスタイルを現代的に解釈。エッフェル塔を背景にしたショーも、彼の時代を象徴する光景となった。

活動はファッションだけにとどまらない。2023年には映画製作部門「サンローラン・プロダクションズ」が誕生し、メゾンの表現の場を映画にも広げた。

そのクリエイションは、レッドカーペットでも存在感を放ってきた。つい先日も、ロンドン映画祭でアレクサンダー・スカルスガルドが履いた透明シューズが話題になったばかりだった。

後任候補にクロエのシェミナ・カマリ

気になる後任について、米WWDは、現在クロエのクリエイティブ・ディレクターを務めるシェミナ・カマリが有力視されていると報じている。ただし、サンローランは後任を正式に発表していない。

シェミナは2016年から、アンソニーの下でサンローランのウィメンズ・プレタポルテのデザインディレクターを務めた経歴を持つ。2023年10月にはクロエのクリエイティブ・ディレクターに就任した。

一方、アンソニーは11月2日にニューヨークで開催されるCFDAファッション・アワードで、国際デザイナー賞を受賞する予定。11月30日にロンドンで開かれるファッション・アワードでも、年間最優秀デザイナー賞にノミネートされている。

約10年にわたるサンローランでの活動が幕を閉じるなか、メゾンの新体制と、アンソニーの次の活動に注目が集まる。

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