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乗客「一体何があったの!?」ツアー中、高速道路を誤って途中下車→車内を笑いに変えた元バスガイドの“粋な一言”

  • 2026.11.2
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

元バスガイドのくろちびです。

ミステリーツアーは、お客様に行き先を知らせずに出発する旅行です。ホテルだけが先に決まり、観光地や昼食会場は数日前に決まることもあります。

そのため、バスガイドも直前まで詳しい行程を知らないまま、短い時間で準備を進めなければなりません。私が勤めていた会社では、道に詳しいベテランドライバーさんと、経験を積んだバスガイドが担当することがほとんどでした。

この日も、昼食会場へ向かう途中から、まさにミステリーの連続でした。

ホテルとは反対方向の昼食会場へ

昼食会場は、宿泊するホテルとはまったく違う方向にありました。

ベテランドライバーさんも、カーナビと地図を見比べながら確認します。

「昼食会場は、〇〇インターのところか……」と、いつもなら迷いなく走るドライバーさんが地図を見直している姿に、私も少し緊張しました。

「ホテルとは、ずいぶん違う方向ですね」

そう声をかけると、ドライバーさんは地図を指でなぞりながら再確認し、サービスエリアを出発しました。

しかし、方向を読み違えたのか、目的のインターより一つ手前で高速道路を降りてしまったのです。

一つ手前のインターで降りてしまった

高速道路を降りてから、ドライバーさんが

「間違えた、一つ手前で降りてしまったわ」とこっそり教えてくれました。

車内のお客様はまだ行き先を知らないため、状況を詳しく説明するわけにもいきません。

旅行添乗員さんにだけ現状をお伝えし、ドライバーさんが料金所の係員さんに事情を説明して、再び高速道路へ戻ることになりました。

何とか本線へ戻ることができましたが、
さすがにお客様も『一体何があったの!?』と大笑いされていました。

「ミステリーツアーですから、道までミステリーになったようですね」と笑ってみせたものの、お客様に不安を感じさせないよう、車内では普段どおり案内を続けました。

そして、何とか昼食会場に到着。これで一安心と思ったのですが、まだ終わりではありませんでした。

昼食会場でもトラブルが続く

会場で席を確認すると、用意されていた座席が一つ足りません。

「すみません、こちらのお席が一つ足りないようです」

スタッフの方に伝えると、すぐに追加の席を準備してくれました。

お客様には少しだけお待ちいただき、何とか全員に座っていただきました。

ようやく食事を終え、出発時間を案内していたときです。

突然、会場の照明が消えました。

「えっ、停電ですか?」

お客様から驚きの声が上がりましたが、幸い停電はすぐに復旧しました。

「大丈夫です。すぐに電気が戻りました」

そう案内すると、会場には安堵の空気が広がります。

ドライバーさんと顔を見合わせると、二人とも苦笑い。

道を間違え、席が足りず、最後には停電まで起こるとは思ってもいませんでした。

本当の意味でミステリーだった一日

ミステリーツアーでは、行き先が分からないことを前提に、限られた時間で準備を整えます。

それでも、当日になれば予想外のことが起こります。今回も、昼食会場へ向かう途中でルートを間違え、到着後には座席不足、出発前には停電が発生しました。

お客様にとっては行き先が分からないミステリー。私たちにとっては、何が起こるか分からないミステリーツアーになりました。

予想外の場面でこそ、対応力が試される

旅行では、どれだけ準備をしていても、予定どおりに進まないことがあります。

そんなときは、ドライバーさんや現地スタッフと連携し、お客様に不安を感じさせないよう落ち着いて対応することが大切です。

ミステリーツアーは、行き先を秘密にするだけの旅行ではありません。現場で起こる出来事にも臨機応変に向き合う、バスガイドの対応力が試されるツアーだと実感した日でした。


ライター:くろちび

プロフィール
 バスガイドとして4年間、奈良・京都・大阪を中心に観光案内を担当。修学旅行や団体旅行、高齢者ツアーなど、さまざまなお客様をご案内してきました。現場で実際に経験した出来事や、旅行の裏側、接客を通して学んだことを、実体験をもとにお伝えしています。


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