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薬局で「薬はいりません。欲しいのは」患者の謎の発言。その『まさかの真相』は

  • 2026.9.3

病気を治すために薬を飲む。当たり前のことだと思っていましたが、違った考え方をする患者さんもいるようです。今回は薬剤師の私が出会った、薬局へ来たけど薬が要らないと言い張る患者さんの話です。

薬は要らないと言う患者

私が働く薬局に、2週間ごとに来る男性患者の佐藤さん(仮名・40代)。ここ数か月ずっとメンタル不調を落ち着かせる薬を服用しています。

その日、佐藤さんはそわそわしながら処方箋を出しました。そして受付の職員に向かい「今回は、薬はいりません。薬の説明書と手帳のシールだけください。お金は払うので」と言い始めました。

理由を尋ねると

私がすぐに駆け寄り理由を尋ねると、佐藤さんは「職場で仮病を疑われているんです。病気だから仕事内容を配慮してほしいと伝えたが、相手にしてもらえないんだ」と答えます。続けて「彼女にも病気は嘘なんじゃないかと疑われていて、つらいんです」とうつむきながら言うのです。

私が「薬をお渡ししないと、薬を飲んで病気の治療ができないですよ」と言うと、佐藤さんは少しムッとしながら反論してきました。「薬関係の書類があれば、病気だから治療しているって証明できますよね。薬の本体はかさばるから要りません。でも飲んでいる証拠が欲しいんです」

何のための薬なのか

私は何となく嫌な予感がして「もしかして、今までお渡しした薬も飲んでいませんでしたか」と尋ねました。すると佐藤さんは「1回も飲んでないです。だって副作用が怖いし」と悪びれずに答えたのです。

それを聞いた私は驚きながらも、冷静にお伝えしました。「確かに薬は、病気だから飲むんです。でも病気の証明として使うのではなく、あなたの症状をよくするために使われるものです」

目的と手段を取り違えないで

そして私は「薬の副作用など気になることは、気軽に相談してくださいね」と伝え、経緯を病院へ報告。家に残っている薬から飲んでもらうことになりました。

その後、佐藤さんは病院で診断書を書いてもらい、職場へ提出。やっと病気を理解してもらい、仕事に行きながら治療を続けているようです。

佐藤さんは、薬を飲むことの目的と手段が逆転していました。みんな様々な事情を抱えているため、個人に合わせた寄り添い方が必要だと気付かされた出来事でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:伊村 えりか
薬剤師歴12年。就業を通じて多くの人生や、悩み、奇跡などに直面し、それらを伝えるべく執筆活動を開始。職場や同世代の女性との会話をもとに、医療現場の裏側から家族の「あるある」まで、多岐にわたるテーマで執筆を手がける。子育て
サイトのアンバサダーを務め、身近な視点を活かしたコラムを執筆中。

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