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BTSやBLACKPINKに続くK-POPの快挙なのに…“歌ったメンバーがもう誰もいない曲”が10億回再生を達成

  • 2026.9.25

K-POP史に、またひとつ大きな数字が刻まれた。

ガールズグループFIFTY FIFTY(フィフティフィフティ)の代表曲『Cupid(Twin Version)』が、Spotifyで累計10億回再生を突破した。

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所属事務所ATTRAKTによると、9月23日時点で再生数は10億2524万1452回に達したという。

K-POPグループとしてSpotify10億回再生を達成したのは、BTS、BLACKPINK、HUNTR/Xに続いて4組目。海外アーティスト主導のフィーチャリング曲を除くと、K-POPで10億回を超えた楽曲は19曲にとどまるという。

2023年2月にリリースされた『Cupid』は、米ビルボード「HOT100」に25週連続でチャートインし、英国オフィシャルチャートにも22週連続で登場。TikTokでも世界的な人気を集めた。

本来なら、“中小芸能事務所の奇跡”がついに10億回まで到達した、という祝福一色のニュースになってもおかしくない。

ただ、FIFTY FIFTYの場合は少し事情が違う。

10億回を生んだ歌声は、現在のグループにはない
2023年4月当時のFIFTY FIFTY
(写真提供=OSEN)2023年4月当時のFIFTY FIFTY。左からシオ、セナ、アラン、キナ

なぜなら『Cupid』当時の4人組は、もう同じ形では存在していないからだ。しかも、今回10億回を突破した『Cupid(Twin Version)』を歌ったのはアランとシオだった。

『Cupid』が世界的ヒットのさなかにあった2023年6月、キナ、セナ、シオ、アランの4人全員が所属事務所ATTRAKTを相手取り、専属契約効力停止の仮処分を申請した。

メンバー側は、精算資料の提供義務や健康管理義務などを事務所側が十分に果たしていないと主張したが、裁判所は申請を棄却。その後、キナだけが控訴を取り下げてATTRAKTへ戻り、セナ、シオ、アランの3人はグループを離れた。

現在のFIFTY FIFTYは、キナにムン・シャネル、イェウォン、ハナ、アテナの4人を加えた5人体制で活動している。

つまり、今回のSpotify10億回という記録は「FIFTY FIFTY」という名前に刻まれる。しかし、10億回を突破した『Cupid(Twin Version)』を歌ったアランとシオは、現在どちらもグループを離れている。

ここに、この快挙の複雑さがある。

2023年当時、『Cupid』のヒットは異例だった。デビューから間もない中小事務所発のガールズグループが、米ビルボード「HOT100」に入り、25週も残った。FIFTY FIFTYは一躍、“中小芸能事務所の奇跡”と呼ばれる存在になった。

本来なら、その大ヒットを足場に次の作品、海外活動、ツアーへと進んでいくはずだった。

“中小事務所の奇跡”は最大の転機に

しかしFIFTY FIFTYの場合、その直後に契約紛争が発生し、グループは事実上分裂した。

FIFTY FIFTY
(写真提供=ATTRAKT)FIFTY FIFTY

世界的ヒットは、グループをさらに上へ押し上げる好材料になるはずだった。ところが、その直後に契約紛争が起き、その後は制作や権利をめぐる争いにも発展していった。

『Cupid』はグループを世界に押し上げた曲であると同時に、FIFTY FIFTYの運命を大きく変えた曲にもなったといえるだろう。

現在のFIFTY FIFTYは、新しい5人体制で活動を続けている。

9月にはファンとともに2周年を祝い、メンバーたちは今後の目標として音楽番組1位やワールドツアーを挙げた。各種イベントにも出演し、新体制として着実に歩みを進めている。

現在のFIFTY FIFTY
(写真提供=OSEN)現在のFIFTY FIFTY

一方、グループを離れたセナ、シオ、アランは、MASSIVE E&Cで3人組「ablume」を結成し、再デビューした。

その後、3人について大きな動向が伝えられる機会は多くなかったが、9月21日、久しぶりに彼女たちに関する大きなニュースが出た。

ATTRAKTが元メンバー3人、その両親、制作会社The Givers関係者ら計12人を相手に起こした130億ウォン(約15億円)規模の損害賠償請求訴訟で、11月13日に一審判決が言い渡される予定だと報じられたのだ。

この訴訟は2023年12月に提起されており、判決までは実に1061日。1000日を超える長期戦となる。元メンバー3人側もATTRAKTを相手に反訴を提起しており、法廷での争いは今も続いている。

ablume
(写真提供=MASSIVE E&C)ablume

つまり、『Cupid』はリリースから3年半余りが過ぎた今も世界中で再生され続けているが、その曲を歌った当時のメンバーたちはすでに別々の道を歩み、法的な争いもまだ終わっていない。

これはいったい“誰の10億回”なのか

Spotify上では当然、「FIFTY FIFTYの『Cupid』」が10億回を突破した。

ATTRAKTのチョン・ホンジュン代表も「胸がいっぱいになる」と喜びを表し、世界中のファンへの感謝を伝えている。現在のFIFTY FIFTYにとっても、グループ名に刻まれた大きな実績であることは間違いない。

ただ、今回10億回を突破した『Cupid(Twin Version)』を歌ったアランとシオは、現在どちらもFIFTY FIFTYにはいない。

その意味で、この10億回は少し特殊だ。FIFTY FIFTYという名前に残る記録でありながら、その10億回を生んだ歌声は現在のグループにはない。

『Cupid』という一曲だけが、グループが分裂する前の時間をそのまま閉じ込めたように、いまも数字を伸ばし続けている。

10億回を突破
(写真提供=ATTRAKT)

K-POP史上4組目となるSpotify10億回再生は、間違いなく大きな快挙だ。だからこそ、少し複雑でもある。

もし、あの4人がそのままFIFTY FIFTYとして活動を続けていたら、この10億回をどんな形で迎えていたのだろうか。その答えを知ることはもうできない。

現在のFIFTY FIFTYは新しいメンバーと前へ進み、離れた3人も別の道を歩いている。それでも『Cupid(Twin Version)』だけは、アランとシオの歌声のまま世界中で再生され続けている。

記録は更新されても、その記録を作った時間まで作り直すことはできない。

FIFTY FIFTYの10億回は、K-POP史に残る快挙であると同時に、このグループがたどった異例の3年余りまで映し出す数字になった。

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