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宅配員「恐怖を感じた」夜の配達中…切羽詰まった顔でトラックの後ろを追いかけてくる自転車→予想外の目的に、思わず安堵したワケ

  • 2026.9.25
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

皆さんこんにちは、元宅配員のmiakoです。

見ず知らずの人に追いかけられたら、皆さんはどう感じますか。恐怖を覚える方がほとんどだと思います。
しかし、その追いかけっこの先に、実は思いがけない理由が隠れていたことがありました。

今日は、そんな不思議な体験についてお話ししたいと思います。

保管期限ぎりぎりの代金引換便

ある日、私が担当する荷物の中に、何度もお届けに伺いながら持ち戻りが続いている、代金引換の荷物がありました。

この日は普段とは違う夜間配達のコースを受け持つことになっており、なじみのないお客様ばかりで普段とは違う緊張が募っていました。担当する荷物を確認していると、その中に気になる荷物を見つけました。

受取人の名前はアルファベットで書かれており、外国人の方と思われるお名前です。
時間指定は19時以降。しかし連日不在が続いているようで、伝票の裏には配達記録のシールがぎっしりと貼られていました。

確認すると、最初にお届けしてから今日で7日目。今日届けられなければ、このお荷物は差出人へ返送しなければならないというルールの荷物でした。

通常の常温の荷物であれば保管期限にはもう少し猶予がありますが、代金引換はシステム上、これ以上保管ができないとのことでした。

今日こそ無事に配達できるようにと願いながら、荷物をトラックへ積み込みました。

電話がつながらないお客様

代金引換便がある場合、お客様の家に伺う前にお電話をするというルールがあります。これはお客様のご都合を確認するためと、代金を準備していただくためという、ふたつの意味がありました。

しかし、電話に出られない方も少なくありません。

本当に忙しくて出られない方、マナーモードで気づかない方もいれば、詐欺電話ではないかと警戒して出ないようにしているという方もいるようです。また、日本語での会話に慣れておらず、電話に出られないという外国人の方もいらっしゃいました。

19時を過ぎたころ、この日届けられなければ返品となるお客様のお宅へ向かう前に、お電話をしました。

時刻は19時15分。しかし、電話はつながりませんでした。

不在票を残して次の配達へ

電話がつながらなかったからといって、必ずしも不在とは限りません。そう思い、直接お客様のお宅へ向かいました。

そのお客様のお宅は、2階建てのアパートの1階にありました。外が暗くなる中、部屋の明かりは見えません。不在の可能性が濃くなりました。

もしかしたら、まだ帰宅されていないのかもしれない。
一戸建てであれば車の有無などで在宅かどうかを判断することもありますが、アパートなどの集合住宅ではその判断が難しくなります。

2回ほどチャイムを鳴らし、声をかけながら少し待ちましたが、部屋の明かりが点くことはなく、静まり返ったままでした。
仕方なく不在票に「本日、保管期限の最終日のため返品いたします。ご了承ください」と書き、投函しました。

その後、まだ残っていたお客様のお宅へ配達に向かいました。

突然近づいてきた自転車

20時を過ぎたころのことでした。

残り3軒ほどとなり、次のお客様のお宅へ向かっていたときです。信号のない交差点で一時停止をし、周囲の安全を確認してから右折しようとした、その時でした。

右側後方の路地から、サッと何かが飛び出す影が見え、慌ててブレーキを踏みました。

幸い、動き出したばかりの瞬間だったため、すぐに止まることができましたが、肝が冷える思いがしました。

影の正体は、自転車に乗った人でした。私の進行方向と同じように道路を渡り、右折しているところだったのです。

この交差点には横断歩道がなく、少し離れた位置に横断歩道があります。夜の20時を過ぎ、交通量が減る時間帯だったからか、横断歩道を使わずに渡っても問題ないと思われたのかもしれません。

