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【福岡市科学館】宇宙を感じて…特別展『石川賢治月光写真展 月光浴 月夜の晩に』

  • 2026.9.25

皆さん、こんにちは。リビングふくおか・北九州Web地域特派員のkurinaです。朝晩の気温が下がり始め、ようやく秋らしさを感じられるようになってきましたね。陽が落ちるのも早くなり、ゆっくりと静かな夜を愉しめるシーズンの到来です。私は、ピンっと張り詰めた冷たい空気のなかで、光がより一層際立ってみえる秋や冬の夜空が好きなのですが、皆さんはいかがですか。目まぐるしく進む時の中で、なかなか夜空をじっくりと眺める機会がないという方もいらっしゃるかもしれませんね。

出典:リビングふくおか・北九州Web

そんな方にこそ是非、ご案内したい今回の特別展。
福岡市科学館3階企画展示室で、9月19日(土)~10月25日(日)開催中の特別展『石川賢治月光写真展 月光浴 月夜の晩に』。

出典:リビングふくおか・北九州Web

同展では、1年に12回しかない満月の下で写真を撮り続ける月光写真家・石川賢治(いしかわけんじ)氏の作品を展示。30年に及ぶ世界4大陸を巡る満月の旅を経て現在、福岡・糸島半島に移り住んだ石川氏。
今回の展示では、糸島を中心とした北海道から沖縄まで、日本の春夏秋冬を舞台とした月夜の情景が綴られた、最新作を愉しむことができます。

■月光写真家・石川 賢治氏
1945年福岡市大濠生まれ。'67年日本大学芸術学部写真学科卒業。ライトパブリシティ入社。'76年よりフリーランス・フォトグラファーとして活動を始め、コマーシャルを数多く手掛ける。'84年秋より月光写真に取り組み、初の写真集『月光浴』('90年小学館)が一大センセーショナルを巻き起こす。以後、月光写真家として世界各地を巡り作品を撮り続け、数多くの写真集の出版や写真展を各地で開催している。2002年 福岡県文化賞受賞。
2016年福岡県の糸島半島に移住。新たな月光写真の創作に挑む。(福岡市科学館公式HPより)

月光写真

展示室には、白く輝く月光が作り出した青藍色の夜が広がり、草花や虫、木々や山々、あらゆる自然が静かに息づく声が、今にも聞こえてきそうです。そんな月夜の一瞬一瞬が納められた数々の月光写真。
コマーシャルカメラマンであった石川氏が、どうして月光写真を撮影するに至ったのか。月光写真を撮影するきっかけについてお尋ねしてみました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

「当時コマーシャルカメラマンとして、ハワイ4島で撮影の仕事があったのですが、最初のカウアイ島での撮影後、寝る前にホテルの裏にある海を散歩しようと出かけたんです。懐中電灯なんて持っていなかったんですが、ちょうど満月の頃で、原っぱの獣道を月光に照らされながら歩いていると真っ暗な林にぶつかってしまい、どうしようかと思っていたのですが、海の音、波の音が聞こえてきたのでそれを目安に歩き進めると、林を抜けて真っ白な砂浜に出たんです。それで波打ち際に座って、夜の満月に照らされた風景を見ていたんですけど、海と水平線と、いくつか形のいい雲が浮かんでいて、星も見えて、明るいなぁと思って見ていたんです。

すると目の前を右から左に一羽の鳥が横切って。その時ハッとして、インスピレーションをもらったというか、もしかして”これ写真に写るんじゃないか”と。当時、月光写真というのは存在していなかったんですけど、これだけ明るいので写るんじゃないかと思って、それがきっかけで始めたんですよ」と石川氏。

出典:リビングふくおか・北九州Web

「もし鳥が横切っていなければ、月光写真を撮ろうと思わなかったかもしれない」とも仰っていたので、すごい確率の偶然に、カウアイ島という場所も相まって、神秘を感じました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

作品の中の満月が想像以上に輝いていたので、”あんなに、明るいんですか?”と思わずお尋ねしたところ、
「満月というのは太陽光の465,000分の1で、光を集めて長時間露光をするんですけれど、半月になると12分の1に落ちるので、満月の頃じゃないとダメなんです」

満月の時期に撮影されているのは、その辺りが理由だったりするのですか?という問いかけに、
「満月近辺じゃないと厳しいですね。なんとか今はデジタルなんかで写るんですけどちょっとコントラストが悪かったりしますね。それを長時間露光するとノイズが出ちゃうんで、やっぱり今撮影するのは、満月の頃ですね」

お話を伺っていくと、太陽光に比べてとても弱い光量の月光で撮影するならば、満月前後の3日間が一番のようです。

※シャッターを開けて光を取り込むことを、カメラ用語では「露光」といい、露光時間が長ければ、それだけ多くの光が取り込まれるそうです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

作品の中の月光はあまりにも力強く、凛として輝いているので、太陽光の465,000分の1の光量であることを忘れてしまいそうになりました。

宇宙感覚

特別展では、植物や昆虫たちの目線から見つめた満月の写真も多く展示されています。いつもは上から眺めている植物や昆虫たちを、下から仰ぎみるかたち。虫たちの目線から眺める月や夜空がどんどん拡大して見えるのは、その目線の高さのせいでしょうか。とても不思議な感覚に陥ります。

出典:リビングふくおか・北九州Web

糸島に移住して10年になるという石川氏は、毎日昼間の周辺散策を欠かしません。山に行ったり、原っぱに行ったり、海に行ったりして、四季折々の風景や虫たちの営みを観察しながら、「今回はここで撮影しよう」と撮影スポットを決定されているのだそうです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

