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「重さは同じなのに…」“金地金1kg”を100gずつに分けようとした70代男性→後日、地金店で提示された“見積額”に絶句したワケ

  • 2026.10.26
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、20年ほど前に買った金の延べ棒を持つ70代男性・Aさん(仮名)の体験談です。

「1kgの延べ棒のままでは子どもたちに分けにくい。小さい延べ棒に替えておこう」

そう考えて地金店を訪ねたAさんでしたが、提示された見積もりを見て青ざめます。金の延べ棒を家族に渡す前に、知っておきたい注意点をご紹介します。

1kgの延べ棒を、子ども3人に分けたい

74歳のAさんには、独立した子どもが3人います。

20年ほど前、Aさんは1kgの金の延べ棒を約250万円で買いました。その後、金の値段は大きく上がり、今では2,000万円を超えています。

「将来、3人で分けるなら、小さい延べ棒のほうがいい」

そこでAさんは、1kgの延べ棒を100gの延べ棒10本に替え、将来、子どもたちに分けやすくしておこうと考えました。そしてこの秋、地金を扱う店舗を訪ねたのです。

提示された見積もりは「52万円」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

担当者によると、延べ棒を小さいものに替えるには、1kgの延べ棒をそのまま分割するのではなく、いったん売り、100gの延べ棒を10本買い直す形になります。

同社が10月21日の朝に公表した価格で出された見積もりは、次のとおりでした。

・1kgの延べ棒を売った額:2,288万円
・100gの延べ棒10本を買う額:2,323万7,000円
・100gの延べ棒の手数料:1本1万6,500円×10本=16万5,000円

売る価格と買う価格の差に手数料を合わせると、約52万2,000円を払う計算です。

「重さは同じなのに、52万円もかかるのか」

想像していなかった金額に、Aさんは青ざめました。

「売った」ことになり、税金もかかる

さらに、担当者からは税金についても説明がありました。

延べ棒を売って利益が出ると「譲渡所得」となり、ほかの所得と合わせて所得税と住民税がかかります。5年を超えて持っていた場合は、利益から特別控除の50万円を差し引いた額の2分の1が、課税の対象です。

ほかに総合課税の譲渡所得がないとすると、Aさんの場合は次のとおりです。

(2,288万円−約250万円−50万円)×1/2=約994万円

Aさんとしては小さい延べ棒に替えるだけのつもりでしたが、税金の面では1kgの延べ棒を「売った」ことになります。この約994万円が、その年の所得に加わるのです。

「小さい延べ棒に替えるだけのつもりが、こんなに大きな話になるとは」

Aさんは驚き、その場で替えるのをやめました。

分け方は、売る前に家族で話し合う

金の延べ棒は、そのまま相続で引き継ぐこともできます。その場合は、遺産分割の話し合いで、誰が受け取るか、売ったお金をどう分けるかを決める方法があります。

一方、生前に子どもへ渡す場合は、暦年課税なら、贈与税の基礎控除(受け取る人1人あたり年110万円)を超える分に贈与税がかかります。100gの延べ棒でも230万円ほどの価値があるため、注意が必要です。

金の延べ棒を持っている方は、次の点を確認してみてください。

・買ったときの金額が分かる資料があるか

・小さい延べ棒に替える場合の費用と、税金の額

・家族にどのように引き継ぐか

金の延べ棒を家族に引き継ぐときは、替えたり売ったりする前に費用と税金を確かめ、家族で話し合っておくことが大切です。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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