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「あと2週間早ければ…」50万円を“NISAの成長投資枠”に入れるつもりだった50代女性、銀行窓口で告げられた“意外な落とし穴”

  • 2026.10.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

今回ご紹介するのは、昨年のちょうど今頃、NISA口座の金融機関を移そうとした50代女性Aさんの体験談です。買付をしていなければいつでも移せると考えていたAさんが、窓口で知った締切とは。

夏のボーナスで、成長投資枠を使うつもりだった

昨年の秋頃、相談にいらした56歳のAさん。会社員として働きながら一人暮らしをしており、老後に向けて資産を増やしたいと話してくださいました。

NISA口座は3年前に開設していました。ただ、商品選びに迷っているうちに時間が過ぎ、一度も買付をしていません。口座があるだけの状態です。

転機になったのは、同僚との会話でした。手数料の低い商品を扱う金融機関があると聞き、まずは口座を移してから始めようと考えます。夏のボーナスから50万円を成長投資枠に充てる計画でした。

ところが、仕事が立て込んで窓口に行く時間が取れません。気づけば夏が過ぎ、Aさんが相談に訪れたのは10月の半ばでした。

「買付をしていないのだから、いつでも移せると思っていました」

受付が終わったのは、9月30日だった

担当者の説明は、Aさんの想定とは違うものでした。

NISA口座の金融機関変更は、年単位で行います。手続きができるのは、変更したい年の前年10月1日から、変更したい年の9月30日まで。今年分の変更を申し出るには、9月30日までに手続きを始めておく必要がありました。

10月1日からは、翌年分の受付が始まっています。つまりAさんが今から手続きをしても、新しい金融機関で買えるのは翌年1月以降です。

「あと2週間早ければ、今年のうちに移せたんですね」

Aさんは今年、一度も買付をしていませんでした。買付があると、その年分の変更はできなくなります。この条件は満たしていたのですが、9月30日という締切のほうで引っかかった形です。

使わなかった枠は、翌年に回せない

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

もう一つ、担当者が伝えたことがあります。非課税枠は、使わなかった分を翌年に繰り越せないということです。

NISAのつみたて投資枠は年120万円、成長投資枠は年240万円。合わせて年360万円が上限です。今年分を使わずに年を越せば、その枠は消えます。生涯で投資できる1,800万円という上限は変わりませんが、1年分の枠を使う機会は戻ってきません。

「今年の枠を、まるまる使わずに終わらせるのはもったいないですね」

NISA口座は今の金融機関にあるので、年内の買付はできます。買付をすれば今年分の変更はできなくなりますが、今年分の受付はすでに終わっているため、翌年分の変更には影響しません。

Aさんは、夏のボーナスから用意していた50万円を、今の金融機関の成長投資枠で使うことにしました。翌年分の変更手続きは年内に済ませ、来年1月からは新しい金融機関で積み立てる計画です。

NISAの金融機関を変える前に確認しておきたいこと

変更には、年に一度の締切があります。次の点を押さえておきましょう。

  • 変更の手続きは前年10月1日から変更する年の9月30日まで
  • 10月以降に申し出ると、変更できるのは翌年分から
  • その年に買付があると、その年分は変更できない
  • 使わなかった非課税枠は翌年に繰り越せない
  • 口座がある金融機関でなら年内の買付はできる
  • 年内に手続きを終えないと翌年1月の積立に間に合わない

手続きの方法は、今NISA口座がある金融機関と、移りたい先の金融機関の両方に確認するのが確実です。制度の内容は、金融庁のNISA特設ウェブサイトでも調べられます。

なお、冬のボーナスでも買い増そうと考えている人は、買うタイミングに注意が必要です。年内に買うなら今の金融機関、年明けに買うなら変更後の金融機関。年末に近づくほど、変更の手続きが翌年1月の買付に間に合わなくなります。冬のボーナスが出てから考えるのではなく、今のうちに段取りを決めておくと安心です。

「買付していなければいつでも変えられる」と思い込む前に、年に一度の締切を確かめておくことが、非課税枠を無駄にしないための第一歩です。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。


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