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ホテルのロビーを“行ったり来たり”する怪しい男性…不自然に思いホテルマンが声をかけると→発覚した真相とは?

  • 2026.10.18
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

旅先や出張先で、予定より少し早くホテルに到着してしまうことってありますよね。

「チェックイン時間までお荷物をお預かりしますね」と言ってもらえると、周辺の観光やカフェで時間をつぶせるので助かるものです。

ところがある日、フロントで勤務していると、荷物を預けて自由に出かけられるはずなのに、なぜかロビーから離れようとしないお客様がいらっしゃって…。

今回は、ロビーでそわそわされていたお客様の不自然な行動の裏にあった“切実な理由”と、ホテルマンがとった対応をご紹介します!

荷物を預けたのに…ロビーをウロウロし続けるお客様

15時のチェックイン開始まで、まだ1時間ほどあるお昼過ぎのことです。

フロントカウンターに、大きなスーツケースを持った男性のお客様が、女性のお客様とともにいらっしゃいました。

「お部屋のご用意ができる15時まで、お荷物をお預かりいたしますね。
チェックインまでお時間がございますので、どうぞ周辺の散策などへお出かけくださいませ」

そうお声がけし、スーツケースをお預かりして手荷物引換証をお渡ししました。
しかし、男性はロビーのソファーに腰掛けるでもなく、外出される様子もありません。

手元に小ぶりな紙の手提げ袋をひとつ下げたまま、ロビーを行ったり来たりしながら、何度も手元を気にされているのです。

ロビーの混雑を気にされているのか、それとも何かお探し物なのか。

不自然なご様子がどうしても気になり、私は、お連れ様がお手洗いに行っているタイミングを見計らって、男性にお声がけすることにしました。

「実はいま、すごく焦っていて…」手提げ袋の中身

「お客様、何かお困りごとでございましょうか?よろしければお手伝いさせていただきます」

そうお声がけすると、男性は恥ずかしそうに顔を赤らめながら、手元の紙袋をそっと見せてくださいました。

「実は……この中に、今日お誕生日を迎える連れへのサプライズ用の生ケーキが入っているんです。

持ち歩き用の保冷剤は入れてもらったんですが、そろそろ溶けてしまいそうで。でも、ケーキがあることを本人に知られたくなくて、先ほど『ケーキを冷やしてほしい』と言い出せなかったんです」

大きな荷物を預ける際に「冷蔵のケーキがある」と伝えるタイミングを逃してしまったお客様。
ケーキが傷んでしまうのではないかと不安になり、どこにも出かけられず、チェックインまでロビーで待つつもりだったようです。

「15時になってお部屋に入れたら、すぐに冷蔵庫に入れよう」と焦っていたのでした。

安心していただくためにホテルがとった対応

お客様の思いを知った私は、すぐにフォローに入りました。

「お申し出いただきありがとうございます。私どもでお預かりし、フロント裏の冷蔵庫でしっかり冷やしておきますので、安心してお出かけくださいませ」

そうお伝えすると、男性はホッとしたように大きく息を吐き、「本当ですか!助かりました!」と笑顔に。
お手洗いから戻られたお連れ様とともに、無事に外出されました。

そして15時になり、無事にチェックインを済ませていただいた後、私のホテルではサプライズサービスの用意があったため、指定いただいた時刻にお預かりしていたケーキをきれいなお皿に盛り付け、ホテルからの「お誕生日おめでとうございます」というメッセージカードを添えてお部屋までお届けしました。

お連れ様は大喜び。

サプライズを仕掛けた男性のお客様からも、後ほど「最高の思い出になりました。本当にありがとう」と感謝のお言葉をいただくことができたのです。 

違和感に気づく目と、先回りの「一言」の大切さ

今回のエピソードから学んだ教訓は、お客様の「言い出しにくさ」に配慮した先回りの声かけがいかに大切か、ということです。

旅先での特別なイベントやサプライズでは、お客様ご自身も緊張していて、スタッフに細かな要望を伝えそびれてしまうことがよくあります。
だからこそ、お荷物をお預かりする際に「冷たいお品物や壊れものはございませんか?」とスタッフ側から一言確認することが欠かせません。

一見不自然に見える行動の裏には、お客様なりの切実な困りごとが隠れているものです。
それに気づいたときは、お客様のプライドや秘密を守りながらスマートに手を差し伸べることが、プロの接客と言えるのではないでしょうか。

ホテルで「こんなこと頼んでもいいのかな?」と迷ったときは、遠慮なくスタッフに相談してみてくださいね。

なお、衛生管理上の理由から、飲食物のお預かりをお断りしているホテルも多くあります。
対応できるサービスもホテルによって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

お預かりができない場合でも、「お部屋の準備を急ぐ」「別の保管方法を一緒に考える」など、お客様の素敵な思い出作りのために、スタッフは喜んで知恵を絞ってくれますよ!


ライター:ひなこ

シティホテルおよび鉄道会社での勤務経験を持つWEBライター。駅員・車掌やホテルのフロント・宴会営業・レストランなどの現場を経験。現在では、現場での実務経験とトラブル対応の知見を活かした執筆活動を行っている。ホテルへの見識を深めるため「月1回ホテル宿泊」を継続中。


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