1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 医師から『心筋梗塞』と診断された60代男性→「保険で100万円が受け取れる」はずが…保険会社から告げられた“想定外の一言”

医師から『心筋梗塞』と診断された60代男性→「保険で100万円が受け取れる」はずが…保険会社から告げられた“想定外の一言”

  • 2026.10.8
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

大学卒業後、国内大手生命保険会社に35年間勤務し、営業や営業所長、企画、事務などを経験してきた「あしふみ」です。

「三大疾病になったら100万円出る保険に入っている」

そう聞けば、がん・心筋梗塞・脳卒中と診断された時点で、まとまったお金を受け取れると考える方が多いでしょう。ところが実際には、病名がついただけでは一時金が支払われない契約があります。

今回は急性心筋梗塞で入院した60歳男性が、退院後に初めて支払条件の違いを知った事例をご紹介します。

突然の胸の痛み、そして退院後の電話

Aさん(仮名・60歳)は、長年同じ生命保険に加入していました。契約には、がん・急性心筋梗塞・脳卒中に備える「三大疾病一時金100万円」の保障が付いています。

加入時の説明で記憶に残っていたのは、次の一言でした。

「三大疾病になった場合は100万円受け取れます」

年月がたつうちに、Aさんの中でこの言葉は「がん、心筋梗塞、脳卒中と診断されたら100万円出る保険」という理解に置き換わっていきました。

ある日、Aさんは突然の強い胸の痛みに襲われ、救急搬送されます。診断は急性心筋梗塞。治療を受けて無事に退院できましたが、入院費用に加え、仕事を休んだ分の収入減も気になります。そこでAさんは、保険のことを思い出しました。

「100万円の一時金があるから、当面の出費は何とかなりそうだ」

そう考えて保険会社に連絡したところ、返ってきたのは予想外の答えでした。

「診断されただけでは、支払対象になりません」

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「こちらのご契約では、急性心筋梗塞と診断されたことのみでは、一時金のお支払い条件を満たしません」

「心筋梗塞と診断されたのに、100万円は出ないのですか?」

Aさんが契約内容を確認すると、急性心筋梗塞については、診断に加えて、次のような別の条件が定められていました。

  • 所定の状態が一定期間続いていること
  • 所定の手術を受けていること

Aさんは治療後の回復が比較的順調だったため、これらの条件には当てはまりませんでした。結果として、期待していた100万円は支払対象外となったのです。

「三大疾病なら出る」と信じていただけに、Aさんの落胆は大きなものでした。

同じ「三大疾病」でも、条件は病気ごとに違う

三大疾病保障は、がん・急性心筋梗塞・脳卒中といった重い病気に備える保障です。ただし、3つの病気の支払条件が同じとは限りません。

たとえば、がんは「診断確定」で支払われる一方、急性心筋梗塞や脳卒中では次のような条件が付く商品があります。

  • 一定期間、所定の状態が続いた場合
  • 所定の手術を受けた場合

反対に、近年は入院や診断を条件に一時金を受け取れる商品も登場しています。

つまり、「三大疾病一時金100万円」という名称が同じでも、どんなときに100万円が受け取れるのかは、商品や契約時期によって大きく異なります。

わかりにくい「所定の状態」とは

Aさんが特にわかりにくいと感じたのが、「所定の状態」という言葉でした。

具体的な内容は契約ごとに異なりますが、日常生活に支障が残る状態や、一定の症状が続いている状態など、約款に定められた条件を指します。「心筋梗塞になった」「脳卒中になった」という病名だけでは、支払いの可否を判断できないということです。

さらに、入院日数や手術の有無が条件に関わる商品もあります。保険証券には「三大疾病一時金100万円」としか書かれていないことも多く、細かな条件は約款や「ご契約のしおり」を見ないとわかりません。

病気になってから確認するのでは遅いことも

この経験をきっかけに、Aさんは契約内容を改めて確認しました。思い返せば、覚えていたのは「100万円」という金額だけで、次のような細部は確かめたことがなかったそうです。

  • がんは、何が支払条件なのか
  • 心筋梗塞は、どのような状態になれば対象になるのか
  • 脳卒中は、状態が何日続けばよいのか

長く続けている保険ほど、加入時の説明を自分なりに簡略化して覚えてしまいがちです。「三大疾病なら100万円」と記憶していても、実際の条件は病気ごとに違うかもしれません。

今日からできる、3つの確認

  1. 書類を確認する:保険証券や契約内容のお知らせ、約款、「ご契約のしおり」で、病気ごとの支払条件を確かめましょう。
  2. 具体的に問い合わせる:書類だけではわかりにくければ、保険会社に「急性心筋梗塞の場合は、どんな状態になれば支払対象ですか」と、病名を挙げて聞いてみましょう。
  3. 条件を書き留める:病気ごとの支払条件をメモにして、証券と一緒に保管しておくと、いざというとき家族も確認できます。

保障額だけでなく、受け取れる条件まで知っておくこと。それが、いざというときに「思っていたのと違った」と慌てないための備えになります。


※個人が特定されないよう、内容の一部を変更しています。
※三大疾病保障の対象疾病、支払条件、必要な状態の継続期間、手術・入院の要件などは、保険会社・商品・契約時期によって異なります。詳しくは保険証券や約款、「ご契約のしおり」をご確認いただくか、ご加入の保険会社へお問い合わせください。

執筆・監修:あしふみ
大学卒業後、国内大手生命保険会社に35年間勤務。個人・法人営業、営業所長、企画・販売促進、事務部門などを経験。FP2級の知識と保険実務の経験を生かし、保険や家計に関する情報をわかりやすく発信している。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