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入院中、何度も立ち上がって“窓の外を眺める”高齢女性…転倒しないかヒヤヒヤしていたが→その後、発覚した理由

  • 2026.11.4
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出典:photoAC ※画像はイメージです

こんにちは、病棟看護師もなです。

食欲の低下とふらつきで入院した、認知症のある患者さん。入院中、何度も立ち上がっては窓の外を眺めていました。

転倒の危険があるため、立ち上がるたびに注意が必要です。雑誌や本、テレビなどで気を紛らわせる工夫もしていました。

そんな患者さんが、ふと口にした言葉がありました。

その言葉を聞いて、私は気づきました。

安全を守るために、目の前の行動に意識が向いていた私。けれど、患者さんの言葉に耳を傾けると、繰り返される行動の向こうに、その人が気にかけていることが見えてきました。

何度も立ち上がる患者さん。安全を守ることに向いていた意識

ふらつきのある患者さんが何度も立ち上がれば、転倒しないかと心配になります。

看護師として、安全を守るために注意を払うことは欠かせません。

私も、立ち上がるたびに気を配り、雑誌や本、テレビなどで気を紛らわせる工夫をしていました。

しかし、患者さんは何度も窓の外を眺めていました。

「旦那はまだこないか」「あれも違う」

その言葉に続いて、「うちの旦那に、ここにいるって伝えて」と話した患者さん。
私は、夫が来るのを待っていたのだと知りました。

繰り返す行動だけを見ていると、落ち着かない様子や転倒の危険に目が向きます。けれど、言葉に耳を傾けることで、患者さんが何を気にかけているのかにも目を向けられました。

行動を安全に管理することと、その行動の意味を考えること。その両方が必要なのだと、改めて感じた出来事でした。

「また同じことをしている」と思う前に

医療や介護の現場では、安全を守ることが優先されます。一方で、危険を防ぐことに意識が向きすぎると、行動の背景にある思いを見落としてしまうことがあります。

周囲が止めても、同じ行動を繰り返す人。

向き合う側に余裕がないと、「さっきも伝えたのに」と感じることもあるかもしれません。

けれど、繰り返す行動には、本人なりの理由がある可能性があります。不安を感じているのかもしれない。誰かを待っているのかもしれない。自分にとって大切なことを確かめようとしているのかもしれません。

患者さんの言葉から夫を待っていることは分かりましたが、そのときの気持ちのすべてを知ることはできません。

それでも、「この人は今、何を気にしているのだろう」と考えることはできます。行動だけで判断せず、言葉や表情にも目を向けてみます。

その小さな視点の変化が、患者さんへの関わり方を変えるきっかけになるのだと思います。

安全を守ることと、思いを受け止めること

患者さんの思いを理解することは、何でも希望どおりにすることではありません。
転倒の危険があれば、安全を守るための対応は必要です。

だからこそ、行動を止めることだけで終わらせず、その人が何を伝えようとしているのかを考えることが大切なのだと思います。

今回の患者さんは、窓の外を見ながら夫を気にかけ、自分がここにいることを伝えてほしいと話していました。

その言葉を聞かなければ、私は窓の外を見る行動を、転倒に注意すべき行動として捉えることに意識を向けていたかもしれません。

目の前の行動は同じでも、背景にある事情を知ることで、その人への理解は深まります。

行動の理由を決めつけず、その人の言葉に耳を傾ける

患者さんの行動には、周囲からは見えにくい理由が隠れていることがあります。大切なのは、その理由を必ず見抜くことではなく、分からないまま決めつけないことです。

安全を守りながら、その人が何を気にかけ、何を伝えようとしているのかを考えてみます。

今回の経験で、その人自身を理解しようとする姿勢の大切さを改めて教えてくれました。

行動を止める必要があるときでも、その人の思いまで置き去りにしない。

これからも、目の前の行動だけで判断せず、その人の言葉に耳を傾けながら、一人ひとりに向き合っていきたいと思います。


もな|病棟看護師・看護師ライター

看護師歴7年。急性期・整形外科、地域包括ケア病棟(混合病棟)、訪問看護を経験し、現在も看護師として勤務しています。看護師として7年間働く中で経験したリアルなエピソードを通して、技術だけではない「看護の本質」を言葉にしています。


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