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「直してから売れば高くなる」42万円の腕時計を修理に出そうとした60代女性→後日、鑑定士に告げられた“意外な事実”に驚愕

  • 2026.9.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

「動かない時計なら、直してから売った方が高くなる」。そう考え、査定に出す前に数万円をかけて修理しようとする人もいるかもしれません。

ところが、5万円以上かけて修理しても、その分だけ買取価格が上がるとは限りません。むしろ、そのまま売った方が手元に残るお金が多くなる場合もあります。

20年前の結婚記念に約42万円で買った腕時計を手放そうとした63歳女性も、「先に直した方が得」と考えていました。

42万円の腕時計が動かない…「このまま出したら安くなる」

63歳のMさんは、自宅を整理していたとき、1本の腕時計を見つけました。約20年前、43歳の頃に夫との結婚記念で購入した海外ブランドの時計です。当時の価格は約42万円でした。

購入後は仕事や食事会などで使っていましたが、徐々に出番が減少。購入から約12年たった頃にはほとんど使わなくなり、その後8年ほどは箱に入れたままでした。

子どもに譲ることも考えましたが、「使わないと思う」と言われ、Mさんは売却を検討します。久しぶりに取り出すと時計は止まったまま。ケースには細かな傷があり、ベルトにも使用感が残っていました。

「42万円もした時計なのに、この状態ではかなり安くなるかもしれない」

そこでMさんが考えたのが修理です。

内部の点検や分解清掃、部品交換などが必要になれば、修理費は数万円かかる場合があります。それでも仮に5万5,000円なら、「直した分だけ査定額も上がるはず」と考えていました。

高額で購入した時計だけに、数万円かけて状態を整えてから売る方が得に思えたのです。ただ、修理へ出す前に現在の価値を知っておこうと、Mさんはそのまま査定を受けました。

鑑定士から告げられたのは、動かない時計でも査定対象になる場合があり、修理費をかけた分だけ査定額が上がるとは限らないということでした。

「直してから売れば高くなる」と思っていたMさんには意外な話でした。

査定額は2万円アップ。それでも3万5,000円少なくなる?

たとえば、修理せず売った場合の査定額が12万円だったとします。

5万5,000円をかけて修理し、査定額が仮に14万円まで上がれば、買取価格は2万円アップです。

しかし、14万円から修理代5万5,000円を引くと、実質的に残るのは8万5,000円。修理せず12万円で売る場合より、3万5,000円少なくなります。

「14万円で売れた」という数字だけを見ると得したように感じますが、そのためにいくら使ったかまで見なければ判断できません。

もちろん、時計によっては修理で査定額が大きく上がる場合もあります。一律に「修理しない方がよい」とはいえないため、現状の査定額と修理費を比べることがポイントです。

20年前の箱や保証書も捨てない。相続を考えるなら「情報」も残す

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

腕時計の価値は、「古いから安い」と単純に決まるものではありません。ブランドやモデル、状態、市場での需要に加え、箱や保証書、ベルトの余りコマなどが査定額に影響する場合もあります。

Mさんも8年間ほとんど触っていなかった箱を確認すると、購入時の保証書や余っていたベルトのコマが残っていました。

こうした付属品は、売却するときだけでなく、将来家族へ残す場合にも大切です。金銭的な価値のある腕時計は、所有者が亡くなれば相続財産になる可能性があります。

家族が時計の存在を知らなければ、「高そうな時計はあるけれど価値が分からない」「保証書が見つからない」といった状況にもなりかねません。

売らずに持ち続けるなら、時計の写真やブランド・モデル名、保管場所、箱や保証書の場所などを整理しておくのも一つの方法です。

現在のおおよその査定額を残しておけば、家族が価値を判断する際の参考にもなります。ただし、今の査定額がそのまま将来の相続時の評価額になるわけではありません。

市場相場は変わるため、将来相続が発生した場合は、原則として相続開始時、つまり亡くなった時点の価値を基準に確認する必要があります。

誰に残したい時計なのかも含め、元気なうちに家族と話しておくと、その後の整理もしやすくなります。

「売る・使う・家族に残す」を一度整理する

腕時計を修理するか迷った場合、まず現状の価値を確認しましょう。そのうえで、「今売るならいくら」「修理費はいくら」「このまま自分で使うのか」「将来家族へ残したいのか」を整理します。

特に10年、20年と持っている高価な時計は、単なる不用品ではなく、ある程度の資産価値を持っている場合があります。

ここで注意したいのは、今売って現金にすれば相続と無関係になるわけではないことです。売却後の現金を持ったまま相続が発生すれば、その現金も相続財産になります。

そのため、「相続のために売る」と単純に考えるのではなく、自分で使うのか、家族に残すのか、それとも今のうちに整理するのかを考えることが大切です。

売るなら、修理費まで差し引いて最後にいくら残るのか。残すなら、家族が時計の存在や保管場所を把握できる状態になっているか。高価な腕時計は、目の前の査定額だけでなく、将来誰がどのように受け継ぐのかまで含めて整理しておきたい資産の一つです。


※事例はプライバシーの観点から、内容を一部調整しております。腕時計の査定額や修理費は、ブランド、モデル、状態、付属品、市場相場、査定する事業者などによって異なります。

執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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