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“評価額5,000万円”の実家を相続した50代娘→『特例を使えば相続税0円』のはずが…税理士に突きつけられた“予想外の条件”にあ然

  • 2026.11.3
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

今回ご紹介するのは、同居していた母の自宅を相続した50代女性Aさんの体験談です。土地の評価を大きく下げられるはずだったAさんが、知ったこととは。

同居していたのだから、特例は使えるはず

先日、相続の相談にいらした52歳のAさん。一人っ子で、夫と子ども、そして母との4人で暮らしていました。その母が、今年の春に亡くなったといいます。

実家は郊外の住宅地にあり、土地は330平方メートル。相続税の計算に使う評価額は5,000万円ほどでした。

Aさんが知っていたのが、小規模宅地等の特例です。亡くなった人が住んでいた土地を一定の人が相続した場合、330平方メートルまでの部分について、評価額を80%減らせます。5,000万円が1,000万円になる計算です。

「ずっと同居していましたから、問題なく使えると思っていました」

ところが税理士に相談したAさんは、条件がもう一つあると知ります。

申告期限まで、住み続けて持ち続ける

この特例を同居していた親族が使うには、2つの継続要件を満たす必要があります。

一つは居住継続。相続税の申告期限まで、その家に住み続けること。もう一つは保有継続。同じく申告期限まで、その土地を持ち続けることです。

申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月後。Aさんの場合、来年の初めにあたります。

「それまでに引っ越したり売ったりすると、使えなくなるんですね」

実はAさんの夫に、転勤の話が出ていました。時期によっては、家族で住まいを移ることになります。

ただし、この要件が課されるのは土地を相続したAさん本人です。夫が単身赴任という形をとり、Aさんと子どもがこの家に住み続ければ、要件は満たせます。家族全員で引っ越さなければならない、というわけではありません。

なお、住民票だけを残して実際には別の場所で暮らす、という形は認められません。実際に住んでいることが前提です。

使えるかどうかで、税額はこれだけ変わる

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

では、特例が使えるかどうかで、どれくらい違うのか。

Aさんは一人っ子なので、相続人は1人。基礎控除は3,000万円に600万円を足した3,600万円です。

土地の評価額5,000万円に特例を使えば1,000万円。ほかの財産が預貯金2,000万円だとすると、合計3,000万円で基礎控除以下となり、相続税はかかりません。

特例を使えなければ、土地5,000万円と預貯金2,000万円で7,000万円。基礎控除を引いた3,400万円が課税対象となり、相続税は480万円になります。

「住まいをどうするかで、これだけ変わるとは思いませんでした」

ちなみに、特例を使って税額がゼロになる場合でも、相続税の申告は必要です。申告して初めて適用されるためです。

Aさんは夫と相談し、転勤の時期を確認したうえで、申告期限までの過ごし方を決めることにしました。

実家を相続する前に確認しておきたいこと

同居していれば自動的に使える、というものではありません。次の点を押さえておきましょう。

  • 小規模宅地等の特例は330平方メートルまで評価額を80%減らせる
  • 同居親族が使うには申告期限まで住み続ける必要がある
  • 同じく申告期限まで土地を持ち続ける必要がある
  • 申告期限は相続の開始を知った日の翌日から10か月
  • 要件が課されるのは土地を相続した本人
  • 住民票だけ残す形は認められない
  • 特例で税額がゼロになる場合も申告が必要

特例が使えるかどうかは、同居の状況や家族構成によって判断が分かれます。相続税の計算や申告については、税務署や税理士に相談してください。売却を考えている場合は、申告期限との兼ね合いを先に確認しておくと安心です。

「一緒に住んでいたから大丈夫」と考える前に、いつまで住み続ける必要があるのかを確かめておくことが、想定外の税負担を避ける第一歩です。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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