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植物の香りが恋しくなるのは、休みたいサイン?「芳香蒸留水」で心地よく整える

  • 2026.10.1

植物の香りが恋しくなるのは、休みたいサイン?「芳香蒸留水」で心地よく整える

ハーブを蒸留すると、植物の香りをぎゅっと閉じ込めた「芳香蒸留水」ができるのをご存じですか? 香りを楽しむだけでなく、毎日の暮らしにもいろいろ使えるのが魅力! 南阿蘇を拠点に活動する芳香療法家・菊池友来(ゆき)さんの新刊『蒸留ではじめるハーブのある暮らし』(世界文化社)からご紹介します。第1回は、「芳香蒸留水で不調はよくなる?」という気になる疑問について。

「芳香蒸留水で不調はよくなりますか」

「芳香蒸留水で不調はよくなりますか」
そんな問いかけをいただくことがあります。

私は、芳香蒸留水を暮らしに取り入れることだけでも、結果として十分不調の改善につながることがあるとお伝えしています。

香りの情報は鼻から脳へ瞬時に届き、自律神経や感情、記憶と関わる領域に働きかけます。そのため、気持ちが落ち着き、心身が休息モードへ切り替わりやすくなります。

香りが得意なのは、不調を直接治すことではなく、人が本来持っている治癒力を発揮しやすい状態へ導くことです。芳香蒸留水は、その香りを最も穏やかな形で日常に取り入れられる植物の恵みです。

肌に吹きかけたり、空間にスプレーしたりすることで、植物の香りが感覚をやさしく刺激し、睡眠の質や気分の安定、リフレッシュにつながることも少なくありません。

フランスでは、症状や目的に応じたレシピの中で、精油と同等の重要性を持って扱われていますが、本格的な療法としてでなくても、日常のケアとして芳香蒸留水を取り入れることで、変化を感じる方もいます。

ローズウォーターで更年期のドライマウスがやわらいだり、メリッサやネロリで睡眠や気分のゆらぎが落ち着いたりといった例があります。私自身も、カモミールやペパーミントの芳香蒸留水を胃腸のケアとして日常的に取り入れています。

もし、今あなたが植物の香りを求めているなら、それは心や体が「少し休みたい」とサインを送っているのかもしれません。

まずは不調を何とかしようと頑張るよりも、自分の心地よいと感じる香りを暮らしの中に迎えてみてください。

朝の目覚めに、仕事の合間に、眠る前に。飲用できる芳香蒸留水が手に入ったら、お茶や水に少し加えて、内側から受け取ってみる。そんな小さな習慣からで十分です。

症状が長引く場合や痛み、高熱、急激な体調の変化がある場合には、医療機関を受診し、必要に応じて治療を受けることも大切です。

植物療法を学ぶほど、「自然だからよい」「薬はできるだけ避けるべき」と考えてしまう方もいらっしゃいます。しかし本当に大切なのは、ご自身や家族の状態を見つめ、最適な方法を選ぶための判断力を育むことです。

自然療法と医療、それぞれを尊重しながら、しなやかなバランス感覚を育てていけたらと思います。

芳香蒸留水は薬ではありません。でも私は、日々の暮らしにそっと寄り添い、本来の健やかさを支えてくれる、大きな価値を持つと感じています。

もしその先で「植物を蒸留してみたい」と思えたなら、「ハーブのある暮らし」はもう始まっています。

※植物を水蒸気蒸留法という手法で蒸留すると、精油と芳香蒸留水の二つが採れます。家庭用の蒸留器があれば、ご自宅でフレッシュな蒸留水を抽出することができます。また、蒸留器がなくてもお鍋などで抽出することもできます。
次回の記事で、芳香蒸留水の作り方をご紹介します。

※この記事は『蒸留ではじめるハーブのある暮らし』菊池友来著(世界文化社刊)の内容を、ウェブ記事用に再構成したものです。

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