一時停止の標識がある交差点で、一時停止をしないまま進路を横切るように通行されたことに、少し恐怖を感じました。

なぜかこちらを見ながら走る男性

私も改めて安全確認をしたのち、右折して本来のルートに戻りました。

先ほどの自転車の人は、歩道を必死に走りながら、こちらを何度もチラチラと見てきます。
こちらからもちらっと確認すると、彫りの深い顔立ちが印象的な男性でした。

しかし、停まる理由も声をかける理由もなく、そのままゆっくりと自転車を追い越し、次の配達先へ向かいました。

次の家は、少し先の交差点を斜めに右へ曲がった先にあります。
交差点を右折し、家の近くの路上脇に車を停めて荷物を持って降りた、そのときでした。

ふと後方に気配を感じて振り返ると、先ほどの自転車に乗った男性が、こちらに向かって走ってきたのです。

車の中に避難するべきだろうかと身構え、スマホを手にしました。
辺りは暗く静まり返っています。

正直、恐怖で心臓がバクバクと高鳴っていました。

その自転車は私の近くまで来ると減速し、降りて引きながら近づいてきました。
緊張が一気に高まりました。

追いかけてきた本当の理由

「ア、スミマセン…!」

男性から声をかけられました。

「ワタシ、ノ、ニモツ、アリ、マス、カ?」

その言葉に、それまでの緊張が一気にほどけていくのを感じました。

男性は片言の日本語で、ゆっくりと話しながら、背負っていたリュックを降ろすと、中から不在票を取り出しました。
それは私が先ほど投函したものではなく、前日に別の担当者が投函したものでした。

それを見た瞬間、すべてが分かりました。

不在が続いていた、あのお客様だった

この男性は、19時過ぎに伺い、この後返品するはずだった、あの代引きのお客様だったのです。

よく見ると作業着姿だったので、ちょうど仕事帰りだったのかもしれません。

このまま帰宅して再配達の連絡をしても、荷物は返品となってしまうところでした。おそらく偶然、私のトラックを見かけて、荷物を受け取らなければと必死に追いかけてくださったのだと思います。

「あ、はい、少々お待ちください。お名前にお間違いはないですか」

私がゆっくり日本語で話しかけると、頷いてくれます。不在票をお持ちだったので、ご本人確認もスムーズに済みました。
お客様は代金を支払い、伝票にサインをすると、返品するはずだった荷物を受け取り、自転車のカゴに入れて帰っていかれました。

そんな姿を見送り、私は本来届けるはずだったお宅へと荷物を運びました。

あのお客様と遭遇した道は、私だけでなく他のコースの宅配員も使う道です。
私とお客様に面識はなく、その日が初めての配達でした。

そんな偶然が重なるタイミングで、お客様はご自身の荷物を積んだトラックだと知ってか知らずか追いかけてくださったことになります。

もし違う宅配員の車であれば、対処も変わっていたはずですが、偶然が重なり、無事にお届けできたことをとても嬉しく感じた出来事でした。

一方で、理由も分からないまま、夜という時間帯に切羽詰まった表情で追いかけられることには、少し怖さを感じた出来事でもありました。

受け取りやすい環境づくりについて

配達の時間には、どうしても限りがあります。

もし可能であれば、職場や信頼できる代理人など、ご本人以外の受け取り方法を検討しておくと、仕事が遅くなってしまった日でも安心につながるという方もいるようです。

周囲と協力しながら荷物を受け取れる環境が整っていくことで、送る側、受け取る側、そして届ける側、それぞれが安心して過ごせるようになるのではないでしょうか。

これからも、荷物を待つ方と届ける私たち宅配員との間に、こうした小さな思いやりが重なっていく未来であってほしいと願っています。



ライター:miako
宅配ドライバーとして10年以上勤務した経験を生かし、現場で出会った人々の温かさや、働く中で積み重ねてきた"宅配のリアル"を、経験者ならではの視点で綴っています。
荷物と一緒に交わされてきた小さなエピソードを、今は文章としてお届けしています。


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