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「退職金があるから大丈夫」“住宅ローン1,500万円”を返済する予定の50代男性→会社から届いていた“1通の通知”に青ざめたワケ

  • 2026.10.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さん、こんにちは。現役銀行員ライターの加藤隆二です。

日々の生活の中で、「いざとなったら退職金があるから大丈夫」と、住宅ローンやクレジットカードの支払いを先送りにしてしまった経験をお持ちの方はいらっしゃるのではないでしょうか。

特に、ボーナス払いを多用していると、毎月の家計は回っているように見えても、実は大きなリスクが隠れていることがあります。

今回は、銀行の窓口で実際に私がご相談を受けた、ある50代男性のエピソードをご紹介します。

「退職金でローンを全額返済すれば、老後は安泰だ」と信じていた彼が、定年直前に知ることとなった厳しい現実とはどのようなものだったのでしょうか。老後破綻を未然に防ぐために、50代の今だからこそできるローンの見直しや負債整理のヒントについて、現役銀行員ならではの視点で分かりやすく解説いたします。

「退職金があるから大丈夫」という甘い罠

定年退職を控えた世代の多くが陥りやすいのが、退職金をあてにした返済計画です。

一見すると合理的に思えるこの考え方の裏には、どのような危険が潜んでいるのでしょうか。

ある50代男性、Aさんのご相談

私が銀行の窓口で融資相談を担当していた時のことです。50代後半の男性、Aさんが住宅ローンとカードローンの見直しについてご相談にいらっしゃいました。

Aさんは大手企業にお勤めで、「あと数年で定年退職です。退職金が2,000万円ほど入る予定なので、それで残りの住宅ローン1,500万円と、ボーナス払いで膨らんだカードローン300万円を一括返済するつもりです」と、少し誇らしげに語られました。

窓口で発覚した「予定外」の事実

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

Aさんのご返済計画を詳しく伺うため、私は勤務先の退職金規定や再雇用後の給与体系について、改めてご確認いただくようお願いしました。

ところが数日後、青ざめた表情で再び窓口を訪れたAさんは、震える声でこうおっしゃいました。

「加藤さん、会社の制度が変わっていて、退職金の多くが企業年金として分割で受け取る仕組みに変わっていて、一時金で受け取れるのは想定の半分以下だったんです…。」

さらに、再雇用後の給与も現役時代の半分以下に減額されることが分かり、「このままでは、ボーナス払いはおろか、毎月の住宅ローンすら払えなくなってしまいます……。」と、Aさんは後悔の涙を浮かべて絶句されていました。

退職金や再雇用の仕組み・条件などは企業によりそれぞれ内容が異なります。

退職金や再雇用の仕組みは会社ごとに異なり、制度が変わる場合は社員に知らされるのが一般的です。Aさんも会社からのお知らせを受け取っていましたが、「仕事のパソコンに届くメールは煩わしくて、読み飛ばしていました」とのことでした。忙しい現役世代ほど、こうした通知を見落としがちです。

50代から始める、老後を守る「負債整理術」

Aさんのように、退職金やボーナスへの過度な依存は、老後の生活設計を大きく狂わせる原因となります。では、老後破綻を回避するためにはどうすればよいのでしょうか。

定年前にローンを「延命・整理」する

退職金を一括返済に使い切ってしまうと、老後の手元資金が枯渇してしまい、病気などの予期せぬ出費に対応できなくなります。まずは、定年前に現在借り入れのある金融機関へ足を運びましょう。

例えば、毎月の返済額を減らすために住宅ローンの返済期間を延長したり、金利の低いローンへ借り換えたりすることで、手元の資金(退職金)を温存するアプローチが有効です。

ただし、返済期間を延ばすと利息の総額は増えますし、年齢によっては審査が通らないこともあります。手元に残すお金と返済額のバランスを、金融機関と相談しながら決めましょう。

いっぽう、手元のお金が不足したときに利用できるカードローンなど、住宅ローンよりも高金利な借り入れについては、家計を見直し、定年前に優先して完済する計画を立てることが重要です。

身の丈に合った家計へのダウンサイジング

定年後は、現役時代のような右肩上がりの収入は見込めません。ボーナス払いに依存する家計から、年金と再雇用後の給与の範囲内でやりくりできる家計へとダウンサイジングすることが求められます。

老後破綻を防ぐためには、「退職金があるから」という根拠のない安心感を手放し、まずはご自身の会社の退職金制度や年金見込額を正確に把握することから始めてみてください。早めに行動を起こすことで、選択肢は確実に広がります。

皆さまの安心できるセカンドライフへの準備として、今回のエピソードが少しでもお役に立てば幸いです。


※事例は、個人が特定されないよう内容を一部変更しています。

執筆者:加藤隆二

現役銀行員ライター。銀行勤続30年以上の豊富な融資・預金業務の現場経験を活かし、生活に直結するお金のリアルな事情を発信し続けています。
保有資格:FP2級(個人資産相談業務)

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