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「70代の夫が息苦しさを訴えている」妻からの救急要請…本人は「大丈夫」と話すも?妻だけが覚えた“重要な違和感”

  • 2026.10.31
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。ライターのとしです。

持病がある方の場合、本人にとっては「いつもの症状」と感じていても、そばにいる家族には違って見えることがあります。

今回は、呼吸苦を訴えた70代男性と、その様子を見て「いつもより苦しそう」と感じた妻の事案をご紹介します。

「いつもと変わらないから大丈夫」

70代男性が息苦しさを訴えているとして、妻から救急要請が入りました。

自宅へ到着すると、男性は呼吸苦を訴えていました。

ただ、本人に話を聞くと、

「いつもと変わらないから大丈夫です」

と話します。

男性には呼吸器系の持病があり、普段から息苦しさを感じることがありました。

本人としては、今回もいつもの症状と大きく変わらないと感じていたようです。

一方、そばにいた妻は心配そうに夫の様子を見ていました。

そこで、普段の状態について妻にも確認しました。

すると、

「いつもより苦しそうに見えるんです」

という言葉が返ってきました。

本人には「いつも通り」でも

持病による症状を何度も経験していると、本人にとっては多少の息苦しさがあっても「いつものこと」と感じる場合があります。

しかし、毎日そばで生活している家族だからこそ分かる変化もあります。

救急隊も男性の呼吸状態や意識状態、血圧などを確認しながら観察を進めました。

本人は「大丈夫」と話していましたが、妻の「いつもより苦しそう」という情報も大切な判断材料になります。

急な寒暖差が持病の症状に影響した可能性も考えながら、医療機関で診察を受けた方がよいと判断しました。

「念のため診てもらいましょう」

男性には、

「ご自身ではいつもと同じように感じているかもしれませんが、奥さんから見ると普段より苦しそうとのことです」

と説明しました。

持病があることも踏まえ、医療機関で詳しく診てもらった方がよいことを伝えました。

男性も最初は「そこまでしなくても大丈夫」といった様子でしたが、妻の話も聞きながら説明を続けると、最終的には搬送を了承してくれました。

受け入れ可能な医療機関へ連絡し、男性を救急車へ収容しました。

搬送中も呼吸状態などを確認しながら病院へ向かいましたが、大きな容態変化はありませんでした。

到着後、本人は普段と変わらないと感じていたことや、妻からは「いつもより苦しそう」との話があったことなどを医師へ申し送りました。

診察の結果、医師からは入院が必要との見解が示されました。

本人にとっては「いつも通り」でも、実際には入院が必要な状態だったのです。

家族の「いつもと違う」も大切な情報

救急現場では、傷病者本人の訴えを聞くことはもちろん大切です。

ただ、本人が自分の症状に慣れている場合、「これくらいなら大丈夫」と感じてしまうこともあります。

そんな時、普段から一緒にいる家族の「今日はいつもと違う」という言葉が、状態を考えるうえで重要な情報になることがあります。

今回も、男性本人だけの話を聞けば「いつもの息苦しさ」と受け取ってしまいそうな場面でした。

しかし、妻には普段との違いが見えていました。そして実際に医療機関では、入院が必要との判断につながりました。

季節の変わり目は気温が大きく変化することもあり、持病のある方にとって体調が変わるきっかけになる可能性もあります。

本人が「大丈夫」と感じていても、身近な人が感じた小さな違和感をそのままにしないこと。

傷病者本人と家族、両方から話を聞くことの大切さを改めて感じた事案でした。


ライター:とし

元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。

現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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