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「まさかそんな…」亡き父の“金地金”を相続した50代娘→440万円で売れて喜ぶが…後日、直面した予想外の負担に“驚愕したワケ”

  • 2026.10.27
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

もし、親から相続した金が高値で売れたら、みなさんはそのお金をどうしますか。すでに相続税を納めていれば、「もう税金の心配はない」と考える方もいるかもしれません。

ところが、相続した金を売って利益が出ると、別の税金がかかる場合があります。売却代金の使い道を決めた後に知れば、思わぬ出費に戸惑うこともあるはずです。

今回は、相続した金地金を440万円で売却し、予想外の税負担に驚いた50代女性のケースをお話しします。

「相続税80万円を払ったのに…」金地金を売却した50代女性

50代の会社員Sさんは、2025年春に亡くなった父から、金地金や預貯金などを相続しました。父は生前、資産を守るために金を購入し、自宅の金庫で保管していました。

相続時には税理士に相談し、Sさん自身が負担する相続税として約80万円を納めています。まとまった出費でしたが、相続の手続きが終わり、ようやく安心していました。その後、金価格の上昇を知ったSさんは、金地金の売却を考え始めます。

ちょうど自宅の水回りが古くなり、修繕業者から約300万円の見積もりを受けていました。まとまった費用が必要だったため、相続した金を工事代に充てようと考えたのです。

買取店で提示された金額は440万円。予想以上の高値だったため、Sさんは売却を決めました。工事費300万円を確保し、残りの140万円は今後の生活費として貯金するつもりでした。

「相続税も払ったし、これでお金の心配はなくなった」

ところが、後日、税理士に相談した際、思いがけない説明を受けます。金地金を440万円で売却したと伝えると、相続税とは別に、売却で得た利益にも税金がかかる可能性があるというのです。

すでに80万円もの相続税を支払ったSさんは、再び税金の負担が生じるとは考えていませんでした。しかも、440万円の使い道は決めています。もし納税が必要になれば、生活費として残す予定だったお金にも影響します。

さらに税理士から、父が金を購入した金額が重要だと聞かされました。しかし、Sさんは購入時期も金額も知りません。記録が見つからなければ、税金の計算で不利になる可能性もあります。

焦ったSさんは、急いで実家に戻り、父が残した書類を探しました。

「440万円すべてに税金が?」購入記録から判明した事実

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

実家の書類から、父が2018年に100万円で金地金を購入した記録が見つかりました。今回の売却額は440万円で、売却にかかった手数料は2万円です。

税金を計算するときは、売却額から父の購入額と手数料を差し引けます。つまり、440万円から100万円と2万円を引いた338万円が、特別控除前の利益になります。

440万円すべてが利益になるわけではないと知り、Sさんは少し安心しました。しかし、338万円という金額を見て、改めて不安になります。

一方、税理士からは、納めた相続税の一部を計算に反映できる制度があるとも聞きました。Sさんは購入記録に加え、相続税の申告書も確認することにしました。

「相続税を払ったのに?」売却時の税金を解説

まず知っておきたいのは、相続税と金を売ったときの税金は別だという点です。

相続税は財産を受け継いだときの税金です。一方、相続した金を売って利益が出た場合は、原則として「譲渡所得」として所得税の計算対象になります。

また、相続した金は、父が購入した金額と保有期間を引き継ぐのが基本です。Sさんの場合、父が2018年に購入しているため、2026年の売却時点で保有期間は5年を超えています。

この場合、ほかに対象となる売却益がなければ、利益338万円から特別控除の50万円を差し引けます。残りの288万円をさらに半分にした144万円が、給与などと合算される所得です。

144万円がそのまま税金になるわけではありません。 実際の税額は給与などによって変わり、翌年の住民税にも影響します。

※この計算は、次に説明する特例を使わない場合です。

相続税の一部を反映できる?FPが伝えたい確認事項

実は、相続税を納めた人が、一定期間内に相続財産を売った場合、税負担を軽くできる制度があります。「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」と呼ばれるものです。

この制度では、一定の条件を満たすと、相続税の一部を購入額に加えて計算できます。その分、税金の対象となる利益を減らせる場合があります。この特例を使うには、相続が始まった日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却する必要があります。

通常は、亡くなった日から約3年10か月が目安ですが、正確な期限は個別に確認しておきたいところです。ただし、Sさんが納めた相続税80万円をすべて差し引けるわけではありません。また、特例を使うには必要書類を添えた確定申告が必要です。

金を売る前に父の購入記録と相続税の申告書を確認してみましょう。購入時期や相続した日も大切な情報です。また、売却代金を生活費などに使う前に、納税に必要な金額を見積もっておきたいところです。

金が高く売れても、その金額をすべて自由に使えるとは限りません。税金を差し引いた後、いくら手元に残るのかまで考えておくことが重要です。


※計算例は、ほかに総合課税の譲渡益がなく、取得費加算の特例を使わない場合を前提としています。実際の税額は所得や特例の適用状況などによって異なります。

執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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