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「バックスイングはゆっくり」は正解じゃない⁉正しいスイングのリズムは?

  • 2026.7.14

一度は聞いたことがあるレッスン用語。その真実について、奥嶋コーチが解説します!

【用語】フェースを返さないと球はつかまらない

バックスイングでフェースを開き、ダウンスイングで閉じていく動かし方。フェースがターゲットを向くのはごく一瞬となる。そのタイミングをインパクトに合わせる練習が必要だ。

Q.フェースローテーションをしなければならないと考えていませんか?

A.フェースは開いて閉じるものですが、自分の意識としては「閉じて、開く」にしたほうが、フェースをスクエアに保ちやすくなります。

フェースを返すという言葉の指すものとしては2パターンあります。開いて閉じるパターンと、閉じて開くパターンです。後者はあまり聞き慣れないかもしれませんが、あります。ただ、そのように意識しているからといって、意識しているとおりにクラブが動いているとはかぎらないので、注意が必要です。

「フェースは開いて閉じるもの。閉じなければボールがつかまらない」とはよく耳にする表現です。この返し方のパターンは、自然なものだと思います。

腕はバックスイングで右に回り、ダウンスイングからフィニッシュにかけて左に回りますが、その動きによってこのフェースローテーションは起きます。

上の写真のように、ヒジをたたむ動きも積極的に使い、フェースローテーションを大きくつくるスイングもあります。ただ、フェースがターゲットを向くのは一瞬となるため、タイミングを合わせる練習が必要となります。

その一方で、下の写真のように、スイングプレーンに対してはフェースはずっとスクエアでありつづける、という動かし方もあります。タイミングに依存せず、フェースの向きが安定しやすいだけでなく、両手が胸の前から外れない点でも安定度を高められるスイングになると思います。

ただ、この説明も「2次元で考えたら」という注釈がつきます。現実には3次元で動いているわけですから、話は変わってくるはずなのです。このトピックは、ここまで科学が発展し、データ計測などが進んできてもまだ100%の確証のある答えに至っていない部分といえます。しかし、ゴルフスイングの成否を決めるキーポイントであることは間違いありません。

ひとついえるのは、今までの常識にとらわれずに、答えを探すことが大切だということ。答えというのは、「自分なりの答え」であっても十分にスイングづくりにおいては役に立つと思います。

「バックスイングはゆっくり」は正解じゃない⁉正しいスイングのリズムは?
バックスイングとダウンスイング

プレーン上でフェースをずっとスクエアに保つ動かし方(2次元で考えた場合)。腕はバックスイングで左、ダウンスイングで右に回している。フェースの向きが変わる度合いが小さくなるため、インパクトでの向きの誤差が小さくなる。両腕の三角形キープと手首をヨコ方向に使うことがカギ。

【用語】バックスイングはゆっくり

「ゆっくり、リキまず」を意識して振る人も、どこかで必ず力を入れている。その際に出がちな、動きへの悪い影響がなくせないようなら、「ゆっくり、リキまず」の意識を変えたほうがいいかもしれない

Q.「速く振ろうとする=リキむ」なのだからゆっくりがベストだと信じていない?

A.「ゆっくり」でうまくいく人も、「速く」でうまくいく人もいます。途中でテンポが変わるとうまくいく人もいます。固定観念を捨て、自分のリズムやテンポを見つけることが大切です。

バックスイングについては、「ゆっくり」という教え方が多いと思いますが、「速く」という人も見かけます。こういう場合は「どちらかが正しい」わけではなく、「どちらもある」。つまり、ゆっくり上げるのが合う人もいれば、速く上げるのが合う人もいるということを示しているのだと思います。

リズムというのは、「規則的な運動や、時間的な感覚のパターン」のこと。3拍子とか4拍子など、強弱も関わって規則的なパターンをつくります。それに対し、テンポというのは、リズムを規則的につづける「速さ」のことです。これがゴルフのスイングでは、タイミングの取り方や力の出し方に深く関わっています。

スイングづくりにおいて、形ばかりにとらわれがちですが、リズムやテンポは形よりずっと重要なファクターです。

ただし、どんなリズムやテンポがいいのかということではなく、自分のリズムとテンポを見つけ、いつも同じように実行することが大切です。

リズムやテンポは本当に、人それぞれです。変えようと思っても、今までやってきたテンポやリズムから離れることはなかなか難しいものです。

ゆっくり上げてうまくいくなら、そのままつづけてください。
速く動かしてうまくいくなら、これもそのままつづけてください。

問題は、そのどちらでもうまくいっていない人です。うまくいくこともあるけれど確率が悪いという人も含めます。ゆっくり上げていた人は、速くを試してみてください。速く上げていた人は、ゆっくりを。

「ゆっくり上げて、切り返しからスピードを出す」パターンもありえますし、「速く上げて、ゆっくり下ろす」パターンもあります、「一定のスピードで上げて下ろす」ももちろんありますが、さまざまなスピードの「一定」を試してほしいと思います。

自分に合うリズムとテンポと力の入れ具合

自分に合うリズムとテンポ、そしてスピードの出し方、力の出し方がありますから、いろいろ試してみましょう。

ちなみに「速く」よりは「ゆっくり」とアドバイスする人が多いのは、スピードを上げようとするとリキんだり動きがバラバラになることが多いからだと思います。急激に力が入ると、意図しない動きが加わってしまいます。

ただし現実には、「ゆっくり」を意識していながらも、途中から急激に速いスピードへと加速させようとして、リキんで動きを乱す人が多いと思います。そのため、「ゆっくり上げて、ゆっくり下ろす」というようにダウンスイングでも、とくにダウンスイングのはじまりの部分で「ゆっくり」を意識させる教え方もあります。

しかし、それでもクラブは加速していきますし、体には力が入るわけです。それを自覚したほうが結果がよくなるか、自覚しないで結果が出せるかは、人によって違うのでしょう。

いかがでしたか? 奥嶋コーチの解説をぜひ参考にしてください!

解説=奥嶋誠昭
● おくしま・ともあき/1980年生まれ。ツアーコーチ。アメリカの最先端スイング解析システム「GEARS」を日本で最初に導入。ゴルフスイングを科学的かつ客観的に分析するノウハウを『ザ・リアル・スイング』(小社刊)に著して一躍注目された。アマチュアからプロまで幅広く指導し、稲見萌寧、木下稜介らのコーチとしても活躍。主宰する「ザ・リアル・スイング・ゴルフスタジオ」(横浜市)を拠点に活動する。

写真=高橋淳司

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