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奈緒インタビュー|映画『シャドウワーク』役柄への想いと撮影裏話

  • 2026.10.12

映画『シャドウワーク』で主演を務める・奈緒さん。InRed10月号では奈緒さんへこの映画の見所や撮影中に監督と話したことなどをお伺いしました。

PROFILE
なお/1995年2月10日生まれ、福岡県出身。近作に、映画『傲慢と善良』『死ねばいいのに』、ドラマ「東京サラダボウル」「塀の中の美容室」、舞台「大地の子」など。公開待機作に、ダブル主演映画『シャドウワーク』(2026年9月25日公開)、主演映画『あをの情』(2027年公開)がある。初のフォトエッセイ『いつか』が好評発売中。

正しさはひとつじゃない。 揺れながら、答えを探していく

主演映画『シャドウワーク』で奈緒さんが演じるのは、夫からの暴力によって心身ともに追い詰められ、それでもなお、自分にとっての正しさを探し続ける刑事・薫。

「原作を読ませていただいたとき、書かれていることには『もしかしたら、この世界のどこかで本当に起きているかもしれない』と思わせるリアリティがありながら、しっかりとフィクションとして受け取れるところがすごく面白いなと思ったんです。それを以前にもご一緒した吉野監督が撮ると聞いて、新しい映画ができるんじゃないかなって、現場に入るのを楽しみにしていました」

作品を通して大切にしたのは、現実にある苦しさから目を背けないこと。それと同時に、観る側がその重さに押しつぶされることなく、ひとつの映画として受け止められる距離感。

「この作品自体が、見終わったあとにひとつの思考実験のように、『あなただったらどうしますか?』と問いかけるものになったらいいなと思っていました。監督ともディスカッションを重ねて、爽快さやスリルを楽しめる部分も映画の中で作っていきたいという話をしていたんです。現実に起きていることや苦しさには真剣に向き合いながら、たくさんの方に届く映画にしたいという思いがありました」

だからこそ、奈緒さんには「観に来た人につらい思いをしてほしくない」という気持ちもあったという。登場人物たちの痛みを軽く扱うわけではない。それでも、観客が少し距離を置いて物語を見つめ、自分自身に問いを持ち帰ることのできる作品に。その思いは、薫という人物への向き合い方にも通じる。

「監督から言われたのは、『ずっと揺れていてほしい』という言葉でした。薫は、もともとは自分の中に正義を持っている人。でも、自分が信じていた正義が夫の暴力によって脅かされて、離れていても夫の存在に支配され続けている。一方で、そんな自分や過去から抜け出して救われたいという気持ちもある。いろんな感情を行ったり来たりして、本当に何が正しいのか、自分の中でもわからなくなっているんです。だから、『こういうふうに表現しよう』と最初から決めて演じることは、あまりありませんでした」

答えを決めない。揺れていることを、そのまま引き受ける。そんな薫を演じるうえで、大きなヒントになったセリフがある。

「『正しく間違いたい』という内容のセリフがあるんです。私はその言葉が、この映画を象徴していると思っていて。社会的なルールとしての正しさは絶対にあるけれど、自分自身が判断したときに、それを正しいと思うのか、間違っていると思うのかは、個々に委ねられている部分もあると思う。だから、自分の判断軸を持つこと、そしてその判断軸について考え続けること。それは、この映画をやって私自身も学んだことでした」

映画『シャドウワーク』

第66回江戸川乱歩賞受賞、佐野広実の同名小説を吉岡里帆と奈緒のW 主演で映画化。暴力から逃れ、シェルターに身を寄せる女性たちを描いたサバイブサスペンス。
©佐野広実/講談社 ©2026「シャドウワーク」製作委員会

Model=Nao
Photograph=Daisuke Tsuchiyama〈TRON〉
Styling=Maki Iwata Hair & Make-up=Ayumi Takeshita
Interview & Text=Hazuki Nagamine

※InRed2026年10月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。

この記事を書いた人

長嶺葉月

ファッションや美容、ライフスタイルを切り口とした著名人へのインタビューで数々のファッション誌を中心に活躍。3度の飯と同じくらいネコが好き。

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