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15年前、17歳で花嫁姿を披露した【CM女王】人気ボーカルと結婚した現在地とは

  • 2026.10.30
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2011年6月、女性誌のイベントでウエディングドレス姿を披露した武井咲(C)SANKEI

純白のウエディングドレスに身を包んだ少女が、報道陣の前に現れた。

今から15年前、2011年10月のことだ。当時17歳だった武井咲は、セキスイハイムの新CMキャラクター発表会の壇上に立っていた。これが自身8本目となるCM契約。人気急上昇のさなかに開かれた会見の会場は、東京・六本木のグランドハイアット東京だった。

質疑応答の話題は、理想の男性像や結婚観に集中した。武井は「なんだか結婚記者会見みたいになってて、恥ずかしいです」と頬を染めた。

だが、そんな初々しい姿の奥で彼女が語った“理想の家庭”は驚くほど解像度が高く、話は庭から玄関ドアの材質にまで及んだ。そして同じ会見で語っていたのは、目の前に迫る仕事の未来についてでもあった。家庭への憧れと、溢れんばかりの仕事への野心。その双方を抱えて駆け抜けていた17歳の輝きが、そこにはあった。

「花嫁の登場です!」の現場で見せたプロの顔

セキスイハイムのCM「ウエディング」篇で武井が演じたのは、教会で挙式に臨む若き新婦だ。緊張する新郎に代わってスピーチに立ち、電気の使い方を可視化する「スマートハイム・ナビ」で家計を節約すると宣言する。参列者の中から見守り、祝福を贈るのは、阿部寛演じるおなじみのハイムさんだ。

撮影現場では、スタッフが「花嫁の登場です!」と出迎えてくれた。武井はそれがとても楽しかったと振り返り、すっかり花嫁ムードを満喫していた。

だが、ただ浮き足立っていたわけではない。武井は「新婦の次はぜひ主婦役を」と続け、できる年齢になったら挑戦してみたいと意欲をのぞかせた。

思えばこの年の6月、女性ファッション誌のイベントで人生初のウエディングドレスを披露した際にも、17歳で着られるとは思っていなかったと喜びつつ、料理はこれから母に教わりたいと話していた。いいタイミングで結婚できたらいいと語ったあと、最後は「それまではお仕事を頑張りたいです」と締めくくっている。そして迎えた2度目のドレス姿は、CMでは初めてのお披露目だった。

庭と木製の玄関扉まで決めていた17歳の家庭像

10月の会見で結婚願望を問われた武井は、結婚してみたいと即答している。

そこで明かされた将来の青写真は、17歳の空想にしては驚くほど具体的だった。子どもは2人くらい欲しいので、夫と4人で、普通でのんびりとした家族に憧れる。理想に挙げたのは、大きな決断をするときにバシっと決めて、リードしてくれる人だった。結婚後の新居について聞かれると、武井は「庭は欲しくて、玄関の扉は木製がいいです!」と目を輝かせた。

お姫様のような豪邸を夢見るのではなく、玄関ドアの素材まで指定するリアリティ。それは単なる思春期の憧れというより、まるでハウスメーカーとの打ち合わせのワンシーンのようだ。

さらに印象的だったのは、家庭内における自分自身の“役割”についての言及だ。家族をあたたかく迎え入れる、湯たんぽのような人になりたい。夫が早く帰りたいと思うような家庭にしたい。節約は女性のほうが得意だと思うので、家計は自分が担当したい。

“湯たんぽ”という素朴で温もりのあるワードセンスもさることながら、家計を預かるという宣言はまさにCMの役柄そのもの。自分もスマートな方を早く見つけたいと、CMの「スマートハイム」にかけてみせるなど、照れながらも、タレントとしての役割をクレバーに果たしていた。

怒濤の2011年と18歳を前にした貪欲な抱負

家庭へのピュアな憧れを語る一方で、この日の会見のもうひとつのハイライトは、12月に控えていた歌手デビューの話題だった。

もともと音楽や歌うことが好きで、チャンスがあればやってみたいと思っていた彼女。デビュー曲を手掛けるのは、以前から大ファンだというGLAYのTAKUROだった。まだあいさつはできていなかったものの、会ったら言葉があふれて止まらなくなりそうなので、手紙にして喜びを伝えたいと無邪気に微笑んでいた。

しかし、振り返ればこの2011年という年は、武井咲が一気に時代の階段を駆け上がった、すさまじい1年だった。

1月期には、フジテレビの月9ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』で、ヒロインとなる生徒役に抜擢される。4月期にはテレビ朝日系『アスコーマーチ〜明日香工業高校物語〜』で連続ドラマ初主演。勢いはとどまることを知らず、5月には翌年のNHK大河ドラマ『平清盛』への出演が、7月には実写映画『るろうに剣心』のヒロイン・神谷薫役への抜擢が相次いで発表された。

秋のCM発表会を終えた後も、その加速は止まらない。11月には、松坂桃李と共演する映画初主演作『今日、恋をはじめます』の製作が決定。12月13日には、イタリアのブランド・グッチと日本人で初めてパトロネージ契約を結んだ人物として、同ブランドの発表会に登壇した。これで企業との契約は12社目となった。12月14日には、TAKURO書き下ろしのシングル『恋スルキモチ』で念願のCDデビューを果たす。

当時の武井を象徴するエピソードがある。18歳の誕生日を翌日に控えた12月24日、ラジオのチャリティー番組にゲストで出演したときのことだ。武井が笑顔で語った2012年の抱負は、18歳になれば働ける時間が延びるので、来年もバリバリ仕事を頑張りたいというものだった。

花嫁姿で木製の玄関扉に目を輝かせ、湯たんぽのような人になりたいと語っていた少女は、同時に、仕事にはどこまでも貪欲なプロフェッショナルでもあった。

年が明けた2012年1月には、正月三が日の「お正月CM女王」として紹介された。セキスイハイムのCMには2013年も出演を続け、その年には、CM起用社数のランキングの女性部門で初めて1位に輝くことになる。

『VERY』の表紙で見せるあの日の夢の続き

あの花嫁姿から15年。10代から20代を駆け抜けた武井は、2017年にEXILEのTAKAHIROとの結婚を発表。現在は3人の娘の母となった。

2024年4月号からは、女性ファッション誌『VERY』のレギュラー表紙モデルを務めている。就任のコメントでは、ママとしていろいろな経験や気持ちを読者の皆さんとシェアしていけたら、と語った。

2026年8月に公開された同誌の公式YouTubeでは、家で過ごす時間が大好きなことや、夫と二人三脚で向き合う子育ての日常を語っていた。

15年前の秋、六本木のホテルでウエディングドレスをまとった17歳の少女が語っていたのは、単なるおとぎ話のような結婚願望ではなかった。庭や玄関の扉の材質まで思い描いた、具体的で、あたたかで、地に足の着いた暮らしの情景だった。

少女時代のはにかみと、あの日の木製の扉の話を知ったうえでいまの彼女の笑顔を見つめると、誌面から伝わってくる暮らしの温もりが、いっそう深く心に響いてくる。


※記事は執筆時点の情報です

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