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「好きな服」と「似合う服」、どちらを着るべき? ブランディングスタイリスト・あやみん先生が教える“今の私”に合う服の見つけ方

  • 2026.10.11

「好きな服」と「似合う服」、どちらを着るべき? ブランディングスタイリスト・あやみん先生が教える“今の私”に合う服の見つけ方

自分は「かわいい系」が好きなのに、人からは「カッコいい系」の服が似合うと言われる……、そんなとき、あなたならどちらを選びますか? あくまでも自分の好みを貫く? それとも、好印象を与えたほうがいいから似合うほうを取る? 一体どちらが正解なのか? 大人気ブランディングスタイリストのあやみん先生こと冨永彩心(あやみ)さんに聞きました。

Profile

冨永彩心さん ブランディングスタイリスト

とみなが・あやみ●1967年生まれ。専門学校卒業後、スタイリストとして活動。結婚・出産を機に専業主婦に。販売員として復職したのち、52歳で独立。「あやみん先生」の愛称で「45歳からの生き方をファッションで激変させる専門家」として活躍。開催する講座はまたたく間に満席になる人気ブランディングスタイリスト。

自分の「好き」を疑え

もし、「自分が好きな服」と「人から似合うと言われる服」が一致しないとき、どちらを選ぶのが正解なのだろう?

「私は基本的に、好きな服を自由に着ればいいと思っています」とあやみん先生。ということは、「好き」な服を着るのが正解?

「本来は、『好き』と『似合う』は大体同じことが多いんです。若い頃、ファッションを楽しめていた頃に好きだった服は自分に似合う服だったはず」

ところが、社会人や親になると、人は「好き」より立場を意識した服を着るようになる。「好き」を封印しているうちに、いつしか「好き」がわからなくなってしまうのだ。

「だから、『好き』だと思い込んでいるものが、実は昔、好きだったもののままということもあるわけです」

好きな服と似合う服が一致していた頃から、時が止まっている可能性があるということだ。

「『自分らしさ』は変わらないと思っている人は、『昔も今も好きな服のテイストが同じ』、『好きなアイテムが一貫している』ことをよしとします。今の自分が見えていないことが多いんです」

たとえば、「私はシャツよりブラウスのほうが似合う」とか「青は似合うけど、黄色は似合わない」といった、自分へのイメージは誰もが持っている。しかし、それを「一度、疑ってみて」とあやみん先生は提言。

「20代の頃から環境も体型も変わっていますよね。まずは、それを素直に受け入れましょう。好きな服や似合う服が変わるのは当たり前。変わることは悪くないんです」

今の自分の顔や体型が若い頃と違うのは当然。だから、思い込みを捨て、年齢とともに変わることを肯定しようということだ。
「年齢とともに好きなものが『変わる』というよりは、私は好きなものが『増える』だけだと思っています。20代のときにピンクハウスが好きだった私がいて、そのあとにモード系の服が好きだった私がいて、専業主婦時代にユニクロばかり着ていた私がいたとして、それらは全部、私なんです。『好き』が年齢を重ねるごとにどんどん増えただけのことです」

「本当に似合う服」を着る自信がない私

「若さで何でも似合っていた頃とは違います。今の自分を知るということは、『似合う』を知るということですから、丁寧に自分と向き合うことが必要です」

さらに、「好き」にはこんな側面もあるという。

「『自分はこれが好き』と思い込んでいるものが、実は『コンプレックスの裏返し』のこともあるんです」

どういうことだろう?

「こんなことがありました。あるとき、ひとりの生徒さんが、『先生に服をすすめてもらっても、それが自分の好きな服じゃなかったらどうしよう』と言うんです。彼女は身長約170cm、スラッと細くて、顔もカッコいい系で何を着ても似合いそうな人でした。暗めのネイビーのシャツにダークブラウンのセンタープレスのパンツをすすめたら『あー、センタープレスは……』って」

あやみん先生が選んだ服は、案の定、彼女の好きなタイプでなかった。

「でも心の底ではそういうスタイルが似合うことがわかっているんです。だけど、今の彼女はその服を着て自分が輝くところを想像できない。つまり、好きとか嫌いではなくて、そういう服が今の彼女の生活に合わないということなんです」

