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「タワマンに住む意味がないのでは」1億円で購入も…40代夫婦が30階を捨てて3階を選んだワケ

  • 2026.3.29
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※ChatGPTにて作成(イメージ)

皆さま、こんにちは。大学卒業後に大手不動産会社へ入社し、現場経験を積んできた宅地建物取引士であり防災士のライターT.Sです。

タワーマンションといえば、見晴らしの良い高層階に住むのがステータスだと考える方は多いのではないでしょうか。しかし、日々の快適さや万が一の事態を想定すると、実は低層階にこそ大きなメリットが隠されています。

今回はあえて低層階を選んだ夫婦の事例を通じて、タワマンにおける合理性と防災目線での物件選びについて解説します。

眺望よりも生活動線を優先した合理的な選択

日々の生活の快適さと安全性を重視する40代のCさん夫婦は、予算1億円でタワーマンションの購入を検討していました。同じマンション内で複数の部屋を比較した結果、眺望は良いが狭い30階ではなく、眺望はないが広く生活動線が良い3階の部屋を選びます。

素晴らしい景色を手放す選択に対し、知人からは「せっかくなら高いところに住めばいいのに」「タワマンに住む意味がないのでは」と笑われたそうです。もちろん高層階を選ぶ方の価値観も十分に理解でき、何を重視するかは人それぞれだといえます。

それでもCさん夫婦は地に足のついた堅実な暮らしを優先し、迷うことなく低層階での新生活をスタートさせました。入居してからしばらくすると、この選択が日々の生活においてどれほど合理的であったかを身をもって実感することになります。

エレベーター渋滞の回避と停電時の安心感

高層階には周囲の視線や騒音が届きにくく、上層階ならではの開放感やリセール(売却)時に有利になりやすいという大きな魅力があります。一方でタワマン居住者が書き込むインターネット掲示板には、高層階に住む方から「朝のピーク時にエレベーターが満員で10分近く待たされた」「強風で窓も開けにくい」といった悩みが日々書き込まれています。

低層階に住むCさんはエレベーターを使わず、毎朝非常階段を使ってわずか1分でエントランスへ到達し、通勤のストレスとは無縁の生活を送っています。台風の影響で長時間の停電が発生した際も、Cさん夫婦は自力で階段を上り下りして水や食料を確保できました。

非常用発電機を備えた物件も多いものの、その稼働時間には限りがあり、長時間の停電ではエレベーターが使えなくなる可能性はゼロではありません。身動きが取れなくなる状況を想定し、低層階を選んで大正解だったと確信したそうです。低層階であっても、高層階の豪華な共用施設は日常的に利用しており、Cさん夫婦はタワマンの恩恵をしっかりと享受しているといいます。

災害レジリエンスと終の住処としての低層階

タワマンの価値は眺望だけにあるのではなく、堅牢な建物がもたらす災害レジリエンス(防災力や回復力)にもあります。停電時に水や食料を持って階段を上り下りできる限界は、一般的に5階程度が目安といわれているのをご存じでしょうか。

老後も住み続ける終の住処として考えると、物理的な移動の負担が少ない低層階は非常に有利です。また高層階で感じやすい長周期地震動(ゆっくりとした大きな揺れ)を考慮しても、防災士の目線で低層階は堅実な選択肢といえます。

眺望にいくら払えるかは個人の価値観ですが、いざという時の安全保障という観点を持つことが、後悔のない物件選びの重要な視点となるはずです。

参考:長周期地震動について(気象庁)



ライター:T.S(宅地建物取引士・防災士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして、業界の不都合な真実や消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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