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親の頑固さとプライドがつらいとき、介護のプロがすすめる「いい意味での無責任さ」と関わり方

  • 2026.9.29

親の頑固さとプライドがつらいとき、介護のプロがすすめる「いい意味での無責任さ」と関わり方

「親のために」と思ってしていることが、実は親子を苦しめる原因になっているかも! 介護では、先回りして世話を焼くことが、必ずしもよい結果につながるとは限らないのです。これまで当たり前とされてきた介護の常識が、いま大きく変わりつつあります。介護のプロ・川内潤さんの新刊『介護前夜の教科書 親と自分の人生を壊さないための備え』(講談社刊)からお届けする第5回は、頑固な親との向き合い方。

Q. 親の頑固さやプライドの高さが面倒臭い。どう付き合うべき?

A. いい意味での「無責任さ」と適切な距離感を持つ

親の頑固さやプライドの高さに頭を悩ませている方はとても多いものです。また、認知症の症状が加わり、親子だけで向き合う時間が長くなると、関係が行き詰まり、時として虐待のような深刻なトラブルにつながってしまうケースもあります。良かれと思って提案しているのに、話も聞かずに意地を張る。まだまだ若いつもりで無理をして怪我をする……。こうした親の「面倒臭さ」に、どう付き合っていくべきなのでしょうか。

まず私たちは、「親に言うことを聞かせよう」という気持ちを手放してしまった方がよいでしょう。親に対して「最近はこういうものなんだから」「こうするべき」と、子世代の正しさを持ち込むほど、関係はこじれやすくなります。80年近く生きてきた人たちの性格を、今さら子どもが変えることは不可能です。一方で、その頑固な性格は、ここまで無事に生き抜いてこられたという成功体験の結晶でもあります。そう考えたら、親の頑固さも、それによって生じる不便も、その人の人生の延長線上にあるもの。子はそれを「本人の人生の一部」と受け止め、少し引いて見守るくらいでいいのではないでしょうか。

親の選択による不利益は「本人の人生の一部」

たとえば、親がプライドのせいで「補聴器なんて格好悪いものはつけたくない」と言い張っているとします。そのせいで音が聞こえなくなり、周囲との会話やさまざまな機会を逃すこともあるでしょう。でも、それもその人が選んだ生き方。子はそこまで背負いすぎなくてもいいのです。「聞こえにくくても、今の自分のままでいたいのだろう」と、支える側が理解しておくと、少し楽になるのではないでしょうか。

頑固さは、歳を重ねるごとに際立ってくることがあります。その姿は、自分が知っている親像とはかけ離れていくこともあるかもしれません。しかし、そうした子が知らない一面こそが、「親の本来の姿」である可能性もあります。難しいことではありますが、子は、親も一人の人間なのだと、その変化を丸ごと受け入れる余裕を持つ必要があると思います。そのためにも、向き合うときにはいい意味での「無責任さ」があると、気持ちが楽になるでしょう。

ぶつからないコツは、向こうが喧嘩腰であっても、こちらが受け流せるくらいの距離感を保つこと。会う頻度は、お互いつらくない程度に。もしも喧嘩をしたらまた距離を取る、というくらいでいいのです。踏み込まず、切り捨てず、適度な距離感で関わることが、自分の心を平穏に保つ秘訣です。

POINT

・やること▶不便も本人の人生として見る
・やらないこと▶「べき論」で親を説得し続けない

※この記事は、『介護前夜の教科書 親と自分の人生を壊さないための備え』川内潤著(講談社刊)の内容を、ウェブ記事用に再構成したものです。

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