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旅行先で“転倒”し救急車を呼んだ夫婦「家に近い病院に行ってくれませんか?」→無茶な願いに…救急隊が取った対応とは?

  • 2026.9.27
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。ライターのとしです。

旅行先で突然けがをした場合、治療のことだけでなく「このあと、どうやって自宅へ帰ればいいのか」と不安になることもあると思います。

今回は、大型連休中の旅行先で転倒した70代男性から、搬送先についてある希望を伝えられた事案をご紹介します。

旅行先で転倒した70代男性

大型連休中、70代男性が旅行先で転倒し、妻から救急要請が入りました。

現場へ到着すると、男性は太ももの付け根付近に強い痛みを訴えていました。

自分で立ち上がって歩くことも難しい状態です。

救急隊は、どのように転倒したのか、どこを打ったのかなどを確認しながら、痛みのある場所や足の状態などを観察しました。

痛みの部位や転倒した状況から、骨折している可能性も考えながら搬送の準備を進めました。

その後、医療機関への搬送について男性と妻に説明していると、夫婦からある希望を伝えられました。

「自宅近くの病院へ行けませんか」

男性と妻は旅行先に来ており、自宅まではかなり距離がありました。

そこで、

「できれば自宅に近い病院へ連れて行ってもらえませんか」

と希望されました。

夫婦からすれば当然の不安だったと思います。

旅行先の病院で診察や治療を受けることになれば、その後どのように自宅へ戻ればいいのか。

さらに通院が必要になれば、遠く離れた医療機関へ再び来なければならない可能性もあります。

できることなら、最初から自宅近くの医療機関へ行きたいと考えるのも無理はありません。

しかし救急車は、傷病者を希望する場所まで長距離移動させるための車ではありません。

基本的には、傷病者の状態に対応できる医療機関への搬送を優先して考える必要があります。

まずは治療を優先することに

男性は自力で歩くことが難しく、骨折も疑われる状態でした。
そのため、まずは現在地から搬送可能で、男性のけがに対応できる医療機関で診察を受けることが大切だと説明しました。

男性と妻にも救急車の役割や搬送について伝え、旅行先から対応可能な医療機関へ向かうことを了承してもらいました。

ただ、そこで新たに出てくるのが、

「治療が終わったあと、どうやって自宅へ帰るのか」

という問題です。

夫婦もその点をかなり心配していました。

そこで、私たちが分かる範囲で、治療後の移動方法についても話をしました。

搬送後に自宅へ戻る方法は

診察や治療後の状態によっては、家族や知人に自家用車で迎えに来てもらう方法もあります。

座った状態で移動できるのであれば、状況によってはタクシーなどを利用できる場合もあるでしょう。

一方で、今回のように太ももの付け根付近を負傷し、通常の移動が難しい場合には、民間救急などを利用する方法もあることを伝えました。

ただし、民間救急は救急車とは違い有料です。

特に旅行先から自宅まで距離がある場合には、料金が高額になる可能性もあります。

最終的にどの方法で帰宅するのかについては、男性の診断や治療後の状態を確認したうえで、家族と医療機関側で相談してもらうことになりました。

その後、男性を受け入れ可能な医療機関へ搬送しました。

搬送中に大きな容態変化はなく、無事に医師へ引き継ぐことができました。

旅行先で大きなけがをすると、治療だけでなく、その後の帰宅や通院まで考えなければならないことがあります。

自宅近くまで搬送してほしいという希望があっても、まず優先されるのは傷病者が必要な治療を受けられる医療機関へつなぐことです。

そのうえで、その後の移動方法を一つずつ考えていくことが大切だと感じた事案でした。


ライター:とし

元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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