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乗客に“舌打ち”された後輩CA「何か失礼なことをしたのでしょうか」→別のCAが尋ねると?予期せぬ理由に「理不尽は許されない」

  • 2026.10.9
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

皆さま、こんにちは。大手航空会社で10年間、CAとして勤務しておりましたSAKURAです。

CAとして日々何百人というお客様と接していると、時に知人や旧友と再会することがあります。

接客業をされている方であれば、同様の経験をお持ちではないでしょうか。

それは心温まる瞬間でもありますが、その一方で「人違いだった」ということも、時としてあるものです。

今回は、そんな勘違いが、思いがけないトラブルに発展した出来事をご紹介します。

上空で突然始まった、CAに対する冷淡な対応。

その裏に隠されていた理由は、私たちにとって驚くべきものでした。

突如として始まった、理不尽な態度

それは、ある国内線での出来事でした。

ドリンクサービス中、ある男性のお客様・A様に、後輩CAのB子がお飲み物のご希望を伺ったときのことです。

「コーヒー!」

A様が突然声を荒らげました。

反対側の通路にいた私の耳にも届くほどの大声に、周囲には一瞬で不穏な空気が漂います。

視線すら合わせないA様は、その後も、何故かB子にだけ露骨な態度を取り続けました。

「私、何か失礼なことをしてしまったのでしょうか……」

B子はキッチンで、不安そうに声を震わせます。

私たちから見ても思い当たる節がなく、理由のわからない状況に、B子は落ち込んでしまいました。

「旧姓は○○か?」思いもよらない言葉と予期せぬ真相

事あるごとに舌打ちすらされてしまうB子。

万が一こちらの気づかない失礼があったのならと、先輩である私は、A様の元へ行き事情を伺うことにしました。

丁寧に挨拶をした後、「私どもの対応に、何か行き届かない点がございましたでしょうか」と、単刀直入に伺ったのです。

A様は一瞬驚くと、少し視線を落とし、こう呟きました。

「いや……あのCAって、旧姓は○○か?」

A様の口から飛び出したのは、思いもよらない言葉でした。

確かにB子は結婚していますが、旧姓は別の苗字です。

予期せぬプライベートな問いかけに、私は「何か個人的な理由でもあるのだろうか」と、さまざまな想像を巡らせました。

そしてA様は、続けるようにこうおっしゃったのです。

「昔、自分が嫌な思いをさせられた人物だと思うんだ」

プライベートに関わる問題である以上、B子本人に確認する必要があるため、一度その場を離れB子の元へ戻りました。

大切な仲間を守ること

B子に確認すると、やはりA様の思い込みによる「人違い」でした。

B子と共にA様の元へ戻り、旧姓も異なる完全な「別人」であることを、私は丁寧にお伝えしました。

するとA様はB子に一瞬目をやり、別人であることに気づいたのか、黙り込んでしまいました。

落ち度がなかったことに安堵したB子でしたが、過去の出来事に囚われてしまうのは人間の性とはいえ、理不尽な行動が許されるわけではありません。

私は、A様のご事情を察しながらも、B子が感じたことを、その場でお伝えすることにしました。

「お客様だから、理不尽な行動もすべて許される」わけではないからです。

A様も勘違いに気づき、素直に謝罪の言葉を口にしてくださいました。

誤解から生じたトラブルでしたが、対話によって解決できたことに少し救われる思いでした。

理不尽な行動への「毅然とした姿勢」

真摯な『おもてなし』を追求することは大切ですが、事実に基づいた冷静な対話を持つ毅然とした姿勢もまた重要です。

それは自分や仲間を守るだけでなく、今回のように誤解を解き、お互いを理解し合うための架け橋にもなるのだと感じています。


ライター:SAKURA * 心を読む元国際線CA

日系大手航空会社にて10年間、客室乗務員(CA)として勤務。国内線・国際線を経験し、多種多様なお客様と接する中で「感情を読み解く力」を磨く。客室責任者としてVIP対応や後輩育成に携わる傍ら、社内の人材教育やグループ会社での業務にも携わり、多角的な視点から接客のあり方を見つめてきた。

現在は、その鋭い洞察力を活かし、言葉だけでない、「心理的・物理的アプローチによるクレーム回避術」を発信するライターとして活動中。国内線での細やかな気配りから国際線での難しい状況判断まで、現場での実体験に基づいた「心に届く接客のヒント」を言語化し、接客業にとどまらず、人と人とがよりよい関係を築けるサポートをしている。


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