「好き」だと言っても着られない自分がさびしいから、最初から「そういう服は好きじゃない。私が好きなのはラクな服」だと思い込んでいるのだとあやみん先生は分析する。

「『好き』と『今の自分はこんな程度』ということが混然となっている。決してラクな服を着たいわけじゃなくて、ただ、そのほうが気が楽なだけなんです。スタイリッシュでカッコいいほうを着たいと内心思っていても、実際にはできないとき、最初から好きじゃないことにしたほうが自分が傷つかない。今の自分はカッコよく見せる必要がない、ないことにしたい。そうしないと自分がかわいそうなんだと思います」

あなたに似合うたったひとつの正解は

今は、「こうすればおしゃれ」というファッションの正解がない時代。

「これというはっきりしたトレンドがないので、何を着ればいいかわからない人が大勢います。1980年前半は、聖子ちゃんカットにしていればOKの時代でした。その後、90年代は安室ちゃんに代表されるギャルファッションが流行し、2000年代のエビちゃん・もえちゃんのモテ系ファッションがトレンドだったあたりまではお手本があったんですね。これさえやっておけばOKという。それが終わり、小さなトレンドが乱立すると、どれを選べばいいのかわからない人が増えた。今はファッションの正解がない時代です。でも、講座を受けに来る50代以降の人は、どこかに正解があるはずだと思っているんです」

「ファッションに正解があるとしたら、それは、自分がいいと思うことだけ」とあやみん先生。

「頭が凝り固まっている50代の人に、言ってもわからないときには鏡の前に立ってもらいます。そして『この人が前から歩いてきたら、おしゃれだなと思って振り返る?』と聞くんです。『結構おしゃれだと思います』と答えたら、『じゃあ、いいじゃないですか』と。それが正解なんです。自分でおしゃれだと思えればそれでいいんです。自撮りをしてみて、まとまってると思えれば、それが正解です」

「似合う服を見つけるプロセスに伴走はするが、最終的に決めるのは生徒さん本人」とあやみん先生。

「私は正解を見つけることはできません。見つけ方を教えるだけなんです」

「似合う」がわかれば「好き」がわかる

あやみん先生の「おしゃれ講座」で教えるのは、「好きな服」ではなくて「似合う服」だ。

「『好き』は教えられません。だから、『内面』、『外見』、『ライフスタイル』、『本来の自分』という4つのアプローチで、その人が素敵に見える『似合う』服を一緒に探っていきます。その結果、『好き』も見つかるんです」

「似合う」がわかると「好き」な服もわかる?

「『似合う』はすごく大事。結局、『似合うものが好きなもの』になるんです。『似合う』は最強です」

ということは、好きだと思って着ていた服に違和感を感じるようになったら、それはもう自分にとって「好き」な服ではないということ?

「好きだった服が『似合わない』と感じるようになったら、それは、自分が『変わった』ということ。ずっと同じ『私らしさ』に固執していると、今の自分が見えなくなってしまいます。おしゃれは今の自分を見つめ直す作業なんですよ」
今の自分を直視することの大切さを何度も強調する。

「今までの服が似合わなくて違和感を感じる、自分で自分をおしゃれだと思えなくなったら変えたほうがいいです。いくらインフルエンサーのまねをしても、おしゃれには見えないですから。自分で自分を見て素敵と思えることが一番の正解。私は、そこに向かうための方法を教えているのです」

思い込みを捨て、今、自分が本当に好きな服が見つかれば、結果、それが自分に一番似合う服ということになりそうだ。

ではもし、「私は黄色が好きなのに似合わない」と思っている人がいたらどうすればいいのだろう?

「その人は以前、誰かに黄色が似合わないと言われたのかもしれませんが、そういう人には『似合う黄色を着たことがないんだね』と言います。好きだったら、似合う黄色を見つければいいだけです」

結局、「似合う」「素敵」というのはどういうことか?

「『似合う』というのは、調和していること。『内面』、『外見』、『ライフスタイル』、『本来の自分』に違和感のないものが『似合う』服。それが一番素敵に見えるんです」

「『似合う』服は『自分を肯定する』服」とあやみん先生。それを着ることで、今の自分を受け入れて前を向ける服のことだ。

あやみん先生が「ゆうゆうアカデミー」にてトークセッションを行います!

あやみん先生の監修で、「CHOYA H.M.G」と雑誌『ゆうゆう』のオリジナルコラボシャツが誕生! 11月7日の「ゆうゆうアカデミー」では、このシャツが手に入る着こなしイベントを開催します。

撮影/中村彰男 取材・文/依田邦代

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