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「夫が息苦しさを訴えている」女性から救急要請…→搬送中、女性にも異変が!?元救急隊員が明かす、付き添い家族が陥りやすい“見えない危険”

  • 2026.10.18
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。ライターのとしです。

救急現場では、傷病者本人だけでなく、そばで見守っている家族の様子にも気を配ることがあります。

今回は、呼吸苦を訴えた60代男性を搬送しようとしたその時、付き添っていた妻にも思わぬ変化が起きた事案をご紹介します。

呼吸苦を訴えた60代男性

60代男性が息苦しさを訴えているとして、妻から救急要請が入りました。

自宅へ到着すると、男性は居室内で呼吸苦を訴えており、その横では妻が心配そうに夫の様子を見つめていました。

救急隊は男性の意識状態や呼吸状態、血圧などを確認しながら、必要な観察を進めます。

症状から医療機関での診察が必要と判断し、受け入れ可能な病院を探しました。

しばらくして搬送先が決まり、男性を担架へ移して救急車へ向かうことになりました。

妻も付き添う予定で、私たちの後ろからついてきていました。

搬送途中で妻が突然座り込む

男性を担架で移動させている途中でした。

ふと後ろを見ると、妻がその場に座り込んでいました。

「大丈夫ですか」

声をかけると、妻は「大丈夫です」と答えましたが、少しふらつくような様子があり、呼吸もやや速くなっていました。

立ちくらみのような症状に加え、軽い過呼吸のようにも見えました。

夫の体調を心配して緊張が続いていたことや、救急隊が到着し、搬送先まで決まったことで気持ちが少し緩んだことなどが影響した可能性も考えられました。

ただ、その場で原因を決めつけることはできません。

本人が「大丈夫」と話していても、目の前で体調を崩している以上、そのまま付き添いとして乗ってもらってよいのかは慎重に考える必要がありました。

医療機関へもう一度連絡

そこで、すでに夫の受け入れが決まっていた医療機関へ再度連絡しました。

「付き添い予定の妻にも体調不良が出ています。一緒に診察していただくことは可能でしょうか」

事情を伝えて確認すると、妻についても受け入れてもらえることになりました。

妻自身は「私は大丈夫です」と繰り返していましたが、念のため一緒に診てもらうことを説明すると、了承してくれました。

夫の搬送を優先しながら、妻の様子にも注意して救急車へ収容し、夫婦そろって医療機関へ向かいました。

搬送中は2人とも大きな容体変化はなく、到着後、それぞれの経過を医師へ申し送りました。

最初は夫だけを搬送する予定だったため、現場での対応は途中から大きく変わりました。

それでも、妻の変化に気づいた時点で立ち止まり、状態を確認できたことは大切だったと思います。

付き添う家族も緊張の中にいる

救急要請が入ると、どうしても傷病者本人へ意識が向きます。

しかし、そばにいる家族もまた、不安や緊張の中で救急隊の到着を待っていることがあります。

今回の妻も、夫の呼吸苦を目の前で見ながら救急車を呼び、搬送先が決まるまでずっと気を張っていたのだと思います。

その緊張が続いたあと、ふっと力が抜けたようなタイミングで体調を崩すこともあります。

もちろん、体調不良の原因はその場では分かりません。

だからこそ、「付き添いだから大丈夫」と決めつけず、必要であれば本人の状態も確認し、受診につなげることが大切です。

傷病者本人だけでなく、その周囲にいる家族の様子にも目を配る必要があると改めて感じた事案でした。


ライター:とし

元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。
現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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