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「仕事を続けられない…」母の介護で退職しようとした50代女性→FPに相談したところ…退職届を出す前に知った“意外な制度”

  • 2026.9.28
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

親の介護が始まり、仕事を休む日が増えると、「もう退職するしかない」と考えてしまう人もいるかもしれません。

しかし、急いで会社を辞めてしまうと、毎月の給与がなくなるだけでなく、働き続ける人向けの制度を利用できなくなる場合があります。

一定の条件を満たせば、家族の介護のために仕事を休める「介護休業」を利用でき、休業中には「介護休業給付金」を受け取れる場合もあります。「介護で休んだら収入はゼロ」と思っていた54歳のWさんも、退職を決める前に制度を知ったことで、別の選択肢が見えてきました。

「このままでは仕事を続けられない」介護が始まった54歳女性

54歳女性のWさんは、正社員として働く会社員です。給与は税金や社会保険料が引かれる前で月約30万円。夫と2人で暮らしていました。

これまで1人で暮らしていた82歳の母親が体調を崩し、約3週間入院します。退院後は歩行や食事などで介助が必要となり、2週間以上にわたって常時介護を必要とする状態になりました。

Wさんが通院の付き添いや買い物、食事の準備などを担うようになり、それまでの生活は大きく変わります。当初は「しばらく有給休暇を使えば乗り切れる」と考えていました。

しかし、平日の通院や急な呼び出しが重なり、退院後の1か月だけで有給休暇を5日ほど使うことに。母親の家に寄ってから出勤し、仕事のあとに再び様子を見に行く日も増えました。

「この状態が何か月も続いたら、有給休暇だけでは足りない。もう仕事を辞めるしかないのでは」Wさんは、退職を現実的に考え始めました。

退職すれば「毎月30万円」がなくなる

ただ、仕事を辞めれば介護に使える時間は増えても、今度は家計の問題が出てきます。

Wさんの給与は月約30万円。夫にも収入はありますが、住宅費や食費、光熱費などを合わせた生活費は月約22万円です。

さらに、母親の通院にかかる交通費や日用品などで、介護が始まってから月1万~2万円ほど支出が増える月もありました。介護で出費が増えているなか、自分の月約30万円の給与収入までなくなることになります。

「母のためには辞めた方がいい。でも、収入がなくなったら家計はどうなるのか」

Wさんは退職を決めきれず、まず会社員が使える制度についてFPに相談しました。

そこで知ったのが、「介護休業」と「介護休業給付金」です。Wさんは「長く仕事を休めば収入もなくなる」と考えていました。しかし、一定期間仕事を休める制度があり、条件を満たせば休業中にも給付を受け取れる可能性があります。

退職を決める前に制度を知ったことで、「辞める」以外の方法も考えられるようになりました。

介護休業は合計93日、月収30万円なら給付は月約20万円が目安

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

介護休業は、介護が必要な家族のために仕事を休める制度です。

対象となる家族1人につき、合計93日まで。3回まで分けて取得できます。

たとえば最初に30日休み、その間に介護サービスや家族の役割分担を整え、いったん職場へ戻ります。その後、再び必要になったときに残りの日数を使う方法もあります。

さらに、雇用保険の条件を満たしていれば、「介護休業給付金」を受け取れる場合があります。

給付額は原則として、「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で計算されます。休業開始時賃金日額は、原則として介護休業を始める前6か月間の賃金をもとに決まります。

厚生労働省が示す目安では、休業前6か月間の賃金が月平均30万円程度で、休業中に会社から給与が支払われない場合、1か月の給付額は約20万1,000円です。

Wさんも同じ条件なら、月約20万円が一つの目安になります。退職して給与収入がなくなる場合と、休業しながら給付を受けられる場合では、家計への影響は大きく変わります。

※なお、給付額には上限があります。また、休業中に会社から給与が支払われる場合は、給付額が減ったり、支給されなかったりする場合があります。

先に退職すると、給付を受けられない

ここで注意したいのが、退職するタイミングです。

「先に会社を辞めて介護に専念し、あとから給付を申請すればいい」と考える人もいるかもしれません。

しかし、介護休業給付は、介護休業を取ったあとも働き続ける人を支える制度です。介護休業を始める時点ですでに退職する予定であれば、給付の対象にはなりません。

つまり、先に退職してしまうと、介護休業や給付を利用するという選択肢を失う場合があります。だからこそ、まず退職を決めるのではなく、その前に利用できる制度を確認することが重要です。

「退職を決める前」に数字を見る

介護が始まると、「仕事を辞めれば何とかなる」と考えてしまう場合があります。

ただ、Wさんの場合、退職すれば月約30万円の給与収入がなくなります。一方、条件を満たして介護休業を利用すれば、月約20万円の給付を受けられるケースがあります。

生活費が月約22万円なら、この違いは家計にとって小さくありません。ただし、介護休業には、育児休業等と同じ健康保険料や厚生年金保険料の法定免除はありません。

FPとしては、「何日休めるのか」「休業中はいくら受け取れるのか」「毎月いくら必要なのか」を先に整理することをおすすめしたいです。退職するかどうかは、その数字を確認してから考えることが大切です。

※事例は制度をわかりやすく説明するため、内容を一部調整しております。実際の給付額や受給可否は、雇用保険の加入状況、休業期間、休業中の賃金などによって異なります。

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