「草とか昆虫の目線ですね。下から空を見上げて星々があるということで、地上と宇宙がひと繋がりという”宇宙感覚”を表現したいと、糸島でずっと撮ってきました。それをまとめたのが今回の、”月夜の晩に”というテーマなんです。あと北海道から沖縄までの色々な風景を撮影して、まとめております」と語る石川氏。

出典:リビングふくおか・北九州Web

写真を撮影し始めた1984年から30年間にわたり様々な国で出会った、例えば5300メートル級のチョモランマとか、8000メートル級の山並み撮影では、高山ならではの息切れや、マイナス20度の世界などの体験を通して「宇宙に近くきたな」という宇宙感覚を覚えたそうです。オーストラリアの砂漠でくっきりと見えた天の川。そういう宇宙に近い世界、地上の宇宙実感を体感してきた中で、”宇宙感覚”は、石川氏の作品のテーマになっていったそうです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

「植物の葉っぱ一本でも後ろに満点の星があれば、地上において宇宙を実感できるのでは。実際に宇宙に行ったわけではないけれど、地上にいて宇宙感覚を感じるのでは」ということで、糸島で撮影されてきた写真たち。
作品を鑑賞していると自分もまた、宇宙のなかにある、ただひとつの存在なのだと改めて感じさせられます。

自由な感覚で

展示室内には、自然音とも人工音とも思える不思議な音が流れていました。月光写真の中で流れるその音はとても静かで、まるで心が浄化されていくかのよう。この音を手掛けたのは、今回の特別展のサウンド・プロデュースを担当した、中田悟(なかださとる)氏。世界中のロケに同行し、石川氏の撮影の隣で録音された満月の夜の自然音が使われています。
中田氏は、パーカッショニストとして活躍。自然音と打楽器等を組み合わせた独自の表現方法を生み出し、幅広いフィールドで活躍してきた日本の自然音録音の第一人者です。

石川氏によると、自然音は主に満月の夜に録音されたものだそうで、「湿度がある夜の方が音がクリアに響いてくる」と、中田氏は仰っていたそうです。
月光写真と、その間を流れる音が織りなす地上で感じる宇宙の世界。

出典:リビングふくおか・北九州Web

月光写真家・石川 賢治氏

来場者の方にどういう体感をしていただきたいかをお尋ねしたところ、
「宇宙感覚を体感して欲しいというのはありますけど、体感する側が好きに感じて、好きな写真にまた戻って見る。自由な感覚で見て欲しいです」と語る石川氏。

出典:リビングふくおか・北九州Web

私は、真っ直ぐに立つ一本の木の上に輝く満月の写真が好きになり、じっくりと鑑賞してきましたが、皆さんならいかがでしょう。ちなみに、ご案内くださった科学館の方は、コスモスの花びらが月光に照らし出されている写真がお好きだそうです。

ゆったりとした気分で月光浴を愉しめる今回の特別展『石川賢治月光写真展 月光浴 月夜の晩に』。
皆さんもぜひ、地上にいながら宇宙を感じてみませんか。

特別展『石川賢治月光写真展 月光浴 月夜の晩に』 
■期間:2026年9月19日(土)~10月25日(日)
休館日:9月24日(木)、29日(火)、10月6日(火)、13日(火)、20日(火)
■開催時間:9:30~18:00(入場は17:30まで)
■場所:3階企画展示室 
■料金:一般(高校生以上)1,200(1,000)円、小・中学生 500(300)円、未就学児無料
※( )は団体(有料入場者30名以上)料金。
※次の方は、無料で入場いただけますが、3階総合案内/チケットカウンターでチケットの発券が必要です。
身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳の提示者本人と介護者1人(コピー可、ミライロID可)、および特定医療費(指定難病)受給者証・特定疾患医療受給者証・先天性血液凝固因子障害等医療受給者証・小児慢性特定疾病医療受給者証の提示者本人(コピー可)。
■販売方法:当日、福岡市科学館3階総合案内/チケットカウンターでご購入ください。
■主催:福岡市科学館
■協力:小学館、富士フイルムイメージングシステムズ
■機材協力:キヤノンマーケティングジャパン

『ギャラリートーク& サイン会開催』
<ギャラリートーク>
月光写真家・石川賢治と一緒に順路に沿って冬→春→夏→秋と作品を巡りながら、撮影にまつわるエピソードなどをお聞きいただけます。※ギャラリートークのご参加には、当日の本展入場券が必要です。(当日のみ再入場可)
【日程】2026年9月27日(日)、10月9日(金)、10月21日(水) 各日14:00~
【場所】3階企画展示室 
【対象】どなたでも
【定員】なし
【料金】無料※ただし特別展入場料が必要
【参加方法】当日自由参加。当日会場へ直接お越しください。
<サイン会>
六本松 蔦屋書店内、「石川賢治 月光浴フェア」で写真集、DVD、額装プリントをお買い上げ頂いた方に参加券を配布いたします。
※「石川賢治 月光浴フェア」は9月19日(土)より開催いたします。
※参加券はサイン会当日以外の日でもご購入時にお受け取り頂けます。
※各日先着50名様、お一人様1点までサイン可
【日程】2026年9月27日(日)、10月9日(金)、10月21日(水) 各日15:00~
【場所】六本松 蔦屋書店 ※福岡市科学館と同じビルの2 階
【定員】各日先着50名様
【お問い合わせ】092-731-7760(六本松 蔦屋書店)

※記事に掲載した内容は公開日時点または取材時の情報です。変更される場合がありますので、お出かけの際は公式サイト等で最新情報の確認をしてください

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