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「4月が来るのが憂鬱」弱音を吐いた私。 80代の隣人がかけてくれた『人生の教訓』に「救われた」

  • 2026.3.25

春は「始まりの季節」と言われますが、特に環境の変化が重なる3月から4月にかけては、理由のない不安や焦りに包まれる人も多いものです。今回は、そんな季節の変わり目に関する、筆者の友人のエピソードをご紹介します。

画像: ftnews.jp
ftnews.jp

毎年やってくる、春の「新生活ブルー」

私は昔から、環境の変化にとても敏感なタイプで、3月から4月にかけてのこの時期が、どうしても苦手です。

社会人になってからは、人事異動や新しい人間関係など避けられない変化が重なり、プレッシャーも増していきました。

「新しい職場でうまくやれるかな」
「ミスをしたらどうしよう……」

夜、布団の中で天井を見つめていると、ネガティブな考えが止まらなくなり、眠れないまま朝を迎えることも珍しくありませんでした。

隣人との何気ない会話

去年、まさにそんな「新生活ブルー」の真っ只中にいた頃のことです。

ある早朝、重い足取りでゴミ出しに行くと、隣の家に住む高齢女性のAさんに「あら、元気がないわねぇ」と声を掛けられました。

Aさんは80代とは思えないほどいつも凛としていて、お庭には季節の花を絶やしません。
その日も、朝早くから庭いじりをしていたようです。

見守られているような温かさに、私は堰を切ったように「4月からのことが不安で……」と弱音を吐いてしまいました。

「しおれる時間」の大切さ

するとAさんは、植え替え中の鉢を指差し、こう言いました。

「植物だって、新しい土に植え替えられた直後は必ずしおれるの。環境が変わるんだから当たり前よ。でもね、静かに水を吸って、根が新しい土に馴染むまで待てば、また芽を出すから」

そして、土で汚れた手で、しおれた葉を優しく撫でながら続けたのです。

「しおれるのはね、次に進もうと頑張っている証拠なのよ。すぐに立派な花を咲かそうとしなくていいの」

その言葉に、強張っていた私の肩の力が、すーっと抜けていくのを感じました。

しおれている自分も受け入れて

最初から完璧に馴染もうとしなくていい。
新しい環境という土の上で、じっと耐えているだけでも100点満点なのだと、そのとき初めて気づかされました。

不安でしおれている今の自分も、ちゃんと前に進もうとしている証拠。
それだけ真面目に取り組もうとしていることなのかもしれない、と素直に思えたのです。

4月が来るのは、正直まだ少し怖いです。
でも、無理に咲こうとせず、今はただ、この新しい土にゆっくりと根を馴染ませていこう、と切り替えることができた出来事でした。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2026年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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